ブログ記事39件
知人に日経の夕刊をもらって読んでいます。我が家では朝日新聞を取っています。なので、朝日新聞は朝刊・夕刊ともに読めるのですが、日経の夕刊は朝日新聞とはちがった特集があり、なんとなくもらって読み続けてきました。しかし、知人に「もう(日経の)夕刊取るのやめたから」と言われて読めなくなることを残念に思ったコーナーが、(日経の)シネマ万華鏡というコーナーと人間発見というコーナー。シネマ万華鏡はその時々公開している映画の紹介文で、1枚だけ映画のシーンの写真が添えてあります。
映画関連のあれこれ、常に分類整理はしてあるので「断捨離」の必要性はさほど感じてないんですが年末でもあり、これ以上モノをふやさないために、ちょっと見直してみることにします。(1)月刊スクリーンスター&監督大名鑑ちょうどいま、月刊スクリーンの1月号が発売中なんですが、毎年この号には「スター&監督大名鑑WHO'SWHO」が付録についているので、買い忘れのないように、毎年細心の注意を払っていました。2008年のロードショー廃刊後は「スクリーン」ひとすじで・・・・
昨日も今日も映画館で新作を見たんですが私にとってはすごくショック!なことがあって書く気になれず・・・今日はそっちのことを書いてしまいます。日本経済新聞金曜日夕刊の文化面にはここでもなんども記事にしている「シネマ万華鏡」の連載があるのですが、昨日の夕刊をみてびっくりしました。いつものとちがう!参考までに先週10月1日付のものと比較してみます。①水色で囲った短評5本がそっくりなくなったこと②赤で囲った星の数での評価がなくなったこと全体の紙面の大きさはか
日本経済新聞、金曜夕刊の映画評コーナー「シネマ万華鏡」に参加させていただくことになりました。毎週とはいかないかもしれませんが、月に数本のペースで週末に劇場公開される映画を紹介していく感じになります。初回の掲載は明6/18です。よろしくお願いいたします!
2019年1/25付け日経・大阪版「シネマ万華鏡」「天才作家の妻-40年目の真実-」を掲載します。画像承諾済み。無断転載ご遠慮ください。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「天才作家の妻-40年目の真実-」“おしどり夫婦の秘密描く”(c)METAFILMLONDONLIMITED2017人も羨むおしどり夫婦の秘密を、妻の側から描いた作品だ。2人の奇妙な人生を捉えた描写には風刺性があり、ゴール
こんにちは。たける君☆おつかれさまです。お昼は召し上がったかしらん。さて…大変遅ればせですが…先日11月16日の日経夕刊の記事☆『シネマ万華鏡』いつも割と辛口な批評が多い中での★★★★★五つ星!!!!!めっちゃ嬉しかった!😱💕たくさんの方が劇場に足を運んでくださいますように!!!(^_^)
日経新聞10月19日「シネマ万華鏡」掲載の「ハナレイ・ベイ」の映画評です。「ハナレイ・ベイ」は現在公開中です。画像承諾済み。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「トイレのピエタ」(2015)で、演出力の高さを見せた松永大司監督の人間ドラマである。村上春樹の短編小説を松永監督自身が脚色・編集したもので、家族の死
つねに問題作を発表し、賛否両論を巻きおこすミヒャエル・ハネケ監督の最新作。現代のブルジョワ家庭にひそむ心理と情動の暗い裏面を抉(えぐ)っている。『愛、アムール』には老夫婦の愛情があった。一方、本作の大家族には愛はおろか感情の交流もほとんど存在しない。その人間性を失った虫のような人々の生態をハネケは距離を置いて淡々と描きだす。そこから、黒いユーモアがじわじわと湧いてくる。その冷たい悪意がいかにもハネケらしい見どころだ。日本経済新聞(NIK
