ブルックナーは、交響曲第9番について、「愛する神に」捧げる壮大なフィナーレを伴った曲として構想していたものの、第3楽章までは完成しましたが、最後の第4楽章はスケッチのみでこの世を去りました。現在は、ラトル指揮ベルリン・フィルの録音はじめ、多くの音楽学者の補筆完成の努力により、第4楽章完成版を耳にする機会が増えました。そうした第4楽章完成版の評価はともかく、ブルックナーの第9は第3楽章までというのが、まだ一般的だと思います。とりわけ第3楽章アダージョの感動的かつ敬虔な祈りと諦観に満ちた音楽は、これ