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『フィッシャーを殺せ』(原題:REFREXACTION)クリストファー・フィッツサイモンズ(訳:真野明裕)フィッシャーは、東欧の某国の優秀な諜報員だったが、ある作戦中に上司のヘーレにハメられて殺されそうになってしまった。実はその作戦の時、フィッシャーは愛妻を西側の工作員に託して西側に逃がす予定だった。しかし、命からがら生き残ったフィッシャーは、逃げきれなかった妻がヘーレの網にかかって命を落としてしまった事を知った。フィッシャーは、ヘーレに絶対の復習を誓いロンド
『No梗塞ねこ!!』~その133~眠れぬ夜2017.2.22/02:35地獄の33号室も、会長と社長が丁度良いタイミングで睡眠に入っているときは、なかなか静かな病室になる。私の隣のほぼ意識不明の“立川さん(仮名)”は、チ〇コがとても長いらしい。世話をしている看護師さんが、「立川(仮名)さんのって長いよね」「・・・」(多分、喋った看護師さんの後輩だと思う)「私、初めて見たときびっくりしちゃった」「き、奇跡みたいですよね」(若手)「うん、私は奇跡を見た」(先
『No梗塞ねこ!!』~その132~2017.2.21/20:30夕食入院3日目。夕方。車椅子で検査のため病院中を移動していた訳だが、その間点滴はずっとしていた。点滴のだいたいの役目は教わっていたのだが、一つには体液で浮腫んでいる脳の水分を出す。次に、血栓を作っている血液を溶かす。もう一つ新たな血栓を作らないように血小板を適当な量にする。こんなことを説明されたような気がする(多分・・・・)。後は、栄養補給。点滴してる間・・・特に最初の3日くらいは空腹を感
『No梗塞ねこ!!』~その131~2017.2.21/18:30レントゲン撮影っ!?レントゲン技師さんが隣の部屋からマイクで話しかけて来た。「それじゃ、そこの撮影機の前に立って、最初は向こう向き。次は横向きになって立って下さい」そこには学校や会社で使う、普通のレントゲンの機械が置いてあった(気がする・・・)。「横?・・・・・な、なんですか、それ?」私は、胸のレントゲンと撮るときに横向きで撮るのは初めてな気がして聞き返した。「大丈夫ですよ~。全部こちらから指示しますの
以前バイトをしていた遺跡のスケッチをイラストレーターで図面起こしする会社から、1月末に新たなお仕事のお電話を頂いた。今回は、古代の遺跡ではない・・・・・石垣だ!細かい話は、他言して良いのかどうか分からないので言えないが、要は写真だけを資料として残すとすると、何か災害や不測の事態が起きた時記録が失われてしまうので、電子的な記録や、印刷物の記録もバックアップとして残しておくと言うことらしい。受けた仕事をひと月で終わらせる・・・・・終わらせられると思っていたら、ふた月以上もか
明けましておめでとうございます!新年早々、ケチナお話でご勘弁を!手前のお気に入りの分厚い靴下に2つの大穴が開いた!同じ靴下を買おうとしたが、何故か安物の同じものが見つからない。家には、他にも何組か同じ靴下があるが新しく買い足せないとなると、今持っている安物がなんだか大したものに見えてくる。そこで、何年か前に覚えたダーニング!今回は、丁度いい大きさのマトリョーシカの偽物があったので、ダーニング・マッシュルームの代わりにしてダーニングしてみた。
『No梗塞ねこ!!』~その130~2017.2.21.16:15レントゲン撮影レントゲンの技師さんが、レントゲン室のドアを開けて待っていた。「おぉ、来た来た!もう終わっちゃうよ」とこれは看護師さんに言った言葉なんんだろうが、「すみません・・・・!」と、思わず謝ったのは私だ。何だろう?普段の私なら聞き流して笑ったり、気楽な切り返しをてその場の雰囲気を和ませると思うのだが、私は謝らずには居られなかった。今思えば、これも状況判断が上手くいっていない一つの例なのかも知れな
