誰よりも狙われた男を観た。テーマの諜報活動は、教皇選挙に比べてとても分かりにくい。ラストのドンデン返しは確かに全く予想出来なかったし、もちろんこの一瞬のために全編があるのも納得。フィリップ・シーモア・ホフマンの演技はいつもながら凄いし、複雑な政治状況と宗教の絶対的信仰、それに弱みを握られたデフォーの立場や、街中の諜報協力者など、設定のリアリティは分かるが、映画的な面白さは『裏切りのサーカス』より弱い。それでも鑑賞後の満足感は、やはりシーモアの演技力と、甘くないラストのおかげだろう。本作の翌年46