ブログ記事69件
森での隠遁生活が最後となった12年目に、ちょっとした事件が起こりました。5兄弟が揃って狩りにでかけた日。喉が渇いたユディシュティラは、ナクラにどこかに飲める水がないか探してくるよう頼んだのです。ナクラが森を彷徨い歩くと程なくして小さな池に辿り着きました。ところが彼が池に近づくと、頭の中に声が聞こえてきます。「この池は私のものである。私の質問に答えない限り飲んではならぬ」廻りを見渡したナクラでしたが、誰も見当たりません。気のせいかと首を傾げて、そのまま池に口をつけてゴクゴク水を
blog筆者でございます。今日よりしばらくインドに行きます。今回は、友人の吉兆なる結婚式に参加し、ヴェーダーンタの伝統に浸かってきます。旅立ちの日には、ガネーシャ様とハヌマーン様にお祈りをするそうです。私の守護神(勝手に思っている)は、ドゥルガー様なので、ドゥルガー様にもお願いして無事に辿り着けるようお祈りします。ちなみに、何故か今回、渡航情報を間違って記入してしまったため、インドに入国拒否される可能性があります。や、、やってしまいました笑笑コロナ云々の前の問題ですね
長兄ユディシュティラ、一番下の双子ナクラとサハデーヴァ、5兄弟共通の嫁ドラウパディーと、指南役のドウミャ、そして雷神インドラの元からやってきた賢者ローマシャ。こうやって並べて書いてみても、武芸に秀でた次男ビーマと三男アルジュナがいないことでなんとなく不安に感じるのですから、本人たちの居心地の悪さはひとしおです。肩を寄せ合って目を凝らしていると、ビーマが花を抱えて帰ってきました。ハヌマーンと出会ったあとも、なんだかんだでクベーラ(富と財宝の神様)の手下とやりあったり、他
巡礼の旅も終盤にかかって、パーンダヴァの一行は北へと歩を進めておりました。ローマシャは何やら遠くを見据えると、彼らに注意を促します。「ここから先は、ヤクシャ達(半神)が多く住まうところ。しかも超常現象も多く発生するという。しかと気を付けて参りましょう」それを聞いてユディシュティラはドラウパディーの身を心配しました。ビーマに彼女を連れて安全なところに行かせようとしますが、彼女は断固拒否。(でしょうね)ビーマも彼女を全身全霊で守るといい、一人も欠けることなくヒマラヤの山へ
アルジュナがいないことが思ったより大きな痛手となったようで、全然結束力がない残りの4人とドラウパディー。聖者ナーラダの訪問を受けて、ユディシュティラはかねてより頭にあった巡礼の旅について、ナーラダに相談しました。彼はユディシュティラの提案に賛成し、いくつか回るべき大事な聖地を提案してくれました。そして、彼らのためにインドラの国からやがてローマシャがやってくるだろうから、彼に付き添ってもらい巡礼をするといいだろう、と言って去っていきました。するとすれ違いでローマシャが本当に現れ
本日の朝、オンラインクラス初日が無事終了致しました❤️ご参加くださった皆様ありがとうございました!今回は実際に気持ちを込めて語る事ができて最高に楽しかったです。次回3/13は後編ですが、お申込頂くと今日の分の録画も見れると思いますので、是非次回だけでも気になる方はご参加くださいね。パラヴィッデャーケンドラムグループスタディ読めば読むほど、マハーバーラタは奥が深く沢山の豊かな感情に出会えますね。改めてこの物語の有り難さを噛み締めました。オンラインクラスに向けての準備を
明日2020/1/24(木)6:00-7:00パラヴィッデャーケンドラムホームスタディにてマハーバーラタ概要をお話しするオンライン講座を行います!出勤前や朝食前にリラックスして聞いてくださいね❤️いつもクラスではなかなか話せないところやこのブログで書いたところを絵でお見せしながらお話ししていく予定です。文字でしか会えない方とも直接お話しできたら嬉しいです。ダクシナはクラスの受講後に、お気持ちがあればで結構です。この物語がヨーガの入り口へと誘ってくれますから!どなた
