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とんとん、とんとん。誰かが肩を叩く音。眠っている私は、その音さえも子守唄みたいに感じて、ごろんと仰向けに寝返りを打った。………ふと、明るい光が差して、目を開く。誰かが私を見てる。優しく微笑んでる。こしこし、目をこすって瞬きをして、もう一度。今度はちゃんと視界が見渡せた。そんな、目の前。「ただいま。遅くなってごめん。」「……ひゃっ!!」思わず裏返った私の声に、目の前にいた潤くんが笑った。「わわわ、おおおかえりなさいっ!」慌てて起き上がろうとした私の肩に、潤くんがそっと手を
そわそわしてたら、日曜日が来て。とても綺麗な青空が広がっていた。桜は大分散ってしまったけれど、私の心はなんか、恥ずかしいけど、ピンク色?みたいにドキドキしていた。今日は、お父さんもお母さんもお仕事。私が大きくなってからは、昼間の土日も出勤するようになって、お留守番してたり、夏美たちと買い物や遊びに行ったりしてる。だけど、今日は違うの。玄関を出て、庭を通り門扉を開けると、黒塗りのワンボックスカーが止まっていた。運転席から、スーツを着た男の人が降りてきて、「おはようございます。お迎え
「おにいはさ、まだ、みいのこと、小さな妹だと思ってるからさ。」和兄はそう言って、私の顔を覗き込んできた。「長く一緒にいたわけじゃないし、だからこそ、まだまだ、手をやきたいんだよね。」「……なんか、おにいらしいね。わかる気がする。」私だって、まだまだ、おにいたちと一緒に遊んだり話したりしたかった。だけど、私が小学校に上がる頃にはもう、家を出てしまって。会えるのはほんの時々で。淋しいな、って思うこともたくさんあった。「でもさ、俺は思うわけよ。」和兄の口調が変わって、私はきょとんと和
「コーヒーありがと。」和兄はまずそう言って、コーヒーを一口含んだ。「和兄、コーヒーちゃんと制限してる?おにいが飲みすぎるって心配してたよ?」私もマグカップを両手で持って、和兄を見て言った。「まぁ、それなりに?」「あー。おにいに今度会ったら言おう〜。」和兄の言葉に、ちょっとふくれっ面して答えたら、和兄は声を出して笑った。「みいは変わらないな。」そう言って、白い腕を伸ばして、ハンバーグみたいな手で、いいこいいこ、って頭を撫でてくれた。小さい頃、こうしてよく可愛がってもらったな、って
お父さんと2人の夕食。今日学校であったこと、新しく友達ができたこと、お父さんはニコニコしながら聞いてくれた。本当に、笑顔は智兄にそっくり。でも…やっぱり、潤くんのことは話せなくて。「そうか、海月が今日も1日楽しく過ごせてよかった。」お父さんは、最後まで聞いて、置かれた缶ビールをグラスに注いだ。ポテトサラダを小皿に移していたら、ピンポーン玄関のチャイムが鳴った。「こんな時間に誰かな?」のんびりした声のお父さんに、「私出るね。」そして、モニタのボタンを押した。─みいー、こん
ドキドキが止まらない胸。これまで意識したことのない、ときめき?電話の向こうの潤くんは見えない。どんな顔をしてるんだろう。お仕事忙しいかな?疲れてるのかな。─今度、遊びに来ない?明るい潤くんの声が返ってきた。「え?どこに?」すると、電話の向こうの潤くんは、また、クスクス笑って、─さすがに、人のいるところでは会えないし、かと言って未成年だから飲みに誘うのも無理。よかったら、俺のマンションに招待してもいいかな?マンション……俺のマンション…、潤くんの住むマンション!?「ええっ!
「ただーいまー。」学校帰り。玄関ドアを開けてそう言うと、「おかえり、海月。」リビングのドアから出てきたのが、お父さんだった。「あれ?お父さんのほうが早かったの?」靴を脱ぎ、家に上がると、相変わらず、優しい笑顔のお父さんが、「母さんは今日、急な夜勤になったんだって。スタッフの1人が風邪を引いたみたいでね。夕飯作ってくれて行ったから、一緒に食べよう。」のんびり話すお父さん。精神科のお医者さん。智兄は、お父さんにそっくりだ。穏やかで優しくて、私はお父さん大好き。「じゃあ、着替えて
ベッドに2人、横になった時も、智はだんまりのまま、仰向けに頭の下に両手を組み、天井を見ていた。ヘッドボードの灯りで、その智の横顔を、智のほうを向いて寝てる俺が見てる。難しい顔をしてる。俺は、よかったと思ってるよ?その横顔に、心で話しかける。シャンプーの香りがする髪の毛に、そっと触れながら。みいを見染めてくれたのが、知らない誰かじゃなくて、Jだったこと。だって、みいの年頃だったら、ましてや幼稚舎からずっといるんだから、学校で彼氏ができだって全然おかしくない状況なのに。それが、俺たち
こんばんは‼史緒の深夜便です☺今日、5月31日は、スピッツ、田村明浩さんの、(*'∇')/゚・:*【祝】*:・゚\('∇'*)50歳のお誕生日です!!おめでとうございます(≧∇≦)いつも、スピッツのムードメーカーであり、頼もしいリーダーの田村さん♥♥ごめんなさいm(__)mまだ、醒めないDVDが観れてなくて、早く会いたいのですが(*´﹏`)これからも、スピッツガンガン応援しています(*´˘`*)♡今年はスピッツ結成30周年yearでもあり、本当におめでたい一年ですね(≧∇≦
