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「面白いことになってきたじゃないかぁ」なぜかジュンペイよりも、颯太の方が面白がっている。「そりゃあ、確かに…気になるけどねぇ」いつもと真逆な反応をしている。「こっちへ」裕太が二人を手招きすると、頭を密着させるようにして、ささやく。「相手を泳がせるんだ。それで…何を考えているのか、探って欲しい」ついに、声に出して言う。何しろ、じいちゃんに頼まれたのだ。少しでも、役に立ちたいと思うのは、孫として当然の考えだ。颯太は目をいきいきとさせて、「わかった」と大き
「ちょっと」すかさず裕太は、颯太とジュンペイを手招きする。「なに?」少し離れた岩の所まで、二人を呼び寄せると、裕太は二人をじぃっと見ている。「探るんだ」小さな声で、二人にささやく。「なに?」ジュンペイが大きな声で、聞き返す。「あっ、しぃっ!」あわてて裕太は、ジュンペイの口をふさぐ。裕太の様子をすぐに、颯太は察したようだ。「なるほど、じいちゃんのために?」裕太に尋ねる。「そうだ」チラリと男の方を振り向く。男も裕太が何を話しているのか、気になっているようだ。
(あっ)(やっぱり…なにか、ある?)すかさず裕太と颯太は、その変化に気が付く。「そっかぁ~たまたまヘリで、ここに来たんだよねぇ」じいちゃんが、嫌みっぽく言う。だがジュンペイだけは、それをうのみにしたようで、「そっかぁ、たまたま来た無人島で、偶然ボクたちが居合わせたのかぁ。ある意味、すっごい偶然だね!」嬉しそうにそういう。(なんて、単純なんだろう)もしかしてジュンペイは、だまされやすいタイプなのか?そのことが裕太は、ちょっと引っかかっている。男は明らかに、救われたと
(一体、何を考えているんだ)このジュンペイのお調子者な口を、どうにかしてふさぐことが出来ないだろうか。裕太は切にそう願う。「そうだなぁ」相手はさして、嫌そうでもない。(どうして?)きっと…ただの老人と、その孫と友人だ…と、なめてかかっているのだろう。ゆるゆるとして、まったく警戒などしていなさそうだ。まさかじいちゃんたちが、何か企んでいる…などとは、思いつきもしないのだろう。裕太はハラハラと、見守っている。「で…本当のところ、あんたはここに、何をしに来たんだ?」
「え~っ、こんな不便な所に、よくもまぁ酔狂なことを考えるもんだ…と、この人と話していたところなんですよ」じいちゃんはチラリと、山口さんの方を見る。「なるほどねぇ」その人も山口さんの方を見ると、何者だろうか…と考えを巡らせているようだ。「まぁ、レジャーランドだけでなく、高級ホテルが出来るそうだから…物好きな金持ちが、来るんじゃあないかねぇ」白々しく、じいちゃんに水を向ける。「まぁねぇ~宇宙旅行に大金をはたく金持ちがいるんだから…これくらいのこと、珍しくもな
「まぁ、そんなことより、この辺はクマやイノシシが出るし、けっこう物騒だ。お互い、早く退散した方がよさそうですよ」なぁ、ご同輩!ポンポンと、相手の肩をたたく。けっこうな音がしたので、じいちゃんは強めにたたいたのだろう。相手も顔をしかめている。(じいちゃんは…追い出そうとしているな)裕太はそう思い、隣にいる颯太を見る。颯太はコソッとうなづくけれど、親指を立ててみせる。「まぁ、我々は、この島のことを、下見に来ただけだから…すぐに退散しますよ」じいちゃんの意図を感じ取
(油断は禁物だ)裕太はぎゅっと、眉間にシワを寄せる。だがじいちゃんは、ここで黙っているわけがない。「ワシの孫が、どうしてもここに来てみたい、と言うもんですから」にこやかに答えて、さり気なく裕太たちを、自分の背中に隠す。「おや、そうなんですかぁ~ここに来るには、ずいぶん大変だったでしょう」相手も、一筋縄ではいかないタイプのようだ。「そうなんですよぉ~危うく、遭難するかと思いましたよ」だがじいちゃんは、少しも動じることなく、逆に相手を自分のペースに、巻き込もうとして
