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まいにち易経六十四卦編64火水未済(かすいびせい)です。今回は六十四卦の最後の卦「火水未済」です。未済は「未完成」という意味です。一番最後の卦ですが、「未完成」とは意味深です。とても興味深いです。前回と対になっていますので、是非前回の記事も併せてご覧ください。その構造から見ていきましょう。上→火離☲下→水坎☵上には光、太陽、明るさ、文化文明をあらわす火のシンボルがきています。下には穴、月、溜まる水、困難をあらわす水のシンボルがきています。陰爻⚋が下から1,3,
まいにち易経六十四卦編63水火既済(すいかきせい)です。「まいにち易経六十四卦編」と銘打って5月1日から毎日易経の卦を見てきました。そして明日で終わりです。一区切りです。ある意味で「完成」が近いのです。今回はそんなお話。完成とは。その構造から見ていきましょう。上→水坎☵下→火離☲上には穴、月、困難をあらわす水のシンボルがきています。下には光、太陽、文化文明をあらわす火のシンボルがきています。注目すべきは陽爻⚊と陰交⚋の位置です。下から1,3,5番目の奇数の位置つまり陽
まいにち易経六十四卦編62雷山小過(らいざんしょうか)です。鳥のように、自由に・・・音楽の歌詞などでたびたび耳にします。たしかに自由に空を飛べたらいいなあとだれしも一度は想像しますね。でも本当に鳥って自由でしょうか。今回はそんなお話。鳥のような謙虚さ?その構造から見ていきましょう。上→雷震☳下→山艮☶上には雷鳴、始動をあらわす雷のシンボルがきています。下には止まる、止める、不動をあらわす山のシンボルがきています。あわせて小過です。今回は小過の意味を考えるために以前みた卦と
まいにち易経六十四卦編61風沢中孚(ふうたくちゅうふ)後半です。前回は全体と1~3番目の爻の解説を見てきました。まずリーダーの器の話がありました。つぎに物事のはじめ、誰かに見つけられる、敵があらわれる、というように物語が進んでいきました。今回はその続きです。四番目の爻の解説には次のようにあります。月幾望。馬匹亡。无咎。(・・・)絶類上也。月が間もなく満月になる。成就の時が近いのだ。それまで自分を乗せていた馬を捨てる。捨てるのは気が引けるが正当なことであるので咎めは
まいにち易経六十四卦編61風沢中孚(ふうたくちゅうふ)です。今回はその前半です。風沢中孚は取り上げたい文が多くありますので、今回と次回の二回に分けて書きます。詩人は人生をいろいろな言葉で表現します。今回の風沢中孚もいろいろは例え話が登場します。読み解いていきましょう。流れたり流されたり、寄る辺なく・・・。人生の指針になる言葉が見つかるかもしれません。その構造から見ていきましょう。上→風巽☴下→沢兌☱上には風のシンボルが、下には沢のシンボルが来ています。ともに自
まいにち易経六十四卦編60水沢節(すいたくせつ)です。二日酔いは大人ならだれしも一度は味わう苦しみではないでしょうか。もう二度と深酒はしない。気持ちのいいところでやめるんだと誓っても、たまにタガが外れてしまい、また後悔・・・。若いころは二日酔いだけで済んだのがだんだん胃痛、胸やけ・・・しかも三日四日後を引く・・・節度を守って楽しいお酒!その構造から見ていきましょう。上→水坎下→沢兌上には穴、溜まる水、困難、険しさ、冬をあらわす水のシンボルが来ています。下には流れる水
まいにち易経六十四卦編59風水渙(ふうすいかん)です。深呼吸していますか?風呂に入ってますか?なかなか日常で意識しないと深呼吸はしないのではないですか?また風呂に浸からずシャワーだけ、なんて人もおおいらしいです。今回は深呼吸と風呂の話。今日からできる養生!その構造から見ていきましょう。上→風巽☴下→水坎☵上には吹く、流れる、入り込む、出ていく、流動する風のシンボルが来ています。下には穴、困難、溜まる水のシンボルが来ています。ふたつあわせて渙です。渙は解ける、散るとい
