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明日、妻が家を出ていく。大きな荷物をまとめている。子供を連れて。遠く九州へ、……「ついにやったか」と思う皆様は気が早い。いや、私という人間をわかっていない(笑)。秋の旅行だ。湯布院って言ってたわ。高級温泉旅館街やないかー!妻は旅行大好きで、結婚してから毎年のように連れ出されている。車も長距離を安全に走るために軽自動車から少し大きめのに買い替えさせられたほどだ。絵日記もよく書いている。海外旅行も私の6~7倍は行っており、スケッチブックが
この物語はフィクションです。なお、67話までのリンク一覧および人物紹介はこちら。~~~~~~~~~~~~「貴子、実技テストの相手できる?」「うん、いいよ♡」何を頼んでも二つ返事だ。これまでだと憎まれ口の一言もあったのに、調子が狂う。「ちょっと下調べしてかなきゃ。どうする?」「うん…先に図書館で待ってるわ」貴子の方が手際が良く、何事も早く動くわけだが、一言言っておくと待っていてくれるのだ。どうせ声を掛けなければ、「ねえ…待ってていい?」と聞かれるし…河原の告白以来こんな感じ
この物語はフィクションです。なお、51話までのリンク一覧および人物紹介はこちら。~~~~~~~~~~~~ドンドン、ドンドン、ッッ、ドアが強くノックされた。「凛さま!大澤さま!お開け下さい!」呼ばれて、必死で凛をベッドに寝かせ、ドアを開ける。背広の男の人が飛び込んでくる。やはり付添人、いや監視人がいたのか。彼は手早く様子を診立て、無線で仲間を呼んだようだ。俺の方に向き直る。「大澤様。申し訳ありませんが、事情をお聞かせ願えますか」先ほどの顛末をお話しする。凛はまだ目を
この物語はフィクションです。~~~~~~~~~~~~一人で目覚めた。悪い夢ならよかったのだが、あいにく腫れぼったい目は隠しようもない。目を冷やし、顔を洗う。真美は、もう、俺の横にはこないのだな。夢にも出てきてくれなかった。帰省の途に就く。あまりに体はだるくそして重く、気持ちは空しく寂しい。瀬戸内の青と白が、どこまでも悲しく沈んで見えた。実家で、年賀状をいくつか渡される。昨年、昔の付き合いで実家にくれたものには、現住所を知らせたが、まだ今年もちらほら届く。その中に思い出せ
この物語はフィクションです。~~~~~~~~~~~~ザザーン、ザザザーン。繰り返す波の音と海の匂い。電車が駅に止まる。一緒に降りた他の客たちは、駅を出ていく。ホームの手すりには、ハンカチが並んでいた。実は、かの超有名ドラマはほとんど見ていないのだ。聞きかじりだ。現実の風景を先に見ることができて、少し感慨があった。「別れのシーンなのに。恋人たちの聖地って、変ですよね」「何を祈ってるんだろう」「リカとカンチが幸せになりますようにって感じかな?」「自分たちの幸せは…」「神様
この物語はフィクションです。~~~~~~~~~~~~「東雲口からロープウェイがあるんですけど。乗ります?」「お任せで」勝手がわからないので、引き回されておく。少し冒険をしてみることにした。手袋を脱ぐ。手を引き寄せてみる。真美はちらっと視線をくれ、手袋を脱いだ。手がつながれた。一瞬冷たい感覚―すぐに暖かくなる。お互いの体の熱が流れ込んでくるような気がする。でも、まだ話はろくにしていない。観光地案内くらいしかしゃべっていないのだ。「真美、今日は何時ごろまでいいの?」「ん、
創作しているとつい自作の登場人物に感情移入してしまう経験ありませんか?今回は私もきついです。きつい展開では読者にとっても「いいね」押しにくいんですね!訪問者数が伸びてるのに「いいね」が伸びないのはそういうことか。幸せな展開では「いいね」が増えたのはそういうことか。(「いいね」は主人公に「よかったね」ではなく、作者に「がんばったね」と押していただければ)~~~~~~~~~~~~目の前に真っ黒な大きな幕が下りてきた。ひどく寒い。いや、何も感じない。座っている空間ごと地下の深い穴に降ろ