劇団月の砂漠2026🎏GW🎏の稽古場日記です。2026年6月28日(日)[それじゃあバイバイ、また明日!]@北区王子北とぴあ6階ドームホール公演本番まで早くも2か月を切りました✨️例年どおりGW期間中は追加稽古を複数回実施し、細部の演出や演技プランを深めました!今プロジェクト初めての本番会場での稽古照明を入れて役者の動きや表情を確認します。今回の物語のオープニングシーン初公開💡さらに、終盤の超重要シーンも初公開😆その他序盤〜中盤シーンもいくつかチラ見せまた別の日の稽古風景
「思ったよりも、早いなぁ」じいちゃんが悔しそうに言う。「近くに着陸したんだろ」すでに山口さんは、腹が決まったようで、堂々としている。「そうかぁ」「とにかく、相手の出方を探ろう」早口でそう言うと、じいちゃんはパッと身体の向きを変える。「やぁ!」いきなりじいちゃんは、近づいてきた人物に、怖がる様子もなく、堂々と話しかける。「あっ…」相手は、面食らっているようだ。おそらくは、ここに人がいるとは、予想していなかったのだろう。「奇遇ですねぇ。ボクたちはたまたま、
「来た!」「なんで?」裕太と颯太が、顔を見合わせる。「いいね?何を聞かれても、知らないで返せよ」じいちゃんが険しい顔をして、子供たちに言い含める。「うん」「わかった」「もちろんだよ!」ジュンペイが得意気に、鼻を膨らませている。(ホントに、大丈夫か?)裕太は心配になる。まさに、心配が的中!ここから、少し離れた砂浜に到着したようだ。バリバリバリバリ…にぎやかな音が響き渡っている。「あの子たちは?」じいちゃんは、裕太たちに最後の確認をしている。「洞窟に運ん
「無理に決まってるだろ。そもそもうちの島のどこに…こんなたくさんの竜たちを隠すつもりなんだよぉ」いつもは気ままなジュンペイだが、意外にも真面目な顔付きをしている。これには裕太も、驚かされる。ポカーンと口を開けたまま、裕太はジュンペイを見る。「それにどうやって、運ぶんだよぉ」しごく真っ当に返される。「それなんだよねぇ」当然だが、うまく答えられない。「だろ」ジュンペイに言い負かされ、すっかり落ち込む裕太なのだが…颯太は、そんな裕太を見てはいられず、「やっぱり、船かな
先生達はこれでも、場所選びからこだわったようだ。出来るだけ、静かな場所で秘密裏に、研究を続けることにこだわっていたようだ。「昨今のクマ騒動みたいに、民家を襲うかもしれない」淡々と話すじいちゃんの言葉に、裕太はうなづかざるを得ない。「まずは、研究成果が出る前に、トラブルが起きるのを避けたかったんだが…まさかこういう形で、この場所のことがバレるとはなぁ」残念そうに、じいちゃんが空を見上げる。さっき、どこかへ行っていたヘリが、いつの間にかまた頭上を飛んでいる。「思っ
「何でこの島で、恐竜を作ろうと思ったの?」「こんなヘンピな所に?」重ねて裕太が言うと、「そうだなぁ」じいちゃんは、ちょっと考え込む仕草をする。山口さんは、よけいな口出しはしようとはせず、少し離れた所で見守っている。「そうだなぁ~不便な場所だからこそ、最適な環境…といえるのかもしれないなぁ」そうですよね?と、じいちゃんはオジサンの方を向く。「それは確かに、好都合かもしれないですよね?」どうやら大人の間では、暗黙の了解が取れているようだ。「まずは、騒音問題。
「なんだ、ここに連れて来られたことを、怒っているのか?」じいちゃんは、笑いながらそう言う。「違うよぉ~そうじゃなくて」裕太は自分でも、何を言いたいのか、わからなくなる。「裕太、落ち着いて」たまりかねたのか、颯太が裕太を励ます。「なんだ、何かあったのか?」そう言いながらも、じいちゃんはオジサンの方を向く。「すみませんねぇ~山口さん。この子たち、普段はこうじゃないんですけど」やっぱりじいちゃんは、何か誤解をしているようだ。「例のリゾート開発のことだろ?」さっきまで、ト
子供たちが活躍するジュブナイル作品が好き😊特にグーニーズと、ぼくらの七日間戦争は大好き!覇悪怒組は当時毎週かかさず観てたわけじゃないからYouTubeで配信くれて有り難い。
