ブログ記事9件
【人類の文明が衰退し、人類に反旗を翻した「マシン」たちが繁栄する遠い未来の地球。古い物語を収集し語り伝えているところから「語り部」のあだ名で呼ばれている「僕」は、少女の姿をした戦闘用アンドロイドに敗れ、負傷して捕らえられる。マシンの手による治療を受けながらも、マシン側のプロパガンダを受け入れることを拒む「僕」に対し、アンドロイドの少女「アイビス」は、「僕」が望まぬ限り歴史的事実の話はしない、これから語るのはすべてフィクションだと誓った上で、幾つかの物語を話し始めた。(Wikipediaより)】
ロボットへの幻想知性への信仰学び続ければ真理に到れる宇宙にも駆けていけるでもヒトから作られた物がヒトを越えていけるのか?初めに言葉ありき言葉は神になり……神は死んだ山本弘さんの【アイの物語】SFは現実逃避?そんなことは言われなくてもわかっている。しかし、現実とはそんなに素晴らしいものなのか、直面して生きる価値のあるものなのか。新聞はいつも殺人や戦争のニュースばかり、現実世界では、罪もないものの血が無益に流される。正義がいつも正しく遂行されるとは限らない。多く
人間とロボットの未来について描いた作品。お互いの存在を受入れ合う物語で、胸を温かくする読後感が特徴的。物語はロボットの視点で進行する。人とは別のフィルターを通すことで、1歩距離を置いて人間の本質に迫る。ロボットから言わせると「人間は大なり小なりみんな認知症」である。人間は論理的でも倫理的でもないというわけだ。だからといってロボットは人間を否定するわけではなく、そのまま受入れる。また、「物語」の価値についても本作は言及している。物語は時に、真
あなたに出会う前わたしはずっとこの移ろいゆく世界におびえていた周囲はわたしをどうおもっているの?社会はこれからどうなるの?わたしの未来はしあわせ?ずっとずっとおびえていたよずっとずっと不安だったよでもあなたが現れてわたしの中になにかたしかなものがつよくつよく輝いているのに
『桃色の猫』一匹の猫がいた。桃色の、ひとりきりの猫。桃色の猫は、寂しかった。この世界は、なにもない。桃色の猫は自分の体から鳴る、トントントンしか聞こえなかった。そこに、黄色の猫がやってきた。黄色の猫は教えてくれた。お花のそよそよ、海のさらさら、太陽のぽかぽか。そして黄色の猫から鳴る、トントントン。ふたりは生きた。桃色の猫は、やさしいお日さまのようだった。黄色の猫
ある聖なる夜女の子は男の子からプレゼントをもらいましたそれは、男の子が描いた一枚の絵でした男の子のたましいが込められているその絵は女の子が見たことのないほどの美しさが宿っていました女の子はそこに永遠を感じました男の子は女の子にこう言いました”僕はその絵の中で待っているよ”女の子はすこし戸惑いました女の子は
ある雪の降る街にひとりの女の子がいましたある日、女の子はひとりの男の子と出逢いました女の子は、はじめてその男の子に笑顔を向けられたとき、まるで、自分の存在を祝福されているような心地がしました。男の子は、その優しさと大きな愛で人々を包み込むたましいの絵かきでした女の子も、男の子の存在を祝福したくてたくさんの贈り物をしました男の子の背中のようにまっすぐな木の枝
二月の最初の週末の午後。良い意味で想像を裏切る映画を観ました。「さようなら」深田晃司監督元々は平田オリザさんの短い演劇がベースになってます。物語は原発事故により回復が無理と判断された日本。国を棄てる判断をした日本国は、順々に他の国に移民をしていきます。しかしそれには順位があり、お金持ちや関係者から先に優先され、外国人や貧乏人などは後回しにされ、その間にも放射能を浴びる日々。主人公は外国人の為順番はかなり後回しにされる中、一体のアンドロイドと
昨年に引き続いて、今年も1年の読書を振り返る記事を書きたいと思います。2015年最大のトピックスはなんと言っても、祝・ヤクルトスワローズ14年ぶりの優勝!!・・・・・・・読書と関係ないですがどうしても振り返っておきたかった(笑)2015年に読んだ本の総数は90作品。そのうち21作品が再読でした。昨年の107に比べるとちょっとペースが落ちていますねー。今年の傾向としては、昨年ノンフィクションの面白さに目覚め、吉村昭の記録文学なども含めて、ノンフィクションの比率が少し増えてい
アイの物語(角川文庫)/山本弘¥907Amazon.co.jp読書ブログを始めてからは、なるべく片寄った傾向にならないように、同じ作家の作品を連続して読むことは避けてきたのですが、前回の「去年はいい年になるだろう」を読んで、この作品を再読したくてたまらなくなりました。人類が衰退し、マシンが君臨する未来。食糧を盗んで逃げる途中、僕は美しい女性型アンドロイドと出会う。戦いの末に捕えられた僕に、アイビスと名乗るそのアンドロイドは、ロボットや人工知能を題材にした6つ