ブログ記事11件
ラテン語をかじったことのある人、これからかじってみようと思っている人、英文法の得意な人は、このブログのラテン詩を読むことができるでしょう。ウェルギリウスウェルギリウスの墓と碑文〔参考訳〕マンツアが私を産んだ。カラブリア人(=ギリシア人)たちは私の命を奪った。今は、パルテノペー(=ナポリ)が私を保ってくれている。私は、牧場(=牧歌)と田園(=農耕詩)と武将たち(=英雄視)を歌った。アエネイス序歌〔参考訳〕戦いと男について私は歌う。その男は最初にトロイア
今日は、中島みゆきの「歌旅-中島みゆきコンサートツアー2007-」から、「あなたでなければ[Live]」を聞いている。松本宜郎編「世界歴史大系イタリア史1(山川出版社)」のうちの、平田陽一・安井萌分担執筆の「第二章ローマの興隆」についての検討の続きである。(6)古代ローマ建国神話のアエネアス伝承の形成過程松本宜郎編「世界歴史大系イタリア史1(山川出版社)」所収、平田陽一・安井萌分担執筆の「第二章ローマの興隆」のうち、平田陽一執筆の「I初期ラティウムとローマ
巡礼者ダンテと先達ウェルギリウスが第5環道を離れようとしていた時、その環道で貪欲の罪を浄め終えた一人の霊魂(すぐ後でローマの叙事詩人スタティウスであることが判明する霊魂)が追いついて来ました。そこで、地震に怯えていたダンテは、その霊魂から、煉獄では罪の浄化を自覚した時に大地震が起こる、という説明を受けて安心しました。そしてさらに、その霊魂は、ウェルギリウスの要望に答えて、自分の身の上を次のように語り始めました。いとも高き帝王の助けを得て、勇将ティトゥスが、ユダに売られた〔キ
冥界訪問の目的ダンテは35歳の時に暗黒の森(selvaoscura)に迷い込みました。その時刻は、次のように描写されていました。時刻は、朝も明け始めた頃であった。神の愛があの美しい物体を初めて運行させた時に、太陽は、それ(=太陽)自身と共に存在していたあの(白羊宮の)星々と共に昇りつつあった。(『地獄篇』第1歌37~40、筆者訳)〔原文解析〕神の愛が運行させた「あの美しい物体(quellecosebelle)」とは、神が天空を創造した時(『創世記』第
協力にて闇の法衣とアエネアスの兜2枚抜き(っ`・ω・´)っ女神よりついに出ました、ラグナログ!やっとシェリーを育てるときが来た…でも、アルテミュラーに持たせるかもしれない…(ーωー)
アエネイスAmazonラティウム軍が追い詰められる中、戦いは最終段階に。戦局が不利になり、遂にトゥルヌスはアエネアスからの一騎打ちの挑戦を受けて立つ決意を固めます。しかしこれに対し、ラティーヌス王は静かに諌めるのです。〜お前は大事な親族だし、妃が可愛がっているから言えずにここまで来たけれど、本当は神託によってラウィーニアは異国から来た者に嫁がせなければならないと言われているのだよ。神々の勧める婚約者に娘を嫁がせず大義に背く戦争に加担してしまったから今の状況があるのだ。〜と。そなたが
アエネアスたちトロイアの一行はキルケの岬も無事にやり過ごし、ティベル河の岸に船を見て繋ぎます。そこで固くなったパンをお皿代わりにして果物などを載せて食事をしますが、足りずに皿用のパンも食べてしまいます。それを見たユルスが「ああ、テーブルも食べてしまった。」とおどけます。その時、アエネアスは「これだ!」と閃くのです。以前、父が〜食事が終わっても満足せず、テーブルまで食べてしまうような空腹に襲われる、その時が苦難の旅の終わりであり、その場所が神の定めた場所なのだ〜そう予言していたのを思い出し
さて、カルタゴの女王ディドが剣に身を投げ焔に焼かれているのも知らずに、別れも告げずに出航したアエネアス一行。遥か沖からカルタゴを見遣ると、城の一角から炎が勢いよく上るのが見えます。ディドを焼く炎とは思っても見ないものの、何となく不吉な予感を覚えるアエネアス。そしてその予感通り、海は大荒れに。仕方なくシチリアに針路を変えます。そこはトロイアの血縁であるアケステスが支配しており、1年前に亡き父アンキセスの遺骨を埋葬した場所でもありました。父の墓前でアエネアスが祈りを捧げると、塚の奥から雲
ローマの詩人ウェルギリウス(前70-前19年)による建国神話。アエネイス誕生の時代背景は、紀元前29年に初代皇帝アウグストゥスが即位し、いよいよ大ローマ帝国への道を歩み始めたちょうどその頃です。この初代皇帝の栄光を讃え、同時にローマのアイデンティティを求める時代の声に応えて作られた一大叙事詩、それがアエネイスなのです。ギリシアの神話体系を受け継ぎながらも、文化的宗主国であるギリシアからの解放を願ったウェルギリウスは、ローマのルーツをトロイア王家の王族アエネアスに求めます。トロイア陥落の際
「敬虔なるヤコブが遙か北の果てより来たりて、テウケルの血を引く民たちと延々と広がる王国アルビオンを治めた時、その犯しがたき契りはアングリアの笏とカレドニアのスコティ人とを結びつけた。」〔原文解析〕この詩は、英国詩人ミルトンが17歳の時にラテン語で書いた『11月5日の記念日』という作品の最初の4行です。まるで謎めいた言葉が並んだ呪文のような詩ですが、この呪文の中に英国建国史のファンタジーとプロパガンダが詰まっています。この私のブログ随筆の最後には、この詩の呪文が解き明かされると思いますので