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刺繍は本来幸せであるべきです。刺繍は未来につながる夢や美しさを奏でるものです。でもいま私の心に広がる不安を描いておきたいと思いました。それはきっと大きなものだと思います。それはきっと激しいものだと思います。それは色なんかないかもしれません。魔物のような音と臭いばかり。それはとても冷たくて苦しくておどろおどろしくて冷酷なものだと思います。雪がちらつく季節にミサイル砲撃が始まりました。閃光と黒煙。私は幸いにも戦火というものを経験したことがありません。日本でひどい戦火を経験
夕暮れどきの海岸で写真を撮ってきました。arenuy(炎)素材:絹(地布)絹胴裏(置き布)レーヨン(青緑)木綿刺し子糸3種類麻織り糸(文字部分)額装:流木(米澤猛夫氏作)デザイン:袖文様(オリジナル)サイズ:49cm×37cm「アイヌ藝術」に掲載されていたカパラミプを製作したときに作った袖文様を用いました。生きている炎になってほしくて、暴れる絹にシワを寄せました。去年まで
カパラミプのかがり中です。これは仮留めです。いつもは仮留めをしません。この上にさらにもう一度イカラリを入れる予定ですので、そのイカラリの邪魔にならないように、細く目立たない糸で留めています。布を切ってかがり進めると、だんだん形が見えてくるこの段階が好きです。かがり終わったら布の上にイカラリを刺します。イカラリは地布と置き布を固定させるためのステッチです。これは全体の見せ場でもあります。柿渋で染めた玉繭(ロウシルク)を細い麻糸で留めています。いつもは太い糸でかがったりイカラリを刺
ご報告します。このアミプはアイヌ民族文化財団に所蔵されることになりました。「tusa(袖、再生)」当初はこのアミプを手放す気はありませんでした。一生手元に置いて、製作された時代の歴史を考えるつもりでした。昭和16年(1941年)発刊の「アイヌ藝術」よりしかしアイヌ民族文化財団よりご連絡をいただき、資料として所蔵していただくことになりました。アイヌ民族文化財団針子としてとても光栄なことです。そしてこのtusaは他のアミプたちと一緒に、何かのイベントで展示されたり記録されたりする
少し針を持つ余裕ができました。浪漫屋さんが送ってくれた布で信玄袋を作ってみました。Ihadalittletimeforneedlework.SoImadeashingen-bukuroofclothesfromRouman-ya(@roumanya).格子縞に古い和更紗。CheckclothandoldJapanesesarasa.しっかりしていて柔らかい。文様は函館地方のカパラミプです。Thisiswellwovenandsof
小さなものばかりを作っています。この期間にさまざまな布の感触を学びます。小さな刺繍も大切な学びの場です。布の感触を確かめるためのお試し。この織りの布にはどんな糸が良いか。お試しのつもりがうっかり本気になりました。こういう組み合わせは布の織りによって変わります。この布の場合、20/6は表情は良いけど抵抗があります。20/4がちょうど良いでしょうか。イカラリはある程度太さが必要ですから芯糸は20/8ですが、かがり糸はそれを割って20/4にしました。かがり糸は負けていません。浪漫
私のカバンの中身はゴチャゴチャです。心も頭もゴチャゴチャした人間だからです。これでも片付けたほうです。これに500mlのマイボトルが加わります。いつもなんとなく荷物が増えます。いつもなんとなく探しています。だからポケットがたくさん必要です。ここもポケット。ハンカチ、ティッシュペーパー、消毒液、そしていつでもロスゼロセンターに出動できるようにアレ…。え?「インナーバッグを入れれば良いじゃん」って?たしかに。以前使ったことはありますが、入れるインナーバッグとカバン本体のサイズ