『トリフィド時代』(原題:THEDAYOFTHETRIFFIDS)ジョン・ウィンダム(訳:中村融)〈創元SF文庫610-04〉主人公で植物学者のウィリアム・メイスンは、トリフィドに襲われ視力を失いそうになったが、手際の良い応急処置と適切な治療によって幸運にも失明は免れた。“トリフィド”とは、食用の油を穫るために品種改良された有毒な植物だ。トリフィドは密かに開発され秘密裏に売買されていたのだが、いつの間にか勝手に自生して繁殖してしまった。しかし、このトリフィドには
『No梗塞ねこ!!』~その129~2017.2.21.16:10レントゲン>15:55に心電図の検査は終わったが、検査の結果がどうだったのかは教えて貰えなかった。私が診察室を出たら、診察室は閉められ受付の窓にはカーテンが引かれた。私を廊下に送り出してくれた看護師さんには、「神経内科が直ぐに迎えがきます・・・・」と言われたが、大病院の“直ぐ”は一般の“直ぐ”とは時間の感覚が違う。これに慣れるのは、入院を少々長くやらないと身につかない。廊下は節電モード。薄暗
ラグビー・南アフリカvs日本!日本のラグビー・ワールド・カップは終った。私のラグビー実体験は、人に話すのも恥ずかしいくらいの短い期間だった。あっという間に治り難い怪我をしてしまい、細かいことを言い出せば負けぬの遠吠えになるので口は閉ざすが、ある日、私は集団プレーには向かない人なんだと自覚した。そこで、個人で鍛えられる柔道部に入り直し、これはそこそここ続けることが出来た。頭の片隅では柔道なら、将来ラグビーをやるときに役立つんじゃ無いかとも考えていた。その時は切実に意識して
見る立場によって、物事は違うように判断できる・・・らしい。それで得をするか、損をするかはまた別の話。
~その128~心電図!2017.2.21.15:30看護師さんが、私の車椅子のブレーキをかけて小走りにエレベーターの方へ行ってしまった。私は、待合となっている廊下の真ん中に置かれたベンチの横にいる。しかし、車椅子は慌てて駐車された感じになっているので、沢山行き来する患者さん達の邪魔になっていた。私は、ブレーキを外して待合いのベンチにぴったり車椅子をくっつけて停め直した。体調が普通だったら、こんな待ち時間は何でもないのだろうが、たかだか10分だか15分の待ち時間が凄く長~~く感じて
『No梗塞ねこ!!』~その127~2017.2.21.15:10頃入院4日目。入院以来点滴はフルで一日中注入されている。目眩と言うか、目玉の奥の眼窩がゼリー状になって、世界をぐるんぐるん回している感じは最初の頃とほとんど変わらない。ただ、入院当日は寝ていても目を瞑っていても世界は回っていたが、今日(2月21日)は、寝ていれば世界はおとなしく止まっている。でも、それは右を向いている時だけだ。左を向くと、ベッドから何から全部が回転してしてしまうのだ!トイレに行くとき、車椅子
この話をしてくれた祖母も伯母も亡くなってしまった。私の記憶が薄れていくのが・・・ちょっと怖い。↓↓↓↓↓
『ロイスと歌うパン種』(原題:Sourdough)ロビン・スローン(訳:島村浩子)〈東京創元社/単行本〉主人公のロイス・クラーリーは、コンピューターに囲まれて育ち、大学を出て直ぐに電気自動車のモーターを制御するプログラミングの会社に入社する。ロイスは、楽しく仕事をして家も買った。そのローンを10ヶ月分支払ったところで、サンフランシスコのIT企業から転職の誘いが来てしまった。仕事は、工業用のロボット・アー
先日から通っている病院に、高次脳機能障害の専門の先生が来てくれた。病状を探るテストを、二時間近くかけてやってくれた。最初の方のテストは、手や足、指先を同時や時間差で動かしたり、手のひらをグーにしたりパーにしたりしてリズムを取って机を叩くテストだった。次は、新旧の日本の景色。色々な有名な場所・・・金閣寺、日本武道館や国会議事堂などなど。これらのものを見て、古い建物や景色はだいたいは答えられたが新しいモノになればなるほどあやふやになっていった。そして、極めつけは“スカイツリ
ぐるぐる手帖!!~散らかし大王!~小脳梗塞後、何故か分からないが、片づけが物凄~~~~く、下手になった!私は、元々整理整頓が上手いわけではなかったが、退院してから部屋を散らかすことの酷いことこの上ない!何か物を出した後、それを元に戻すことが出来ないだけでなく、そうやって使わなくなった道具をちょこんと床やテーブルの空いたところに置きっぱなしにしてしまうのだ。そして、気が付くと足の踏み場も無いほど床や畳が、もので溢れかえってしまうのだ!嫁さんは、私の頭が”不思議君