まいにち易経六十四卦編58兌為沢(だいたく)です。口は様々な意味を持っていますね。呼吸、飲食、発話などがまず挙げられます。またマスク着用の昨今、表情を作る役割ももっていることに気づかされます。米国のドラマを見るとしょっちゅうキスしていますね。口には愛情表現の役割もあります。さらに、口先ばかり、口八丁手八丁、口が軽いなどにも使いますね。口は禍の元とも言います。がそのいっぽうで、気持ちが通じ合うことを「話が合う」といいます。今回はそんなお話。言葉が呼応し同調する。気持ちを通い合
まいにち易経六十四卦編57巽為風(そんいふう)です。今日は風の話です。天気で体調が悪化する方がたくさんおられます。気圧のせいであると考えられていますね。八卦や東洋医学の風と関係しているのかもしれません。梅雨ですね。台風もそろそろでしょうか。湿度が高いです。夏になってもジメジメしているとツラいです。ジメジメしてさらに蒸し暑い風が吹くともうグッタリです。今年の夏こそ夏バテしないように養生しなければ・・・と毎年思います。その構造から見ていきましょう。上→風巽☴下→風巽☴
まいにち易経六十四卦編56火山旅(かざんりょ)です。この世の中ですから、旅はもう懐かしいものかもしれません。計画をみっちり立てる方も、のんびり過ごすのが好きな方もおられると思います。旅は新鮮な発見や新しい出会いがあります。予想だにしないトラブルもあります。なにより必ず別れがあります。今回はそんなお話。その構造から見ていきましょう。上→火離☲下→山艮☶上には太陽、明るさ、火炎を意味する火のシンボルが来ています。下には止まる、留まる、肉体を意味する山のシンボルが来ています。
まいにち易経六十四卦編55雷火豊(らいかほう)です。今の日本はずいぶんと豊かです。飢え死にする人はほとんどいませんし、働けなくなっても国が助けてくれます。病気になっても治療が受けられます。ですがその一方で、心や精神は満たされているでしょうか。これはなんとも言えません。私には分かりません。易経に相談してみましょう・・・。その構造から見ていきましょう。上→雷震☳下→火離☲上には初春、始動、雷鳴などをあらわす雷のシンボルが来ています。下には太陽、明るさなどをあらわす火のシンボルが
まいにち易経六十四卦編54雷沢帰妹(らいたくきまい)です。友人でも恋人でも、夫婦でも親子でも、この人とふたりの時はこういう立ち位置が多い、なんてことは誰しもあると思います。並んでいると右が落ち着く、左が好きだ、なんてありますね。今回はそんな?お話。夫婦と不倫の違い。その構造から見ていきましょう。上→雷震☳下→沢兌☱上には始動、雷鳴、地震、年配の男性をあらわす雷のシンボルが来ています。下には悦ぶ、若い女性のシンボルが来ています。ふたつあわせて「帰妹」と言います。「帰」はもとも
まいにち易経六十四卦編53風山漸(ふうざんぜん)です。何事もなく順調に・・・これは現実では有り得ないと思います。紆余曲折、寄り道、逃げ道、回り道、迂回してなんとかかんとかゴールにたどり着くものだと思います。結婚生活がまさにそうでしょう。今回はそんなお話。着実に進むとは、なんと障害もないことではなく、オシドリのように夫婦協力して困難を乗り越えることです。その構造から見ていきましょう。上→風巽☴下→山艮☶上には従う、伴う、移動する、木、風のシンボルが来ています。下には止
まいにち易経六十四卦編52艮為山(ごんいさん)です。考える。人はたいてい、悩んだり考え事をしているとき、身体の動きを止めます。全力疾走あるいはマラソンしながら悩みごとを真剣に考えられる人を・・・私は知りません。また、考えるときは対象も止めておく必要があります。例えば志望校を決める時、そのメリットやデメリットは「変わらないもの」として「仮止め」しておく必要があります。校風はこういうものだ、教授はこういう人たちがいる、卒業生はこういう進路を歩む人が多いなどです。本来それらは変動する
まいにち易経六十四卦編51回目震為雷(しんいらい)です。地震、雷、火事、親父・・・もう古い言葉でしょうか。恐いものの代表です。今日のお話は地震と雷です。どちらも易経ではひとまとまり。突然発生して我々を驚かせます。「親父」も雷を落とします。(もっとも母親も雷は落としますが。)ですが、あなたのご両親は突然、なんの前触れもなく怒りますか?私は地震、雷、火事、親父(にお袋さん)もどれも予兆があると思います。その構造から見ていきましょう。上→雷震☳下→雷震☳上も下も、始動