アイヌ刺繍教室の課題作品を、今月3枚完成させました。いつも刺繍の種類の説明がざっくりなのでもう少し詳しくお話ししますね。こちらはカパラミプという種類の刺繍です。藍色の布の上に、一枚の白い布を置いて白い布の周りを、刺繍したい形に切ったり切り抜いたりしながら、藍色の布に縫い止めていきます。白い布を縫い止めたら、その上にイカラリという線を描きます。この場合、黒っぽい糸で描かれているのがイカラリです。あとは、お好みでアクセントを。今回は中央に赤い布、イカラリがひし形や三角に
うねうねしてます。不安が渦巻くような空と、爽やかな青い大蛇。空にいる大蛇がうねっているかのようになりました。それで「kantooruncatay(chatay):天空の大蛇」と名付けました。天空の竜神といえばカンナカムイですが、そんな名前は畏れ多くて。カンナカムイはアイヌの世界ではゼウスのような神さまですから。地布をうねうねさせてからカパラミプをしました。もともとうねうねした色の布でした。なんとも言えない斑が魅力でこれを空にしたかったのです。ではなぜさらにうねうねさせたか
エムシアツの文様をふたつ刺繍し、額に入れました。エムシアツとはアイヌの「刀下げ帯」です。その文様を使って刺繍し、流木の額に入れました。①ルウンペ(hawean)木の壁に白壁に近くに寄ると色々見えます。何かの顔に見えませんか?一生懸命なにかをおしゃべりしている幼い子どものような、真剣な顔に見えます。hawean=おしゃべりする【素材】縞木綿、絹、20/6木綿糸、刺繍糸流木(米澤猛夫氏製作)【サイズ】(おおよそ)外寸:39cm×30cm内寸:30cm×2
挑戦しました。美工展2021昨年は残念ながら開催が中止された公募展です。コロナ感染が拡大する初期でまだその対策が不確実だった頃ですから、仕方がありませんでした。この公募展はアイヌ文化に関連したものではなく、一般の陶芸、七宝、金工、ガラス工芸、皮革、木彫、紙工、刺繍、染め、織りなどの工芸に特化したものです。私も先日2点を出品しました。アイヌの伝統云々に拘らず、私の刺繍が一般の工芸の世界のかたがたにどう受け止められるかを知りたかったのです。ですからある意味厳しい世界です。で…新人
アイヌ刺繍3月の課題作品です。とってもカラフルに、かわいらしくなりました。途中で一ヶ所修正をしました。作品の上段の中央。ピンク系の布を入れてみたけど、こういう入れ方ではないみたい。見本を真似して、こうしてみました。糸も濃いめのピンクにしたら小さいのにピンクが強調されました。黄色の糸でイカラリを入れました。そして裏面。作りたいものが他にもあるんだけど3月忙しすぎて全然出来てな~い!4月はネットカフェで1日刺繍三昧もしたいなぁ。
完成しました。が、本当にこれで終わって良いか、じろじろ眺めているところです。置き布がずいぶん白く見えますが、実際はもっと柔らかい象牙色です。赤ももっとくすんだ薄い色です。このカパラミプの元ネタはこれ。昭和16年(1941年・金田一京助、杉山寿栄男共著)に出版された「アイヌ藝術」に掲載されていたものです。この著書に掲載されている伝世品は大多数が第二次世界大戦末期の東京大空襲(昭和20年3月10日)で焼失してしまったそうです。躍動感がある刺繍をしたいと思いました。生命力がほしいと思
カパラミプはちんたらちんたら進んでいます。こんなにも作業の進み具合が遅い針子はなかなかいません。裾の外周がやっと終わりました。これから内側。写真を撮った場所がひどくてスミマセン。この裾文様もダイナミックです。このような文様は「崩れている」と表現されることがあります。でもそれが躍動感を生んでいます。これはまさに伝統的な工法で作られたことの証明です。カパラミプは、ある程度仕立てられた地布の上に切れめを入れた布を置いてかがります。このかがる作業の中でおおよその文様が作られます。
連投です。現在、私はアミプを吊るして頭を冷やしています。その間に額装の刺繍をひとつ作りました。デザインは、無紋の袖に文様を入れるために制作したものです。これね。米澤さんに流木の額を作っていただきました。まだ塗装していません。これから柿渋を入れる予定です。内寸は50cm×40cmです。popkepとは「あたたかいもの」という意味のアイヌ語です。popke=暖かいpe,p=ものあたたかいもの。陽だまり。焚き火。子どものほっぺ。私が吐く息。Someth