「よくやったぞ」裕太たちの報告を聞くと、じいちゃんは大げさなくらい、三人を褒めちぎる。「ホントに…巻き込んでしまって、すまないねぇ」山口さんというじいちゃんの知り合いのオジサンに、じいちゃんは頭を下げる。「いえいえ…こちらこそ、楽しい思いをさせてもらいました」オジサンは、とても嬉しそうにじいちゃんに答える。「それだったら、いいんですけど…無茶をさせませんでしたか?」こうして見ると…じいちゃんは、ごく普通の大人だ。(じいちゃんって、案外まともな会話が出来るんだなぁ)
「あ~っ、とうとう、幻が見えるぅ」裕太が情けない声を上げると、「気のせいじゃあないぞぉ」ははは!じいちゃんの豪快な笑い声が聞こえる。目の前を、真っ白な竜が、スルンと降りてくると、「どうした?もう動けないのか?」じいちゃんが涼しい顔をして、裕太の肩をたたいた。「じいちゃん…遅いよぉ」裕太が音を上げる。「ボクはまだ、大丈夫だよぉ」ジュンペイの得意気な声が、かぶさってくる。「おじいさん…待ってましたよ」颯太が遠慮がちに言うと、「やぁ、斎藤さん、いいタイミングで!」
「よし、じゃあ次は、こっちのエリアだ」オジサンに言われるままに、無事、卵と赤ちゃんのエリアの安全を確認すると…今度はすぐ、隣のエリアへと移動する。ここからが、ちょっと厄介だった。「お~い、待て、待てぇ。遊んでいるんじゃあないぞぉ」声を張りあげながら、ジュンペイが走り回り、裕太と颯太も、挟み撃ちをしてつかまえたり、しっちゃかめっちゃかだ。トロッコは行ったり来たりを繰り返して、車輪が外れそうになる。「うーん、もっと強度をつけないとなぁ」オジサンは、予備のタイヤになりそ
斉藤洋「ナツカのおばけ事件簿深夜のゆうれい電車」「ルドルフ」シリーズや「なん者・にん者・ぬん者」シリーズの斉藤洋さんの児童書です。小学校中学年向けのホラーミステリー小説のシリーズです。ミステリーやホラーのジュブナイルは、最近マンガやアニメに押されている様に感じます。映像情報も良いのですが、直接の絵に頼らない文字情報からの想像力・読解力が少ないと情緒に欠ける様に思います。小学生にちょうど良い、ホラー感とサスペンス感だと思います。書店や図書室で見かけたら手に取ってほしいおすすめの本です。
「へぇ~そうなんだ。だったらなおさら、じいちゃんに…」裕太も颯太も、じいちゃんに会わせてあげたい…と思う。裕太は颯太と、顔を見合わせる。どうする?何とかなるかな?目と目で合図をおくると、「だったらオジサン…手伝ってくれる?」思い切って、裕太が言ってみる。「へっ?」男はまったく予想していなかったのか、驚いた顔をするけれど…「いいけど、大したことは出来ないよ。それでも、いいか?」ポカンとするものの、どうにか答える。やった!裕太は「うん」とうなづく。
(いなくなってしまう!)裕太はあわてて、「だったら、じいちゃんに…何か伝えることがありますか?」と声をかける。ガサガサと茂みを進む音が、ピタリと止まる。どうやら、ためらっているようだ。「いや、別に…特に何も、ありませんよ」やけに事務的な口調で、そう返してくる。(まさか自分が、うとまれているのか?)そのことが頭にひらめくと、一気に気持ちが萎えてくる。「じいちゃんはきっと、あなたに会いたいと思っているはずです」すかさず裕太が、その背中目がけて声を発する。その人は
「そっかぁ~じいちゃんの知り合いなんだぁ」なんだ、そうだったのかぁ~裕太は思わず、ははっと笑う。「キミのおじいさんには、いつも驚かされているんだ。案内の人でもないのに、とても勉強熱心だし、とてもよく気が付く。下っ端の私にまで、よくしてくれるんだ」優しい口調でそう言うのを、裕太はただ黙って、うなづいている。(じいちゃんは、やっぱ、すごいなぁ)こんな遠くにも、知っている人がいるなんて…ボクにはとうてい、かなう相手ではない…と思う。「キミは幸せだなぁ~あのおじい
「ここの竜たちは…今まで一部の者にしか、知られないまま、静かに暮らしてきたんだ。だが、この理想的な環境を壊すことになる」男は颯太を相手に、自分の気がかりを話している。(こんな風に、ボクにも話が出来るんだろうか?)裕太はひそかに、焦りを感じる。「ボクに…何が出来るの?」暗がりにいるその声の主に向かって、裕太は話しかける。その人が一瞬、息をのんだような気配がして、はぁ~とため息をつく。「そうだなぁ~やっぱりキミたちには、この子たちを守って欲しいなぁ」やや穏やかな口調で
