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菅井友香は自身のリミッターを外し、一時的であるが、人を超えた力を発揮する。それは天使のように美しく舞い、ねるの体に容赦なく攻撃を叩き込んでいく。かつて、神堂狂海はリミッターについて“超人的”な力と例えていたが、それはあながち間違いではなく、ねるは菅井の速度に追いつけず、被弾が増えている。あれだけ綺麗だった顔に傷が出来ていき、血が流れる。ただ殴っている菅井は違和感を覚えていた。攻撃しても、ねるは倒れない。平手ですら何度も倒れのに、ねるは平然と佇んでいる。口元に浮かぶ笑みが不敵であり、菅井は
玲奈に案内された場所は普段玲奈やねるが食事をしたりする居間だ。畳張りの床で、和室のような雰囲気があり、置いてある物も和っぽく、平手は自分の家が和とは無縁なので、物珍しそうに見回す。「ごめんね、今ねるいないんだ」台所からお茶とお菓子の乗ったお盆を持って現れた玲奈がそう言うと、平手はそうですかと少し残念そうな顔をする。覚悟を決め、ねるに会いに来たのにそのねるが不在。平手は日を改めようと思ったが、折角お茶を用意してくれたので、それを飲んでからにしようと決める。「貴女が平手友梨奈ちゃん?今のラッ
『……私の負けだ』将棋盤を見下ろす女は自分の詰みを理解すると、腰を折り、敗北を認める。対峙していた少女は眼鏡を押し上げる。『貴女より強い人はいますか?』『す、菅井さんだ……あの人は私より強い』『……そうですか』少女は立ち上がると、一礼してから部屋を出ていく。その翌日少女は女が自分より強いと言っていた“菅井”の元を訪れる。『菅井さんは居ますか?』『何だてめえ?ここがどこだか分かってんのか?』『やめておけ』いつまでも耳に残るような、凛とした美しい声が鳴ると、生徒達が道を開ける。1人