まいにち易経六十四卦編㊿火風鼎(かふうてい)です。料理とはなにか・・・多くの場合、そのままでは食べられない物を食べられるようにすることです。かつ、美味しく、栄養価を損なわないあるいは栄養を摂取しやすい状態に変えることです。そればかりではなく、料理はイベントを作ります。正月やお盆、季節の変わり目には決まった料理がありますね。誕生日やクリスマスなどもそうです。料理がイベントを作るのです。今回は料理に関するお話。料理がイベント、ここでは祖先の慰霊祭を作ります。その構造から見
まいにち易経六十四卦編㊾沢火革(たくかかく)です。何かをがらりと変える。何かががらりと変わる。革命というと、現代においては国家転覆の企てでしょうか、それとも新たなる国家建設でしょうか。易経において国家のそうした交代を「自然」と説いているのはなかなか面白いです。今回はそんなお話。何かを変える。何かが変わる。その構造から見ていきましょう。上→沢兌☱下→火離☲上には流れる、動く水、開く口、話す、悦ぶなどを意味する沢のシンボルが、下には太陽、明かり、文明、熱を意味する火のシンボル
まいにち易経六十四卦編㊽水風井(すいふうい)です。今回の話は井戸です。ザンネンながら私は井戸を見たことはありますが、使ったことはありません。井戸から人の生き方を考える・・・毎度のことながら易経、先人たちのイマジネーションには驚嘆するばかりです。その構造から見ていきましょう。上→水坎☵下→風巽☴上には穴、溜まる水を意味する水坎のシンボルが、下には動く、従う、吹く風のシンボルが来ています。これを合わせて井(井戸)です。上に穴が開いていて、下は水が湧きだしている様子です。次のよ
まいにち易経六十四卦編㊼沢水困(たくすいこん)ピンチはチャンス・・・とはよく言いますね。具体的にどういうことなのか私には分かりませんが、「困っていることを解決するのが仕事である」と昔、教えられました。それは、ただパソコンに向かい作業をこなすのが仕事ではない。例えば、自分たちの手作業でミスもゼロにできないし、時間もかかる、電話業務でお客さんがたらい回しになっている、など困りごとがある。だれかの困りごとを解決するのが仕事なんだ、ということです。業務改善というのでしょうか。今回のお話は
まいにち易経六十四卦編㊻地風升(ちふうしょう)です。大きなことをしたい。だれしも一度は願うことではないでしょうか。(あまりこのような言葉は「安価な自己啓発本」や「口先ばかりの上司」のようで使いたくないのですが・・・ここは歯を食いしばって)成長のために必要なこと。今日はそんなお話。つまり必要なのは「小さな積み重ね」と素直さ。その構造から見ていきましょう。上→地坤☷下→風巽☴上には従順、育む母なる大地のシンボルが、下には自由に吹く、移動する、入る風のシンボルが来ています。合わ
まいにち易経六十四卦編㊺沢地萃(たくちすい)です。前々回は「目の上のタンコブを追い出す」、前回は「悪女?がやってくる」でした。この二回は一人の人が集団にとってどうか、というテーマでしたね。今回は、ひろく呼びかけて人を集めるというお話です。その構造から見ていきましょう。上→沢兌☱下→地坤☷上には話す、悦ぶ、水が流れる沢のシンボルが、下には従う、柔順、集合の地のシンボルが来ています。合わせて萃です。本文に「萃聚也」とありますので、萃は聚まる(あつまる)という意味になります
まいにち易経六十四卦編㊹天風姤(てんふうこう)です。人は人の中で微妙に変化するものです。たとえば、友人と二人で話していた時そこにもう一人入る。すると私も、友人も会話の内容やしぐさ、表情などは微妙に変わります。(少なくとも私はそう感じます。)人は人に影響されるのが自然ですから、当たり前と言えば当たり前です。今回はそんなお話。人と人との微妙な関係性について。その構造から見ていきましょう。上→天乾☰下→風巽☴上には剛健、積極の天のシンボルが、下には自由に吹く、何かを引き連れる風