「リーダー、ニノ。」ドーム公演3日目。リハーサルが終わって、プロデュースしてる松潤が控え室に帰ってきて、俺と智を呼んだ。俺と智は、相葉さんと3人で振りのおさらいをしていて、翔さんはちょっとの時間を見つけて少し眠ってる。「なに?松潤。」呼ばれて、智がのんびり返事した。俺は、何となく、その先の言葉がわかる気がした。うん。海月かな?って。だから、「あっちで話そう?J。」智は入れずに話したほうがいい気がした。本人から聞くよりは、まず自分が話して、それから智に伝えたほうがいいかなって
おにいたちが通った、K応高等部。私はここに、幼稚舎からいる。小等部に上がる時、中等部に上がる時、そして高等部に上がる時。何人かが他の学校から編入してくるなかで、私と、夏美、麻生夏美は幼稚舎から一緒。「で、で、どうだったの!?嵐さんは!」そして、私と同じように、産まれた時から嵐が側にいて。私はおにいたちいるから当たり前なんだけど、夏美はお母さんから熱狂的なファンで。だけどもちろん、私とおにいたちとの関係は漏らさないでいてくれるし、逆に私と友達になってラッキーくらい思ってる(笑)春爛
「それでは、また朝にお迎えに上がります。」「ごめんね、何度も行ったり来たり。」マネージャーが車をマンション前に停めて、俺はお礼を言って、肩にかかる智の髪の毛を撫でた。「智、着いたよ、起きて。」「……んー?」寝ぼけてる智は、俺の首に腕を絡めて、いやいやと首を左右に振る。はあ、とため息ついて、俺は智の肩に腕を回して一緒に車から降りた。「もういいよ、お疲れさま。」マネージャーに声をかけると、それでは、とマネージャーは短く言って、車はするすると走り去って行った。マンションのエントランス
「あー、海月〜!!」タクシーに颯爽と乗った松潤を、智はうらめしそうに見つめてた。「なんで松潤に送らせるんだよ〜かず。」そして、智に腕を絡めた俺を振り返った。「じゃあ、俺らも帰るわ。またね。」「うん。お疲れさま。また後で。」「バイバーイ、リーダー、ニノ!」翔さんと相葉さんがひらひらと手を振って、迎えにきたマネージャーの車に乗り込むのを見送った俺は、やっと静かになった道で、はあっとため息をついた。「あのさ、もう海月も子どもじゃないんだよ。いや、俺らから見たら、そりゃずっと可愛い妹だけ
風がさあっと私たちの間を通り抜けて。桜の花びらが、夜空に舞った。とても綺麗で、私は思わず息を飲んだ。「きれい……!」隣に潤くんがいたことも忘れて、桜の木を見上げたら。横にいた潤くんが、そっと手を握る力を強くした。ハッとして、潤くんのいる隣を見ると。潤くんの顔が近づいてくるのがわかった。「……っ。」反射的に目を閉じた。一瞬のことに、何がなんだか、わからなかったから。その時、潤くんの唇が、私の唇に触れているなんてわからなくて。握りこまれた手が、潤くんの胸の中に収められて、もう
そうして、夜もだいぶ更けて、お店も閉まるタイミングで、お開きになった。「海月、家まで送るよ〜?」ゴキゲンな智兄に言われたけど、「タクシー呼んでもらったから、大丈夫。明日もコンサートだし、ゆっくり休んでね。智兄も和兄も、会えて楽しかった。頑張ってね。」って、呼び止めてくれたタクシーの前で手を振った。紺くんは仕事が朝早いから、リナちゃんと先に帰ってて。「母さんには連絡したけど、本当に大丈夫かな。」和兄が心配そうに聞いてくれると、「じゃあ、俺が送ってく。帰りも同じ方向だし、リーダーとニ
それから、皆んなでこっそり街に出て。潤くんが友達とよく使う居酒屋さんの個室に入った。私の両隣は、智兄と和兄。それから、潤くん。向かい側に、相葉さんと翔くんと紺くんとリナちゃんが座った。「じゃあ、今日も1日!」「お疲れさまでしたー!!!」「カンパーイ!」ガツンと勢いよくぶつかるジョッキ。私以外はみーんなお酒。ビールにチューハイにカクテル。綺麗な色のグラスに目がいく。「海月、カルピスうまい?」智兄が聞いてくる。「私、オレンジがよかったのになぁ。」カルピスは、智兄のセレク
コンサートがアンコールまで終わると、一気に人が捌けていく。祭りのあとのテンションは高くて、興奮気味のファンの人たち。「どうする?楽屋に寄る?」紺くんに言われて、私は、うーんって考えて頷いた。コンサートが始まってからずっと会ってなかったから。近くにいた関係者の人に頼んで、楽屋に連れて行ってもらう。リナちゃんと手を繋いで、楽しかったねぇって話しながら歩いていたら、後ろから誰かが肩を組んできた。びくっとなって振り返る。紺くんは私たちの前。その前は、スタッフの人。後ろに人がいるはずが
「俺たちの名前はーーー!!!?」───あらしーーー!!!「ありがとうっ!」「また遊ぼうねー!」「バイバーイ!!」最後の瞬間まで、気を抜かないで、ステージから降りるまで、完璧な嵐で駆け抜けたステージ。この東京ドーム公演は4days。今日はその1日目だった。あーらーし!あーらーし!あーらーし!あーらーし!鳴り止まないコール。ふわあって、欠伸した紺くんの背中をぺしっとするリナちゃんが可愛い。「もうっ、雰囲気だいなし!止めてよおっ!」紺くんとリナちゃんが、どうやって結婚まで