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ラシーヌを読むのはこれが初めて。イリアスはヘクトールの死で終わりますが、そのヘクトールの残された妻アンドロマケー(アンドロマック)を描いた作品です。全5幕。題名はアンドロマックですが、主たる登場人物であるアンドロマック、アキレウスの息子ピリュス(ピュロス)、ヘレネとメネラオスの娘であるエルミオーヌ(ヘルミオネ)、エルミオーヌの従姉妹でアガメムノンの息子オレストの4人が救われない激情的な片思いの結果、命を落とす集団劇でした。人間関係図を簡単に表すと、オレスト→エルミオーヌ→ピリュス→アン
先日からイリアス繋がりで読んでいるトロイア戦争ものの続きです。エウリピデス作品集Iに収録されている「アンドロマケ」。トロイア最大の英雄ヘクトールの妻アンドロマケの戦争後を描いた作品です。エウリピデス全作品集(I)Amazonヘクトールの妻アンドロマケはトロイア陥落後、一人息子のアステュアナクスを殺され、夫を殺したアキレウスの息子ネオプトレモスの奴隷兼妾としてギリシアに連れて行かれます。嘆きのアンドロマケネオプトレモスとの間に息子モロッソスも生まれ、それなりに落ち着いた生活を送ってい