JOG Note No.2198 明治憲法では国務大臣の副署がなければ、天皇の大権も無効だった。
伊藤博文が強い行政権によって国民の福祉を増進すべきというシュタイン国家学の強い影響を受けたということは既に述べた通りであるが、彼が明治憲法を起草する際に最も苦心したのは、天皇が国家権力を一元的に掌握するという政治システムの中にあって、天皇をして如何に政治争点化させないか、すなわち天皇の不可侵性・政治的法的無責任性を如何に確保するかにあった。明治憲法はその第五十五条で「国務各大臣ハ天皇ヲ輔弼シ其ノ責二任ス凡テ法律勅令其ノ他国務二関ル詔勅ハ国務大臣ノ副署ヲ要ス」と規定しているが、この規定こそは伊
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