クリント・イーストウッド監督の最新作。2015年8月、アムステルダム発パリ行きの高速列車で銃撃による大量殺戮を開始しようとしたテロリストに、アメリカ人青年3人が立ち向かい、阻止した。その実話を映画にした。「アメリカン・スナイパー」(14年)、「ハドソン川の奇跡」(16年)につぐ実話の映画化であるが、今回は、なんと実話の本人たちに自分の役で主演させるという、驚きの手法をとっている。さらに、映画の構成にもっと驚く。テロ事件の実話の映画化ということから予想・期待されるものを
かつてドン・シーゲル監督、クリント・イーストウッド主演で「白い肌の異常な夜」(1971年)として映画化されたトーマス・カリナンの小説を、ソフィア・コッポラが監督・脚本・製作(共同)をかねて再映画化。昨年のカンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した。原作も、この映画の公開に合わせて翻訳された。ドン・シーゲル版もソフィア・コッポラ版も大筋は同じである。だが、同じ年に「ダーティハリー」を放つ男性的なアクション監督として鳴らしたシーゲルと「ガーリー」すなわち積極的な女の子らしさを
米政府の極秘宇宙開発研究所で働く声を失った清掃係がアマゾン奥地で捕獲された半魚人と恋に落ちる。そんな奇想天外な設定の恋物語の背景になるのは米ソの宇宙開発競争たけなわの時代、1962年。『パンズ・ラビリンス』『パシフィック・リム』などファンタジー怪獣好きで知られるメキシコ人監督ギレルモ・デル・トロの第74回ベネチア国際映画祭金獅子賞受賞作。日本時間の3月5日発表のアカデミー賞でも13部門で候補にあがる。人間と怪獣が愛し合うときの赤いドレスがとろけるような美をし
映像の美しさにおいて、とびぬけた作品である。それだけでも詩的な高みに達している。だが「愛の詩」という邦題から連想されるような甘さ、通俗性はない。ふつうにストーリーを追おうとすると難解なのだがそれだけの報いはある。主人公ガオ・チュン(チン・ハオ)は父を亡くし「川辺の習慣」として黒い魚をとらえる。餌をあたえずにいて、それが死んだとき父の魂もあの世へ行く・・・・。日本経済新聞(NIKKEISTYLE)映画コラム「シネマ万華鏡」2018.2.
戦後日本マンガにおいて最高の1冊に数えられるべき岡崎京子の『リバーズ・エッジ』の映画化。ハードルの高い企画だが、監督もスタッフも役者も持てる力を出しきった感がある。濃密な1作である。若い役者たちの生身の肉体も息づいている。登場する全員が少しずつ壊れていて、それが常態に見える。これが今の日本という時代の表現にほかならない。岡崎京子という天才が造形した20年前の虚構世界に今の時代が易々と追いついている。そのことがむしろ恐ろしい。日本経済新
吉田恵輔は「関係性」を描く監督だ。「さんかく」(2010年)は三十路のカップルに妹が割り込む三角関係。「麦子さんと」(13年)は自分勝手な母とそれを許せない娘の親子関係。新作は性格が対照的な兄弟、姉妹の4人の愛憎が絡み合う関係を描き出す。4人の物語が交錯する後半、あんなに憎み、罵っていた兄弟姉妹を他人に批判されると途端に弁護する。「あいつを誰よりも知っているのは自分だ」と固く信じているからだ。幼いころから積もり積もった兄弟姉妹の愛憎とは、そういうもの。
高倉健主演の「君よ憤怒の河を渉れ」(1976年)は、ある世代以上の中国国民にとって特別な映画である。文革後の79年に、はじめて見る共産圏以外の外国映画として公開され、大ヒットしたからだ。その原作(西村寿行)を中国資本で再映画化。監督は「男たちの挽歌」(86年)以降、香港アクション映画を牽引したジョン・ウー。この企画をえて、しばらく封印されていたジョン・ウー流現代アクションの華麗なドンパチが復活したのは、ファンとしてうれしい。日本経済新聞(NI
思春期の多感な少女の目に内戦で荒廃した日々はいかに映じるのか。それも伝統が根強く残る社会だとしたら……。旧ソ連崩壊当時のジョージア(グルジア)を舞台に、内戦の不穏な空気に包まれた環境の中で精一杯生きる少女たちの姿を瑞々しく描き出している。日本経済新聞(NIKKEISTYLE)映画コラム「シネマ万華鏡」2018.2.2.夕刊より(映画評論家村山匡一郎)