「えっ?竜が?動物園みたいに?」裕太はボンヤリと、展示されている竜の姿を想像する。「何だかあんまり…スッキリしないぞぉ」さっきまでは、遊ぶ施設が増えたら、この島に来る楽しみが出来る、と思ったのだが…「えっ?それって…オリに入れて、見世物にするってこと?」ジワジワと、実感として迫ってくる。「それにうまく、オリに入れたとして…お客さんの安全を本当に守れるだろうか?」さらに声の主は、そう続ける。「そうだよなぁ」裕太の隣で、颯太がしきりとうなづいている。「あの映画みたいに、肉
「はぁ?」「テーマパーク?」「テーマパークって、USJみたいな?」「え~っ、すごいじゃん」「ボクたちも…行けるの?」裕太がすっかり興奮して、わぁわぁと騒いでいる。(ホント、子供だなぁ)颯太は裕太の方を見て、苦笑いを浮かべるけれど…実際、颯太だって、同じくらい心が湧きたっている。「そのテーマパークが出来て、何が悪いの?」いいことづくめじゃあないか。裕太は、声の主に向かって話しかける。「バカだなぁ~裕太は」相手が答える前に、颯太が呆れた顔をする。「バカって、なんだ
「ちょっと、裕太!」颯太が声をひそめると、裕太の腕を引っ張る。『いいから、いいから』黙ってて、と裕太が颯太に合図をする。仕方がないので、颯太は成り行きを見守ることにする。「それともまさか…オジサンも、リゾート開発の関係者じゃあないよね?」さらに声を張る。するとガサガサ…と身じろぎをする音がして、「それは、違う」確かに、声が聞こえた。「あっ…」颯太が驚いて、その場に立ちすくむ。「だったら、何で隠れているの?まさか…ボクたちのことを、疑っているの?」「それは
「もしかしたら、ここでまた、新しい種類を発見できるかもしれない。もしもそうなったら、すごいぞぉ」あまりに声が大きいので、裕太はハラハラしている。「キミたちは、何でここにいるんだ?」その人物は、裕太たちに向かってそう言う。(もしかして、この人…)パッと裕太が、ひらめくけれど、それを確かめようとはしない。(気のせい?でも、ここだと動きが取れない)何となく落ち着きなく、ゴソゴソとしていると…「見て!」すかさず裕太が、声を上げる。「キミたち…ここの竜を、どうするつも
声の主の姿は見えない。暗がりから、聞こえてくるだけだ。「あ~っ、ボクたち、この子たちを助けに来たんです」お前たちは黙ってろ、とジュンペイがズィッと前に出る。「この子たち?」やはり相手には、よくわからなかったようだ。じいちゃんではない。いきなりの第三者の出現で、颯太がビビッてしまい、裕太の後ろに隠れる。「オジサンも、そうでしょ?アイツらから…この子たちを守りに来たんでしょ?」ベラベラと、ジュンペイがしゃべるので、「おい、ちょっと!」さすがにまだ、信用しては
「あれ?」やけに辺りが騒がしい。「何か、あったか?」裕太がジュンペイに尋ねる。「いや、知らないよ。知らないってか…ずっと一緒に、いるじゃないかぁ」何で、ボクが?とジュンペイは、ややムッとした顔になる。「もしかして…何か感じているんじゃないの?」動物って、けっこう敏感だというし…颯太は竜たちが、外の様子を感じているのでは、ないか…と考える。「そうか?ここから外って、遠いぞぉ」ジュンペイが、半信半疑なのだが…「聞こえるんじゃあないの?それか…やっぱり空気で察してい
「とうちゃーく!」ジュンペイが、「一番のり~!」とピョンと洞窟の中に飛び込む。「ちょっと、待ってよぉ」さすがにこの木の箱が、岩の上をスムーズに勧めるとは思えない。案の定、ガタガタと、大きく揺れる。風が反響して、悲鳴のような音を立てる。「何だか不気味だなぁ」急に裕太の足が止まる。ジュンペイは一向に、気にする様子もなく、トコトコと進んで行く。裕太は場を盛り上げよう…と、「とりゃあ~」わざと大きな声を上げると、「おりゃあ~」ジュンペイも調子に乗って、大きな声で