まいにち易経六十四卦編㊸沢天夬(たくてんかい)です。「きめる」日常は決断の連続です。今回はそんなお話。きっと、決断するためにはデメリットを考える前に、メリットをはっきりさせるのが良い。それからちゃんとデメリットに向きあう。その構造から見ていきましょう。上→沢兌☱下→天乾☰上には流れる水、パッとあらわれる、口をあける、悦ぶ、喜ぶなどをあらわす沢のシンボルが、上には剛健、積極、恒常性をあらわす天のシンボルが来ています。夬は「えぐりとる」という意味です。また夬は決と同じ意味
まいにち易経六十四卦編㊷風雷益(ふうらいえき)です。お金を稼ぐ。これはとても大切なことですね。よく考えると不思議なことですが、「お金を儲ける」となると風向きが変わってきます。古今東西、お金儲けはそれ自体悪とみなされたり、民衆から妬みの対象になったりします。今回はそんなお話・・・ではありません。「損」や「益」という漢字をみるとどうしてもお金を想像してしまいますが、そうではないのです。易経では「益」をどのように説いているのでしょうか。(今回の風雷益は前回の山沢損とセットになっています。
まいにち易経六十四卦編㊶山沢損(さんたくそん)です。「損して徳取れ」損とは、何かを失うことです。悪い意味ばかり想像しがちですが、易経ではネガティブな意味ばかりではありません。今風に言えば「減らす」こともあらわします。例えば病気の症状が減ることも「損」です。今回はそんなお話。ダイエットなんかも「損」ですね・・・。その構造から見ていきましょう。上→山艮☶下→沢兌☱上は止まる、止める、高く積もる山のシンボルが、下は流れる水、口をあける、沢のシンボルが来ています。山と沢で「損」
まいにち易経六十四卦編㊵雷水解(らいすいかい)です。「許す」これはなかなか難しいテーマです。許すとは、お咎めなしにすること?もう蒸し返さないこと?今後おこらないという約束?結論はでません。ですが、謝るタイミングは今回の教訓から学べそうです。結論はズバリ朝一番。その構造から見ていきましょう。上→雷震☳下→水坎☵上には初春、始まる、始動、出発のエネルギーをあらわす雷のシンボルが、下には困難、穴、冬をあらわす水のシンボルが来ています。雷水は解です。まさに雪解け。冬から春に変わる
まいにち易経六十四卦編㊴水山蹇(すいざんけん)です。「足が遠のく」「足を洗う」何かから離れる言葉にはよく足が使われますね。とりわけ嫌なものから離れる時が多いようです。今回はそんなお話。危険を前に足を止める。でもいつかは「やらねばならぬときがある」・・・。その構造から見ていきましょう。上→水坎☵下→山艮☶上には穴、困難をあらわす水のシンボルが、下には止める、止まる、どっしりと構える山のシンボルが来ています。水と山で前方の困難を察知して歩みを止める様子をあらわしています。これ
まいにち易経六十四卦編㊳火沢睽(かたくけい)です。「女同士は仲が悪い」・・・10年前の昼ドラでは鉄板のテーマでしたね。今回はそんなお話。性別でその人の性格や個性を単純に規定することについて、今は慎重な世の中だと私は認識しています。ですので今回も単純な性別として易経を読むのではなく、陰陽論として頑張って読んでいきましょう。その構造から見ていきましょう。上→火離☲下→沢兌☱上には太陽、光、熱、文明、年中の女性をあらわす火のシンボルが、下には悦ぶ、口を開く、雲、年少の女性をあ
まいにち易経六十四卦編㊲風火家人(ふうかかじん)です。「旦那元気で留守がいい」なんて言葉はもう古いでしょうか。今回はそんなお話。家庭の在り方について。家での過ごし方。本題に入る前に易経の読み方について私の立場をお話ししましょう。以前もそうでしたが、易経には「男は○○、女は●●」というように、男女の役割を説く場面がたびたびあります。これを「男女差別」と取ることもできます。いくつか注意しなければいけないでしょう。①今の私たちが持つ価値観をもって昔のことを批判してもしょうが
まいにち易経六十四卦編㉟火地晋(かちしん)です。スポーツ漫画って面白いですよね。とくに主人公が(ちゃんと?)敗北を味わうものが好きです。最初は勢い任せ、持っている才能に頼って活躍・・・ですがいつか味わう敗北と挫折。それでも頑張っていれば偉い人が目をかけてくれ、仲間が集まる。今回はそんなお話。人生をかけて打ち込む仕事について。その構造から見ていきましょう。上→火離☲下→地坤☷上には太陽、光、麗をあらわす火のシンボル、下には従順、柔、陰をあらわす地のシンボルが来ています。