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オレンジ色のステッキ―杉原爽香三十九歳の秋(光文社文庫)最初の方で今日子と会うのですが、なんだか時間を感じる。学生時代はずっと一緒だった二人も、お互いの近況を報告しあう程度になってて。爽香が今日子の子供の名前を知らないなんて普通なら考えられないことですからね。そういう部分でお互いそれぞれの時間を歩んでるんだって感じるわけですよ。とはいえ、今作では冒頭以外にも今日子とお茶するシーンもあるので嬉しいです。いつも以上に登場人物が入れ替わり立ち代わりでややこしかったなぁ。河村刑事を電話での会話でち
またしても杉原爽香シリーズです。シリーズ前作の感想文で少し触れたヌードモデルになった絵が日展をイメージした展覧会のポスターに使用されることになって、爽香自身が有名人になってしまいましたが、そこはしっかりと自分を保って浮き足立たないのは流石です。今回の事件の中心になる登場人物は、理不尽な上司に腹を立てた男と理不尽なクライアントに腹を立てた女で、そこからゲス不倫に発展して、という5年前に刊行された作品ですが、今っぽい内容になっています。理不尽な上司やクライアントに悩まされている人は共感しやすいと