『ターミネーター』シリーズがそのご長寿のうちにいつしか現実に抜き去られてしまったのはやはり核戦争後という危機のヴィジョンでしょう。シリーズ第一作が製作された80年代半ばにはSS20の配備(と当時の限定核戦争から核の冬までの議論)が新たに反核運動を揺さぶって来たるべき核戦争とその後の絶望的な荒廃はそれなりに実感のある(とは言えまあ空想的な)未来だったわけです。まさにそのような荒廃の未来を背負ってこそ超人的な機械が人類を殲滅せんとする作品の世界観が成り立っていたものを現在では全面的な核戦争という破局