お久しぶりでございます💡blog筆者です。このたび、単発でマハーバーラタ概要クラスをオンラインにて行います。昨年も参加させて頂いたパラヴィッデャーケンドラムのグループスタディにて開催です。グループスタディとは、スワミジが渡印されている間、何人かの方で朝のオンラインクラスを代わって担当する勉強会のこと。私の担当は、1/24(金)6:00-7:00amマハーバーラタ概要前半3/13(金)6:00-7:00amマハーバーラタ概要後半となります。ヴェーダーンタの学びを広めるた
昔、ニシャダ国にナラ王という徳の高く優れた男がいた。ヴィダルバ国の王ビーマは同様に優れた才能の持ち主であり、彼には3人の息子と1人の娘があった。その姫の名はダマヤンティー。国一番とうたわれるほどの美貌の持ち主だった。ナラもダマヤンティーも互いの噂しか耳にしたことがなかったが、次第に恋焦がれあうようになったのだ。ダマヤンティーが恋のため息をつき始めたのを見た父ビーマ王は、娘のためにスヴァヤンバラ(花婿探し)を催すことに決めた。その噂を聞きつけて神であるインドラ、ヤマ、ヴァルナ、アグニです
シヴァとパールヴァティーが去ったあと、多数の光がアルジュナの前に迸りました。その光の後ろに現れたのは、再会を約束していたインドラ神だけではありません。水と海を司るヴァルナ、富を司るクベーラ、死を司るヤマ、そしてアルジュナにとっては父でもあり天国のリーダーでもあるインドラ。この4人の神々はそれぞれ東西南北の方角も司ります。その神々が、アルジュナを祝福しに現れたのです。ヤマが初めに口を開きました。「アルジュナよ、おめでとう。シヴァ神の御目通りが叶ったな。だから我々はお前のもとに駆け付け
森での放浪生活も6年が経とうとした頃。その折に聖者ヴャーサが、一つの忠告を持ってパーンダヴァの孫たちに会いにやってきました。ヴャーサが言うには、「ドゥルヨーダナの仲間もなかなか手ごわい者たちだぞ」と。そしてこうも続けました。「ブーリシュラヴァス(小国の王子)や彼の弟サラもドゥルヨーダナの仲間になったし、ビーシュマやドローナはドゥルヨーダナの為に戦う決意を固めている。ドローナの息子アシュワッターマンはドゥルヨーダナの盟友であるし、カルナは忠誠を誓っているから言わずもがなだ。
カンミャクからほど近くにそびえたつドワイタヴァナという名の森は、陽の光が優しく差し込みなんとも美しい新緑に満ちています。クジャクが水遊びをし、花々が咲き誇る、風光明媚な秘密の園のようでした。ここはユディシュティラにとって、想像以上にくつろぎをもたらす場になりました。そこかしこでリシ達が唱えるヴェーダのマントラを聞き、動物と戯れて穏やかに過ごすうちに、自分の中に居座っていた「怒り」や「悲しみ」の波が少しずつ引いていくようでした。むしろ、こうやって座って自分を眺めると、彼
パーンダヴァたちの、森での生活が一段落着いたころ。サイコロ賭博の当時、自国の戦争があり駆け付けることができなかったクリシュナが、ドラウパディーの兄ドゥリシュタデュムナやチェーディ国の王子ドゥリシュタケートゥ(父はシシュパーラ王)とともにカンミャクの森へやってきました。パーンダヴァの置かれている状況が想像をはるかに超えていたので、彼らは思わず目を覆いたくなりました。「アンフェアなサイコロゲームのせいで、君らがこんな目にあうなんて!」クリシュナはそう嘆きました。そして、「
ヴィドゥラが、首都ハスティナープラに帰ってきた!そう知らせを受けて、ドゥルタラーシュトラは、喜びの涙を流してヴィドゥラを迎えました。一方、その様子を見て不安が募ったのは、息子のドゥルヨーダナです。実際のところ、ヴィドゥラは一度自分の意志で出奔したもののドゥルタラーシュトラに戻るよう言われて結局帰ってきただけ。けれどもドゥルヨーダナからしたら、まるでヴィドゥラがドゥルタラーシュトラに指示されて、何かをして帰ってきたように見えてしまうわけです。(もしかして父上は俺
