ブログ記事448件
それから私たちは、何回もの路上ライブを重ね、最近ではTwitterで告知をすれば多くのファンが聴きに来てくれるようになっていた。歌を聴きに来てくれる人がいる。それは、とても嬉しいことで夢みたいで。私が一人で活動していた時とは違って、SNSの拡散力と何よりにっしーの歌声とアレンジがファンを呼び寄せている気がした。私の歌声は…どうだろうか。誰かに認められているだろうか。「みさこ?」「あっ…ごめん。考え事してた笑」「なんか最近、そういうこと多いけど。大丈夫?」
初ライブが無事に終わった。そして、「名前はまだない」というバンドが誕生した。ちょっとクサい名前かもしれない。でも、これが私たちを示す1番の言葉だと思うから、誇らしく思う。にっしーもバイト先のあの親友たちにかなり驚かれたらしい。バイト先ではそんな溌剌な感じないのによく路上ライブなんて…と。散々いじられたようだったけど、それでもその話をするにっしーはとても嬉しそうで、私まで嬉しくなってしまった。「あいつら、俺をなんだと思ってるんだ…舐めやがって…」と愚痴りながらも口角は上がり
路上ライブをすると2人で決めた日から、俺たちは数えきれないくらいの練習を重ねた。何よりみさこの練習量と練習の質の良さに驚かされた。気づけば、ギター片手に練習をしている。俺も負けてはいられないと、路上ライブをする日までより良い曲を目指した。********************「いよいよ、明日になったね…」「なんか俺…路上ライブしたことないし、緊張するわ…笑」「にっしー見てると、最初の頃の自分思い出すなぁ…笑」「みさこもビビってた?」「もちろん笑にっしーよりビビってた。だって、
目覚めると、目の前にスヤスヤと寝息を立てるみさこがいた。急に恥ずかしさが込み上げてくる。昨晩あのまま。理性が吹っ飛んで変なことをやってないだろうか。というかやってしまった記憶があるのを必死に忘れようと試みる。がっつく男は嫌だとか、引かれてたら。不安になり、そっと小さな頬に触れる。「ん…」寒かったのかみさこが目を閉じたまま、俺に身を寄せてきた。その瞬間、さっきまで考えていたことなんてどうでも良くなった。可愛くて。愛おしくて。そっと抱きしめた。「絶対夢…一緒に叶えよう。」返事
「「お腹いっぱい…」」「食べすぎたな笑」「うん笑」俺の前に座るみさこが笑いかけてくる。ギターを選んでいる時は忘れかけていたが、やっぱりやばい。細い腕。優しく巻かれた髪。大きな瞳。俺がさっき塞いだ形のいい唇。想像しただけで触れたくなる。自然と自分の唇を撫でていた。「にっしー?」「あっ…なんでもない。ちょっと考え事。」「…?」「…ギターも買ったことだし、スタジオでもいく?」「いいじゃんっ!そうしよ。」うまく話をそらせたみたいだ。こんなこと想像してるなんてバレたらやっていけ
「みさこ〜準備できた?」「うん!靴履いてていいよ!」「あーい」ようやくにっしーとギターを買いに行く日になった。バイトで頑張って稼いだありったけのお金をおろした財布は重たい。楽しみで楽しみで仕方がない。こんな感覚久しぶりだ。部屋のドアを開け、玄関で待つにっしーに声をかける。「お待たせ〜」「…」とびっきりの笑顔を向けたはずだったが、にっしーは何やら少し口を開けてフリーズしてる。「えっ…どうした?」「なんか雰囲気違うんだけど…」「そう?」靴を履きかけのにっしーの隣に腰を
どこに外食に行くかジャンケンをしたわけだったが、どちらも定食屋という渋い選択をしていたので、まぁやった意味がなかった。「まさか、みさこが定食屋とはな…」「私、結構好きなんだよね〜」「庶民派だな笑」「まぁね〜」2人で歩いてたどり着いたのは、にっしーのおすすめの定食屋。暖簾が風に揺れ、中から漏れる話し声で心が和む。「あっ、たかひろくん!」「こんにちは〜」「久しぶりね〜」「最近ちょっと忙しくて…」「そうなの?来ないからおばちゃん寂しかったわ…ってあれ?」食堂のおばさんと目が合う
