遅ればせながら、ここでラスコーリニコフの周囲にいる人物で、ちょっとシンパシーを感じた人物を紹介する。「スヴィドリガイロフ」という人物だ。「「J・M・マリは、スヴィドリガイロフの方を「罪と罰」の本当の主人公とみなしていて、この男を「年を重ねたラスコーリニコフであり、しかもわが意志は万物を獲得すべしとの決意の、年を重ねても少しも鈍らなかった男である」と述べています。マリの「スヴィドリガイロフは主として行為上の悪への意志の顕現みたいに見えるが、実ははるかにそれ以上のものである」という指摘は、つまり、悪