一方、パーンダヴァ一行がハスティナープラを去った後も、悶々と迷い苦しむ日々を過ごしていた盲目王ドゥルタラーシュトラ。このままでは気がどうかしてしまうと思い、自室にヴィドゥラを呼び出しました。ヴィドゥラがやってくるなり、ドゥルタラーシュトラは堰を切ったように話し始めました。「おお、ヴィドゥラよ。どうか哀れな私を助けておくれ。ユディシュティラたちが国を去ってから、みなが私を見ては蔑み、怒りの目でみてくるのだ。私のなんと不幸なことか。私を救えるのはお前しかいないのだ」
ここまでのあらすじ“クル”一族の正統な王位継承権を持っていたビーシュマが、父のために王位を放棄したことに端を欲した継承権問題。一旦はパーンドゥが王位を継いで問題は解決したかのように思われたが、パーンドゥが呪いをかけられたことで王位は盲目王ドゥルタラーシュトラにうつる。しかし、現王であるドゥルタラーシュトラの息子ドゥルヨーダナよりも、ユディシュティラ達5兄弟(パーンドゥの息子であるためパーンダヴァと呼ばれる)のほうが王位にふさわしい、という世論に揉まれて窮地に追いやられ
こんにちは!blog筆者です。第2章、集会の章が先日終了致しました。18分の2です。まだまだ先は長いですね(笑)ドゥルヨーダナと叔父シャクニの策略により、12年間の隠遁生活を強いられたパーンダヴァ5兄弟。個人的には2章の最後でサンジャヤが登場したところ、めちゃくちゃテンションが上がりました。バガヴァッドギーターでサンジャヤの言葉は何度も見ているものの、サンジャヤ自身について描かれているのを読むのはここが初めてだったので!次から始まる第3章では、上記に述べた12年間が描
ドゥルタラーシュトラの鶴の一声で、パーンダヴァたちは自国、インドラプラスタに帰って行きました。その姿を恨めしげに眺めながら、ドゥルタラーシュトラの次男ドゥッシャーサナは、ドゥルヨーダナに言い寄りました。「兄上、このままでよいのですか?せっかく憎き5兄弟をとっちめる大チャンスだったのに」これには答えず、ドゥルヨーダナは父に向かってこう言いました。「あなたは全てを無にして、あいつらを帰してしまった。けれども、このままではあいつらは俺や父上に恨み倍増です。一体何を仕掛けてくるか分かりません
パーンドゥ5兄弟の嫁が、公の場で衣を剥がされる・・・そんな大事件があっていいのでしょうか。周囲の者は固唾を飲んで見守る一方で、5兄弟やヴィドゥラたちは彼女を見るに耐えず、肩を震わせうつむきます。ドラウパディーも何も言わず、なされるがまま。ところがその時、まさしく奇跡としか言いようのないことが起きました。ドゥッシャーサナがドラウパディーのサリーを引きはがそうとくるくる布をひっぱればひっぱるほど、布の長さが増えていくのです。躍起になって、ドゥッシャーサナはサ
ドゥッシャーサナに髪を掴まれ、集会場に連れてこられたドラウパディーは、目に怒りの炎を湛えて話し始めました。「ここには、ダルマの法則に忠実な方々がこんなにも沢山いらっしゃるというのに、この仕打ちは一体どういうことでしょう。わたくしには信じられません。しかも、わたくしの問いに誰もお答えにならないとはどうしてなの?とっても簡単な質問ですわ。ユディシュティラ様が賭けたのは、どちらが先でしょう?ユディシュティラ様自身ですか?それともわたくしが先ですか?」矢を射る勢いの眼差しを皆に向けて
ホールの中は一転、騒然とし始めました。目の見えないドゥルタラーシュトラは、目の前で何が起きたのか、事の顛末を盛んに周囲に聞きました。カウラヴァたちはみなで雄叫びを上げ、喜びに沸きました。ドゥルヨーダナはシャクニの元に駆け寄り、がっちりと握手を交わします。「さすがですよ!おじさんにはこれで借りができましたね!」シャクニも笑いが止まりません。対して、パーンダヴァたちは肩を落として座り込んでしまいました。ヴィドゥラは必死にドゥルタラーシュトラに抗議を述べましたが、全
ユディシュティラ一行が久々のハスティナープラに到着しました。予想以上に手厚いカウラヴァたちのもてなしを受け、ある意味嬉しい裏切りを感じた5兄弟たち。会食を共にし、ダンスや音楽を楽しんだあとは、ドゥルヨーダナの為に建てられた集会場に移動です。集会場はユディシュティラの時と同等に素晴らしいものでした。ドゥルヨーダナはパーンダヴァ5兄弟たちを連れて、誇らしげに案内を始めました。ひとしきり見て回ったあと、シャクニがおもむろに切り出します。「さて、ユディシュティラ。そろそろ
