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「よく、ここまで頑張ったな」甚助が、俺に労りの目を向けている。甚助の言う通り、本当によくもったものだ。一千の敵に囲まれた。守兵は、わずか五十。二十倍の敵を相手に、一ヶ月持ちこたえたのだ。この砦が堕ちれば、国が危うくなる。侍大将の甚助は、昔から敵対している隣国の進攻を防ぐのに手一杯で、とても応援を寄越す余裕はなかった。俺が守っている砦は、友好国と国境を接していた。だから、砦とはいえ、五十人しか配置していなかったのだ。その友好国が、いきなり攻めてきた。どうやら、領土