「これ、知ってる?」「なに?」「…」「…なにさ笑」「いや…これ…」電車の中で隣に座ると、意外と距離が近いもんだということに今気づいた。私のバイト先の最寄り駅からにっしーの家に帰るまでの電車の中。私が最近ハマっているアーティストのCDジャケットをスマホで見せると、にっしーが画面を覗き込む。ふとスマホを持つ手に息遣いを感じる。「これか…うーん知らないかも。」距離の詰め方がすごく自然で、ギュっと心が締め付けられる。「…そっか。すごくリズムがいいんだよね〜この人の作る曲。」「…ふ
1日ぶりの家。あたりを見回しながら、近づく。誰もいないようだ。家は完全にバレていると思ったけど、こんな昼間から襲うのはリスクが高いんだろう。素早く家の中に入り、鍵をしめる。「ふぅ…とりあえず、オッケー…」通帳などの貴重品を家にあった大きめのトートバックに詰め込む。持てるだけの服と化粧類も詰め込んだ。譜面台なんかも持っていきたいが、バイト先に持って行くわけにはいかない。「…まっ、あとは引っ越しで運ぶときに持っていってもらうか…」なんやかんやしていると、バイトの時間になってしまった
朝ぱっちりと目が覚めた。いつもと違う部屋。すーすーと近くから寝息が聞こえる。少し寝返りをうつと、穏やかな寝顔が見えた。何を思ったのかおそるおそる手を伸ばし、髪に触れてみる。「可愛い…」はじめての気持ちだった。なんだかふわふしているような、胸が締め付けられるような。ずっと音楽に打ち込んできたから、一般の人が言う青春のようなものに縁がなかったし、男の人に触れたこともなかった。だからちょっと調子に乗って、ほっぺをつついてみる。「ん…」「やばっ…」今度はにっしーが突然寝返りを打つも
クリスマスプレゼント「久しぶり〜」「千晃〜!あっ、息子ちゃんもいるじゃん!」「ほら、宇野ちゃんだよ。手、振って?」画面越しに今日は千晃とランチをすることになった。小さい子がいるから直接は会えないけど、やはり顔を合わせて話せるのは楽しい。夕方は家族でパーティーをするらしい。私は自分のチャンネルでクリスマス配信をするから、ちょうどランチの時間にしたのだ。やはり子育ては想像以上に大変と話す千晃。でも、それ以上に楽しそうだった。「じゃ、また!」「うん!またね〜」zoomの回線を切
私たちは、夕飯を食べながらいろんなことを話した。これまでのこと。そして、これからのこと。もちろん、これからのことには音楽活動のことも含まれている。特にお互いのことについては、興味深いことがいくつもあった。にっしーはきゅうりが苦手らしい。カップラーメンをすすりながら、きゅうりがあるわけでもないのに苦そうにそう言ってた。最近はバナナとヨーグルトくらいしか朝ごはんは食べないらしく、密かに作ってあげたい母性が湧いた。密かにというか明日の朝ごはんを作ろうと決めた。とりあえずは、私の身の安全が
「はい、どうぞ〜」「お邪魔しまーす。」部屋に足を踏み入れる。男の子の部屋なんて、初めて入るからドキドキする。リビングを見渡すと、あまりものはない。しかし、隅の方のスペースに目につくものがあった。パソコンとピアノとヘッドフォンと…ギター。音楽を作る人なんだ。パッと見ただけでそう思う。めちゃくちゃ嬉しい。私と同じことをしている人と出会えるなんて。「足、痛いだろ?今、冷やすもん持って来るからちょっとソファに座って待ってて。」「うん…ありがとう。」プロが使うような一式だ。これはか
「おし…ついたぞ…」名前も知らない彼は、私を優しくおろしてくれた。「…ありがとうございます。」少しだけ彼のフードが濡れているの見ると、途端に恥ずかしくなる。気づかれてないだろうか。連れてこられたのは、新し目の2階建てのアパート。「ここ、おれんち。ここまでくれば、さすがにあいつらもまけたと思うし、安心して!」始めてちゃんと目が合った。「…あの…あいつらって…?」「あぁ…、大したことないよ笑」「…?」あんなに追いかけられてるのに大したことないって、どんだけ心強いわけ。「カツア