ドゥルタラーシュトラの命で集会場が建てられている、という風の噂を聞いたヴィドゥラ。首を傾げつつも、不吉な予感を抱いてドゥルタラーシュトラの元に向かいました。「ジャヤンタに新たな集会場が建設されているとか。しかも完成の暁には、パーンドゥの兄弟を呼ぶとまで聞きましたぞ。ただの催しではありますまい。あなたとドゥルヨーダナは、目の上のタンコブだった彼らを追い出して、満足したのではないのですか。今更何をしようと意味のないこと。これ以上身内で傷つけあって何になるというのですか。どうか、
憤懣やるせないまま帰国したドゥルヨーダナ。憤りを隠そうともせず、部屋に入っていくドゥルヨーダナを見たシャクニは、後を追いました。部屋に入るとシャクニは、心配そうに尋ねました。「いったいどうしたんだ?あっちで何かあったのか?」ドゥルヨーダナはくやしそうに俯いて答えました。「あったも何も。ひどい扱いを受けましたよ、おじさん。パーンダヴァにコケにされ、笑われたんだ。あいつらはお高くとまって、まるで俺なんか王子でもなんでもないと思っている。すごく悔しいよ!彼らを破滅に追
ユディシュティラのラージャスーヤが終わり、ついに彼は名実ともに「皇帝」となりました。シシュパーラとクリシュナの死闘があったことで、人々の胸中にはそれぞれの立場によって全く違う感情が生まれましたが、シシュパーラが倒れた後にとやかく言うものはおらず、三々五々自国へと帰っていきました。ユディシュティラは帰っていく王族たち一人一人に感謝と労いの言葉をかけていました。支度を整えたヴャーサの姿が見えたので、ユディシュティラはすぐに彼の足もとに頭を垂れて、最大の敬意を表しました。
ビーマの活躍によって、ジャラーサンダを倒した後、3人が一番最初に行ったのは、領主たちの解放でした。解き放たれた喜びでいっぱいの86人に、アルジュナはどうかラージャスーヤの儀式に来て、兄の即位に賛同してくれないかとお願いしました。そんなことはもちろん了承するに決まっています。更にジャラーサンダ王の息子にも、父の亡き後、不正や暴挙をやめて国を正しき道に戻すよう訴えかけました。幸い彼は素直にこれを受け止めましたので、86人だけではなく、マガダ国次期王の賛成も同時に得たのでした。3人は
「さて、どうやってジャラーサンダを討ち取るか、だが」出発する前、クリシュナの発言をきっかけに、ユディシュティラ・ビーマ・アルジュナは、頭を寄せ合いました。クリシュナは、一人一人に目を合わせます。「戦争では勝ち目がないだろう。マガダ国の戦隊はとても強固なものだからね。我々も以前は酷い目に遭ったものだよ。でも、一騎討ちならば別だ」この当時、一騎討ちで戦いを挑まれた場合、それに応じなくてはならない、というルールがありました。ビーマとの一騎討ちをお膳立て出来れば、如何にジャラーサンダ
ユディシュティラの治世が更に堅固なものになると、国の人々はこぞって、彼に「皇帝」の位を勧めるようになりました。ユディシュティラ自身は、地位にも名誉にも一切興味はありませんでしたが、弟たちですら推してくるので、どうしたものかと思い悩み、助言を求めてクリシュナに遣いをやることにしました。報せを聞いたクリシュナは、すぐにユディシュティラのもとに馳せ参じ、あっという間の再会となったのです。到着したクリシュナを足早に歓迎すると、すぐにユディシュティラは本題に入りました。「クリシュナよ、
ユディシュティラが長を務めるインドラプラスタの地に、しばらく滞留していたクリシュナ。特にアルジュナとの交流は深く、日々一緒に過ごしていました。アルジュナとクリシュナがいつものように、会話をしながら散歩していると、後ろから息を荒げながらおいかけてくる者がいます。その名はマヤ。「アルジュナ様~アルジュナ様~」追いつくと彼はアルジュナの前に膝をついて、「以前は私を森の火事から助けて頂き本当にありがとうございました。どうか、お礼をさせてください。アルジュナ様の命令ならなんでも致