この『ぐるぐる手帳!!』は退院後の私の不思議な体調不良や症状を書いたもので、入院していたときの『No梗塞ねこ』の続編になる。話が前後して分かり難くなり申し訳ないが、少々お付き合い頂きたい。私は退院して2年を過ぎるが、小脳梗塞の後遺症(たぶん後遺症・・・・)で悩まされて続けているので、新しい病院に行くことにした。今通っている病院に紹介状を書いてもらおうとしたが、「一度診察してからじゃないと紹介状は書けない」と言われてしまったので、紹介状無しで飛び込みで新しい病院に行くこと
『NO!梗塞ねこ』~その126~2017.2.21.12:50頃お昼ご飯は、11時半頃から配膳が始まる。できるだけ口から栄養が摂れるようになった方が治りが良くなるような気がしたので、少々気持ちが悪くなっても頑張って食べることにした。朝は全部で4口(くち)か5口(くち)くらいで吐き気がしてきたので食べるのを止めたのだが、お昼はゆっくりと良く噛んで少しずつ口の中のものを喉に落としていった。結局、お粥は三分の一くらい。おかずは半分ずつくらいしか食べられなかったが、既に自分が食
NO!梗塞ねこ~その125~2017.4.12.09:30食べられないこともあって、あっという間に朝食は終わった。食事は終わったのだが、口の中がとにかく気持ち悪い。入院してから、十分に歯磨きが出来ないのだ。私のベッドの正面左3個目の会長さん(自称)が、昨日から引き続き大騒ぎをしている。今日の午後の会長さん(自称)には、昨日から順延された検査があるらしいので、その説明と検査が終わるまでは水分をコップ一杯で過ごさなければならないことを看護師さんが丁寧に説明している。余りに
『NO!梗塞ねこ』~その124~2017.2.21.10:15頃入院4日目に、初めての朝食が運ばれて来たのだが、それは今までの私の基準からすると“重病人が食べる流動食”だった。しかも離乳食かと思うくらいの少量だったのに、私は全部で4~5口しか食べられず、トレイを下げてもらった。何の理由も根拠も無いが、その時まで私は自分の事を重病人だとは考えていなかった。「ただ体調が悪いから入院してる」と、漠然と思っていたのだ。でも、この朝食を境に私の気持ちが180度変わった。〈こんなに
『NO!梗塞ねこ』~123~2017.2.21.09:05看護師さんは、ベッドをまたぐ幅40センチくらいの病室用のテーブルを私のお腹の上辺りに配置して、その上に朝食のプラスチックのトレイを置いて、「何かあったらナースコールして下さいね」と言って、他の患者さんの介助に向かった。私は、目の前にある食事の香りに誘われて腹筋だけで起きあがった。今までのヘコタレぶりを考えると、腹筋を使えるなんて自分でも驚きだった。“食べる”ってモチベーションは、かなりの潜在力を発揮させるものだと
『NO!梗塞ねこ』~122~2017.2.21.08:50朝食の配膳が、7時頃から始まった。“地獄の33号室”に食事が運ばれて来るのは9時頃になる。33号室の患者は重症者が多く、会長(仮名)はじめみんな手が掛かるので配膳も最後になるのだ。私は窓際のベッドに寝ていたが、入り口側のカーテンを引いて他の人からの視線を避けていたから、周りで起こっていることは音や会話で判断していた。33号室に居る我々は、9時になるまで食器のぶつかる音と、温度がある訳ではないのに“食事の温かい香り”
先日、新宿に出たときに高島屋に行った。目的は『大手まんじゅう』だ!!“伊部屋”の『大手まんじゅう』があると聞いたので、美術館に寄った帰りに高島屋の地下の食品売り場に行った。残念ながら、会計のときの店員さんがすごく嫌な感じだったのでかなりマイナスな印象だったが、目的の饅頭は手に入れた。蓋を開けると、その裏に“大手”の屋号が押してある。饅頭は一個ずつ小箱入りで、小箱の中の饅頭はもう一度包装してある。饅頭の皮は透けていて、中の餡子がそのまま見えてる状態だ!