背文様です。この文様、製作当時はどのように作られたのでしょうか?これが製作されたのは江戸末期から明治あるいは大正という時代です。カパラミプは置き布を幾重にもたたみ、そこに切れ込みを入れ、開いて地布の上に置き、かがり留めてゆく。アイヌたちはそのような方法でカパラミプを作ったそうです。「だから左右対称になるのよ」そう聞いてきました。しかし私はそのような現場を見たことがありません。で、このアミプは?対象を目指してはいるものの、下に進むにしたがって対称性は崩れていきます。何で切った
刺繍教室で作った作品の33番目です。今日、教室で9割りがた作って残りを今仕上げました。小さなカーブや、その先端のツノが少々難しいですが、まあなんとか形になりました。裏面を見ていただきたいのです。最近、きれいに目が揃うようになってきました♪と、思いきや、左端の白い糸は何???どうも、裏面で糸がからまり、変なループが出来てしまったようです。それを、イカラリの時にむりやり絡めてごまかす私………(^-^;「練習は本番のように本番は練習のように」最近お気に入り
じろじろじろじろ。ルウンペっぽい。そして胸紋は合計10〜11枚の布で構成されています。やろうと思えばそれ以上にもできます。こちらは背紋。こちらの布は赤やルイカを除いてせいぜい8枚程度です。文様の形は自由でカパラミプらしさに溢れています。でも赤い丸の部分は、噴火湾や沙流川流域など太平洋沿岸部のルウンペに特徴的なあの箱のような形によく似ています。例えばこれ。「アイヌ藝術」にも「直線紋より徐々にこれが曲線紋に移行する過渡期」との記述があります。カパラミプは広幅の木綿が日本国内で生産
アイヌの文様は基本的に左右対称であることが多いです。でもそうでないものもいくつかあり、それはとても魅力的です。そんな人間くさい文様をやってみたくて、左右が非対称な文様を探していました。あったあった。すごい迫力。ハサミや待ち針を使っていないのでしょうか。マキリで布に切れ目を入れ、着物の上に布を置いてそのまま縫っていったのかもしれません。そんな雰囲気を感じます。掲載されていたのは「アイヌ藝術」。とても古い図録で、1941年が初版です。金田一京助と杉山寿栄男の共編。旧かなづかひ
毎年恒例の、アイヌ工芸作品コンテスト作品展が今日で終了しました。今年はたっぷり見てきました。日曜日にまず一人でじっくり一周。おかわりの2週目は従姉妹のお姉さんと。そして今日は復習としてお友達と一周。東京会場、残念ながらガラガラでした。日曜も最終日も。ゆっくり見られたのは良いけどたくさんの方に見てほしいな。私もアイヌ刺繍を作るがわとして、やっと見方がわかり始めた気がします。デザインを見て、民芸館で展示してあったものを再現しているのだな、とかどこにどんな図案を用いているのかな、と
今年もやってきましたね。コロナで中止になるかなと思っていたので何の準備もしていませんでした。昨年、前掛けを作ったあとは手提げ袋やミニ着物を習いに札幌往復していました。(今年は上級者コースに通いたかったけれど自粛しました)その後、ウイルタ刺しゅうのバッグを作っていました。コンテストで時々見る文様ですがウィルタ刺しゅうとアイヌ刺繍は違うなと思いました。なんというか文様の構成の考え方などが微妙に違うかなと感じました。現代風なデザインのバッグなのでミシンで仕上げようと思っ
アイヌ工芸作品コンテスト去年の秋に「来年こそは応募する」と意気込んでしまってとうとう応募しちまった。あぁどうしよう。とんでもなく下手くそなのに。恥ずかしいったらありゃしない。まず、図案作りが下手すぎました。妥協はしなかったし、初めて大きな作品にとりかかるから、頑張ったんです。そうは見えないけど……涙生地選びもそれぞれの生地の特徴とかよくわからないまま「この色、良さそうだにゃ」と選んでしまった妥協したとかはないんです。そうは見えないけど……涙中央のカパラミプ