「そんなに喜んでくれるとは…嬉しいですね。」目の前にいる彼が神様に見えてきた。やっとだ。やっと報われるんだ。「…私、小さい頃から歌手になりたくて、ずっとこの5年間歌い続けてきたんです。」名刺を握りしめる。「そうなんですね。」「はい…だからチャンスをもらえたことが嬉しくて、嬉しくて…」突然涙が溢れてきた。「…大丈夫ですか?」「すみません…ちょっと嬉しすぎて泣けてきました…笑」「ははっ…面白い方ですね。」彼…いや、佐藤さんは、そう言うと事務所の場所と集合時間を伝えて去っていった
「もう無理ぃ…」私は、人生のどん底にいた。泣きたくないのに、涙が溢れて来る。少し遠くに見える道ゆく人たち。大きな路地裏のゴミ箱にすがりつき、隠れている私。「…なんでこうなんの…」誰にも届かない小さな声だった。************************私は、子供の頃からずっと歌手になりたかった。歌うのが大好きだったし、私が歌うと周りの人がいつも褒めてくれて、笑顔になってくれたから。その笑顔を見るのが好きだった。もっとたくさんの人に、私の歌で笑顔になってほしい。それが段
「大丈夫?」あっという間に2020年が来ていた。今年は、例年のように紅白やNYPなどの催事はなくてどちらかというと久しぶりに緩やかに年を越したのだけれど最近はNYPをやっていたということもあって、何か年を越したという感覚が物足りない気分、、、でも、時が経つのは早くてもう少しで1月も下旬にさしかかりそう。そうこうしているうちに私の初のソロツアーもファイナルが近づいて、でもみんなのおかげでソロツアーのアフターイベントもできることになって、やることは絶えず上から降って
『secretmarriaged』「お疲れ様でした」撮影が終わり、リハーサル室に戻る。今日は珍しくインタビュー場所が会社だったので、その後のスケジュールも全員で合わせて今年のLIVEのセトリやら衣装やらの話し合い。いつもなら、会議室で行うのだが、今日は会議室が全部埋まっていて、セトリ見つつダンスの振り返りでもするかなんて話しながらどんどん進んでいく話し合い。みんなで真剣に話し合っていれば時間なんてあっという間に過ぎていって「こんな時間ですし一旦終わりにして、各々
宇「たかひろ」西「ん、」宇「たかひろすき…んっ、、」意識が飛びそうなほどに深くて熱いキス何度も何度も深く宇「っ…はあっ、なが…い」西「あいして、る」ねえ隆弘私の方がきっともっとずっと宇「あいしてる」endTheoverflowingloveforyou溢れるほどの愛を貴方に✎︎________________________
ふさふさの髪の毛お風呂上がりでまだ温かい体昔から変わらない大好きな匂い甘やかしているなんて言ったけれどこの時間を欲しているのは私の方かもしれないね西「みさこかみのびたね」宇「ふふ、のびたね」何故かカタコトの隆弘が可愛くて思わず笑ってしまう西「みさこすき」そう言って私の胸に顔を埋める彼がどこか可愛くてずっと傍にいたくていてほしくて宇「たかひろ」✎︎________________________
実彩子side西「ぎゅーする」両手を広げながらかけよってくる彼は今年で34歳まったく…子犬かよなんて思う私ももうすぐ34歳宇「なーに隆弘どうしたの」西「んん、、ぎゅう」宇「なあに今日は甘えたさん?」隆弘はこのモードに入るといつも長い分かっているのにいつも甘やかしてしまうのは私で結局のところ彼が好きで好きで仕方ないからで宇「はい、隆弘ぎゅう」そう言って両手を広げれば私の胸めがけて一直線✎︎________________________