21世紀中国におけるドキュメンタリー映画の極北を切り開いてきたワン・ビン監督の新作である。舞台は上海の近くにある浙江省の織里(ジィリー)。おびただしい数の衣類加工工場が密集し、子供服の生産は全国の8割近くを占める。中国の経済発展のモデルとされる町である。映画は、この町をめざしてはるか2200キロ離れた雲南省から出稼ぎに行く16歳の少女を描くところから始まる。家族との団欒のなかで、これから始まる出稼ぎ生活への不安と興奮が示されるが、ぴんと張りつめた肌と血色のよい顔には
「パラダイス」3部作で現代人の孤独と欲望を独特の映像世界で描いたオーストリアのウルリヒ・ザイドル監督の新作である。現代のアフリカ・ナミビアを舞台に、トロフィー・ハンティングを愛好するヨーロッパの人々の姿を醒めた視線から見つめている。トロフィー・ハンティングとは、もとは王侯貴族の支配権力を誇示する狩猟の趣味に由来するが、近代ではお金持ちの顕示欲を示す高級な遊びとなった。現在ではアフリカ各国が貴重な観光資源としてハンティング愛好家を受け入れているが、当然ながら動物保護
寂れた街道沿いに立つ3つの看板に広告を出して町中を敵に回した母親。それぞれの看板には真っ赤な地に黒々と「レイプされて死んだ」「なぜ?ウィロビー署長」「犯人逮捕はまだ?」の文字が書かれている。日本でも古くから知られたアイルランド民謡「庭の千草」が流れジョン・フォード監督が描く西部劇の世界を思い出させるように始まるドラマは、英国人マーティン・マクドナーの監督・脚本・製作。エキセントリックなサスペンス劇「セブン・サイコパス」(2012年)に続く彼の長編3作目。
年代物のキャンピングカーに乗って老夫婦のジョン(ドナルド・サザーランド)とエラ(ヘレン・ミレン)が国道1号を南へ走る。米国北東部ボストンの自宅から最南端フロリダのキーウェストまで。そこには大学で文学を教えていたジョンが1度訪ねたかったヘミングウェイの旧宅がある。長い結婚生活の間に家族を連れて何度も旅した道だが認知症のジョンは物忘れが激しい。介護するエラも入院の予定があったが息子と娘に何も告げずに家を飛び出した。ラジオからジャニス・ジョプリン「ミー・アンド・
これは予期せぬ傑作だ。重力を操り空中浮遊する少年という設定はあまりにも荒唐無稽だがそのSF仕立てと、ヨーロッパの緊迫した政治情勢と純粋な映画的興奮を一つにすることに成功している。ハリウッド流の何でもCGで合成する作り方とは一線を画す映画の興奮にみちている。舞台はシリアからの難民でごった返すハンガリー。難民キャンプで医師シュテルンが、国境警備隊に銃撃された難民の少年を診ようとしたとき、少年は「何かが変だ」といいながら空中浮遊を始め、どこかへ消えてしまう・・・・・
ドイツのメルケル首相は2015年に難民受け入れ政策を打ち出し、国際世論の喝采を浴びたが、17年の連邦議会選挙で敗北した。そのドイツで16年に400万人が見て、同国映画の興行収入1位となった喜劇だ。ミュンヘン郊外の家族が自宅に難民を受け入れて起こるてんやわんや。極右でも極左でもない、普通のドイツ人の感覚を知るには格好の映画かもしれない。美しい庭のある家に住むハートマン家。教職を退いた妻は社会活動に目覚め難民の受け入れを決意する。外科医の夫は引退を拒み、プチ整形に余念がない。
前作「ユキとニナ」に続く8年ぶりの諏訪敦彦監督の新作。南フランスを舞台に、映画撮影にきた老いた俳優と映画制作を楽しむ子供たちとの交流を通して現在と過去、生と死を問いかけつつ人生の輝きをやんわりと描き出している。主人公の老優ジャンを演じるのは、往年のヌーベルバーグのアイドルジャン=ピエール・レオー。その存在感には圧倒されるが、映画はまさにレオーの存在ありきで展開される。「ママと娼婦」で彼と共演したイザベル・ヴェンガルテンがカメオ出演するなど、映画の記憶がちりばめられていて