今日はすごく久しぶりにおうちで一人で過ごしてます。そんなときは、やっぱり刺繍♪作りかけだったものを完成させました。刺繍教室の課題として作ったものです。土台布(たて縞模様の布)は、先生にすすめられてこの布にしました。仕上げにピンクの糸を中央に入れてみました。かわいらしくしてみようと思って。赤だとはっきりしすぎちゃうかな?と。そして、ブログ恒例の裏面です。しま模様と、糸の色が混じって分かりにくいですかね?明るい場所で撮影したけど、見づらいかも。イカラリの線(黒い糸で描いた線)が
やっと写真を撮ることができました。FinalyIcouldtakephotographs.小樽運河に並ぶ札幌軟石の倉庫の壁をお借りしました。It'sonthewarehousewallofSapporosoftstonefoamingalineintheOtarucanal.この原典はライプツィヒ民族学博物館に所蔵されています。ThisoriginispossessedintheLeipzigMuseumofEthnology.
んんん?Umm?こんなパープルグレイのジャケットにこんなサーモンピンクのシャツ、そしてこんな赤のネクタイをした男性がいらしたら素敵だろうなぁ…古いシックなカフェでそんな男性が紅茶を嗜んでいらしたら…なんてデレデレした緩んだ気持ちで刺繍をしていました。Amaninsuchapurple-grayjacketandsuchasalmon-pinkshirtwithsucharedtieshouldbenice.Iimaginthatsuch
2月11日。毎月恒例の主婦休みをいただきました。ここ何回かは、ネカフェで一日中刺繍してます。家にいると旦那様の家事に口出し手出ししてしまい、お互いにイライラするから。今回は、中途半端になっている作品を仕上げるというテーマです。こちらの作品は、カパラミプという種類の刺繍。カラフルなネット状の刺繍(エタラカ)を入れてみました。やり方を思い出すのに苦労しました。こちらはチヂリという種類の刺繍。向きを変えて写してみると、なんだか素敵。色選びが上手くいきました。先生の助言と、自分の思
私の新しい旅はすでに始まっています。Mynewjourneyisalreadystarted.これまで私は何度かアイヌ刺繍の旅をしました。IhaveexperiencedsomejourniesofAinuembroideryever.場所は野原だったりIt'sinfieldsここ、野原じゃないわね。池だったりorthepond森の中だったりintotheforestそうそう、スコットランドもありました。andScotland.今
前回の「ノンノムイエカラペ(花束)」は販売できなくなりました。それで、もう一つ作りました。Ibecametobeabletosellthelast“nonnomuyekarpe(abouquet)”.SoImadeonemore.テーマは同じですが、文様は違います。記事内容は少し手直ししました。Thethemeisthesame,butthepatternisdifferent.Icorrectedthearticlesl
花束のようなアイヌ刺繍をしました。ImadeanAinuembroiderylikeabouquet.河野コレクションのひとつをモデルにしました。IdiditbasedononeoftheKawanoCollections.アミプの背中を用いました。Iusedthebackpatternoftheamip.出会い。感謝。祝福。記念。癒し。慰め。応援。希望。Encounter.Thanks.Blessing.Memor
今の私にはリハビリが必要です。一年間Originにどっぷりだったので、他のことはほとんどお休みしていたようなもの。だから素材合わせとか色合わせとか、感覚が鈍っていたのです。アイヌ刺繍は素材の選定が大事です。アイヌ刺繍の質の50%は素材で決まります。①まずこれ。尊敬する大作家さんからいただいた麻のバッグ。「あなた、何か刺繍してみると良いわ。」そして同日、とある布屋で床に落ちていた蚊帳を拾いました。染めに失敗したんだとか。でもその失敗が私にとっては最高。でもちょっと…合わせ