宇「ずっとみさだけのたかひろね?」西「ん、あたりまえ」ほら今日も宇「きみはしゅがあ」宇「へへにっしだ」実彩子がの為なら俺はいつだってNissyにも隆弘にもなるのにな…宇「ねえたかひろぎゅう」西「ほらおいで」宇「たかひろのぎゅうすき」宇「なんかねすごい安心するのああたかひろだってみさのたかひろだって」分かるような分からないようなやっぱりいまいち分からなくて首を傾げる宇「いーのわかんなくて」西「なんじゃそりゃ」宇「
宇「だって、さ、こうやって耳に当てて聴いてたらさ言われてるみたいじゃん耳元で」西「ん?」宇「ほらそのへいべび?って」宇「すきなのそれ」ああ、もう、、これだから無自覚は困る好きで好きで堪らない。西「そんなんさ俺が言えるやんいつでも」宇「ちがうのっ」西「ん?」宇「これはにっしなのたかひろはたかひろなの」宇「ぎゅうもちゅうもその先もにっしじゃなくてたかひろだけだもん」宇「にっしはみんなのにっしだけどたかひろはみさだけのだもん
隆弘sideHey,baby_____君のスマホから聞こえたのはもう何年も前の俺の声毎晩毎晩寝る前は必ずこれ宇「ふふっ」西「なあにまーたやってんの?」宇「いいじゃんだってこれ好きだもん」もうメイクも落として布団にくるまって目を閉じれば5秒で寝れますみたいな顔してんのに前に一度聞いたことがある西「なんで寝る前は必ずこれなの?」宇「なんでって?」西「いやあだってさもうちょっとあるじゃんほらリラチルとかワガママとかさそういうの」宇「なんでってな
実彩子side一昨年は一緒に見たなあ浴衣褒めてもらったなあってどれだけ季節が巡ってもあの日のことだけは忘れたことなんて一度もなくていや、忘れたくなくて叶うのならいつまでもずっと私の心を支配していて欲しいねえもう貴方のところへ行ってもいいかな.何も言わずにそっちへ行っても久しぶりって抱きしめてくれる?怒らずに笑ってくれる?愛してるよって言ってくれる?「いま行くっ…から…」震える手を握りしめて夏の夜空へ飛び出した"みんなごめんね、そしてありがとう。"の文
実彩子side"それ可愛いじゃん"貴方がそう褒めてくれた髪型はぐれるからっていつもは嫌がるのに繋いでくれた右手最後に上がった花火とともに重なった唇あの日からもうどれだけのときが経った?それさえも分からないくらい私の時間はあの日から止まったままでバーーーーンどこか遠くで聞こえる花火の音そうかもう2年か貴方がいなくなってからもう2年俺のことは忘れろなんて貴方はそう言ったけれどそんなのできるわけないでしょう?窓に目を向けると夜空に咲いた綺麗な花火汚い顔だな
実彩子sideねえ元気にしてる?そっちも今日は暖かい?"俺の隣が実彩子じゃないとかありえないから"そう言ってくれた貴方はどこにいますか?大好きって愛しているって当たり前のように言ってくれていた言葉たちを最後に聞いたのはいつだっただろう会いたいなあ貴方のところに行きたいなあなんて考えるのは日常茶飯事ででもそんなの叶うはずもなくて「っ…すきっ、」必死で喉の奥から出した言葉もピンと張り詰めた空気に溶けて消えていくだけ泣きたくなんかないのに温かいものが頬を流れる感覚
宇「ふふみさもみさもぎゅうってする」今日はもうこのまま彼女を抱きしめて寝てしまおうか起きたらきっと彼女は言うんだろうないつもみたいに眉毛を下げながら"ねえ隆弘ごめんね?昨日いっぱいぎゅうってごめんね?"
宇「おふろあがったよ」西「みさおいで」宇「ん、、」ぎゅうと効果音がつきそうなくらいに強く優しく彼女を抱きしめる宇「くるしい、よ、、」西「みさは頑張ってるからちゃんとみんなそれ見てるからみさのやりたい事やっておいで」宇「こわくて
西島side『たぁらいまぁ』舌っ足らずな彼女の声が玄関から聞こえたのが午後11時「おかえりみさ」『ふふあのねみんながね楽しかったっていーっぱい言ってくれてねついったとかいんすたとかいっぱいへへ』「ん、楽しかったねおつかれさま」