NO!梗塞ねこ~その121~2017.2.21.03:30私が入院したお多福大学病院(仮名)は、機器類やベッドなど備品類もかなり最新のものになっていた。ERが入っている新館やヘリポートなども真新しかったが、旧館の設備にはかなり古いものがあった。中でも、トイレは昭和の香りが漂っていた。床は小さめの陶器のタイルで、点滴スタンドのキャスターが目地にひっかかって転がしにくい。でも、これはタイルを汚したときのためのものだと思うので、もちろん問題は無い。グレーの木製のドアが、入り
NO!梗塞ねこ~その120~2017.02.21.02:00入院3日目。じっと寝て、寝返りを打たなければ目眩で世界が揺れえることもなくなった。逆に言えば、寝返りしちゃうと激しい目眩に襲われるということだが、ものごとは『良い方を見てれば、良くなるような気がしてくる』ものだ。しかし、一日中寝ているので、夜になってもなかなか深い眠りにならない。ただ、点滴の中に安定剤みたいなものが入っているのか、あまり焦ったりイライラすることは少なかった気がする。それでも、昨日嫁さんに
NO!梗塞ねこ~その119~2017.02.21.00:45とにかく、すごい勢いで点滴を連打するので、目眩が徐々に減っていくのが分かるのだが、ちょっと体を動かすと寝ていようが起きていようが世界が回転する。そして、点滴は大量の水分を体内に入れるので、頻繁におしっこがしたくなる。最初のおしっこは、カテーテルを入れてもらって、1回で1.2リットル放出して事なきを得た。その後は、看護師さんに言われて車椅子でトイレに行くことになった。最近の脳梗塞の治療は、基本的に“動ける
NO!梗塞ねこ~その118~2017.02.20.22:3021:00時、夜9時に消灯。入院してなければ、考えられないほど健康的な就寝時間だ。私は、目眩を避けるためいまだに一日の半分は目を瞑っている状態なので、ほどんどの時間を寝て過ごしているお陰でなかなか眠気が来ない。その時、ふと嫁さんが看病に来てくれたときの話を思い出して無性に不安になってきた。実は、小脳梗塞で倒れる10日前、私は生まれて初めて財布を失くしたのだ。(正確には落としたことはあるが、なくしたのは初めて
『ヘリオット先生奮戦記(上・下)』(ALLCREATURESGREATANDSMALL)ジェイムズ・ヘリオット(訳:大橋吉之輔)〈ハヤカワノンフィクション文庫人体験〉時代は1940年頃のお話。グラスゴーの獣医大学を出たての新米獣医のヘリオット先生は、就職難の時勢にもかかわらず、ヨークシャーの獣医助手の職を得る。しかし、最初に手がけた超難産の牛の出産は逆子だった。吹きっさらしの獣舎には雪が降り込み、裸になって玉石の
NO!梗塞ねこ~その116・117~2017.02.20.嫁さんが面会に来てた時に・・・話は前後するが、33号室に移動してしばらくしたら嫁さんが面会に来た。会長(自称)と社長(自称)の掛け合い漫才に圧倒されながらも笑っていた私達だが、ちょっと気になったことを聞いた。「俺がICUに居たとき、途中から入ってきた一番奥のベッドの女の人は何時入ったのか知ってる?」と嫁さんに聞いた。「え?そんな人居たっけ?」確かめるために、嫁さんに隣のICU(ドアは無く開けっ放しになってるか