スパイ・サスペンスの本場英国で生まれた『キングスマン』(2014年)の続編。007調とも、ジョン・ル・カレの現実を写すシリアスなスパイ物とも違うなんでもアリ、のスパイ物。『キック・アス』(10年)で注目されたマシュー・ヴォーン製作・監督。共同製作のジェーン・ゴールドマンのオリジナル脚本。前作はロンドンの背広発祥の地とされるサヴィル・ロウの高級テイラー〈キングスマン〉が実はスパイ機関でそこに所属のベテラン情報員が若い新人をスカウト育成しながら人類抹殺計画をもくろむ悪党と戦
昨年4月に公開された「バーフバリ伝説誕生」(2015年)の続篇(へん)にして完結篇。前作はインド本国の興行収入記録を破って歴代1位に立ち、17年4月に封切られたこの後篇は、さらにその記録を更新した。インド映画のたのしみがみっしりとつまった超大作である。架空の古代王国における王位継承をめぐる争いを軸に、英雄バーフバリの父子2代にわたる活躍を見せる。想像力とVFXを極限まで駆使したアクション、甘い夢のような恋、複雑にからみあった王族の陰謀劇。息つく間もない展開の大長篇も
「ザ・フライ」「クラッシュ」のデヴィッド・クローネンバーグ監督は奇想の映画作家だ。この作品も題名から想像されるような単純なセレブリティ(有名人)の内幕ものではない。ハリウッドを舞台としながら、およそあらゆる人間の心理の奥底に潜むいびつな感情をえぐりだし、さらけだす。顔に火傷を負った18歳の娘、アガサ(ミア・ワシコウスカ)がフロリダからハリウッドにやってくるところから映画は始まる。モダンな豪邸に住むワイス家は絵に描いたようなセレブ一家。父スタッフォード(ジョン・キュ
女だから、男だから、という言い方はしないように心がけている。意味があいまいだし、性差は必ずしも絶対的ではないからだ。それでも男である筆者がなかなか立ち入れない世界はある。例えば女と女の友情。人生の変転を経ながらも固く結ばれた女友達同士の間には割り込まないで、そっと距離をとる。「8人の女たち」「スイミング・プール」のフランソワ・オゾン監督によるこの映画のヒロイン、クレール(アナイス・ドゥムースティエ)にとっては7歳で出会ったローラこそが永遠の親友だった。一目でひか
「海辺の生と死」「月子」につづき今年3本目になる越川道夫監督作品。原作は佐伯一麦(かずみ)。夜、山中にたおれ、苦しげにあえぐ男(井浦新)のアップからはじまる。空には二十六夜の月。由実(黒川芽以)は叔母の家に身をよせている30がらみの女。徐々にわかってくるが、3.11で故郷と親をなくした。東京にいる兄がこっちへ来いと言うが、東北をはなれたくはない。日本経済新聞(NIKKEISTYLE)映画コラム「シネマ万華鏡」2017.12.22.夕刊より
1977年にジョン・ウィリアムズの曲に乗って第1作が登場した『スター・ウォーズ』は全6部作だった。そのあと30年後の設定で新3部作がスタート。製作会社が20世紀フォックスからディズニーに交代第1弾『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015年)にはフォースのパワーを持つレイ(デイジー・リドリー)が登場。銀河系に残る唯一のジェダイ騎士ルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)に巡り会って新たな扉が開くのだ。続く第2弾の今回はルークが本格的に帰って来る。レイから
台湾のスター、チャン・チェンを主演に迎えた、SABU監督の集大成ともいえる娯楽作品である。ロン(チャン・チェン)は台湾の腕利きの殺し屋。ナイフの遣い手だ。いきなり6人のチンピラを、音もなく刺し殺し、斬り殺す。次の仕事は東京での殺し。ところがこれに失敗する。ヤクザに捕まり、袋だたきにあうが、トドメを刺される寸前に逃走。北関東の田舎町にたどり着く・・・・・・。日本経済新聞(NIKKEISTYLE)映画コラム「シネマ万華鏡」2017.12.15.夕刊より