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場面緘黙の子の「個別の指導計画」は、「話せるようになる」ための計画。「個別の指導計画」を作る特別支援学級や通級の対象の子は、5月頃に「個別の指導計画」が作成されます。特別支援教育の指導は基本的にこの個別の指導計画に基づいて行われます。個別の指導計画の書式は自治体ごとに異なります。概ね下記のような内容が記載されているはずです。・主訴・本人・保護者の願い・長期目標・短期目標・指導の内容と方法・成果と課題(評価)こちらの図は、通級による指導の個別の指導計画
コミュニケーションのためにICT機器を使うのは場面緘黙の子には逆効果かも?目立つ道具を使うと、明らかに「話せない子」だと思われてしまいます。前回の記事で、<「話せない子」と思われるからよけいに話せなくなる>と説明しました。緘黙症状のある子をクラスで「話せない子」にさせないために、どうしたらよいでしょうか。「話せる場面」を作る一番シンプルな方法は、「話せる場面」を作ることです。(もちろんこれができるのは「緘黙症状があっても少しは学校で話せる」、症状が軽い子だけです)
基本に忠実な計画が、結局は近道になりますね。その「基本に忠実」というのが、実際には結構難しいのですが。【対象】あいさん(仮名)女性小学1年生で相談開始【概要】小学校入学してからの1年間で緘黙症状が大幅に改善しました。緘黙症状以外の問題が少なかったため、入学当初から「話せる場面」を増やすための取り組みを行いました。学期に1回の面談で、その時々の効果的な対応を検討しました。「担任の先生との話す練習」「クラスで声を出す機会を上手に作る」「話せる友だちを増やす」といった基本に
録音を使った練習でオンラインで話せるようになった高校生の紹介です。【対象】まことさん(仮名)男性相談開始時は高校1年生【概要】スマホでメッセージを録音してメールで送ってもらう、という練習から緘黙症状の改善につながったケースです。もともとは友だちを相手に練習する計画だったのですが、友だちがあまり頻繁に練習に協力してくれなかったため、私にメッセージを送ることになりました。徐々に練習のステップを上げていき、この練習を開始してから3ヶ月ほどでZoomの面談時に直接声での応答ができる
こんばんは、レインボー🌈です。中3場面緘黙症の娘の近況。フリスクに今年から、週一回は通う。平日でも、私と一緒であれば、どこでも出かける🚙や🚌や電車🚃も、使います。少しずつ、フリスク以外でも、声小さいけど、振り絞って、自分の意思を伝えようとする😳病気により、学校🏫をしばらくお休みすることを選択した約一年半前?休んで、薬物治療しながら、少しずつ外に出る練習をしています。先日は、家族で、チューリップ🌷咲いてる公園で、お散歩しました🚶♀️開けた場所での、お散歩。
1年間で顕著に緘黙症状が改善した高校生の紹介です。【対象】まきこさん(仮名)女性高校2年生で相談開始【概要】約1年間、6回のカウンセリングで顕著に症状が改善した高校生の女性です。本人と相談しながら話す練習に取り組み、同級生の前でも声が出せるようになりました。初回から本人とは筆談で聴き取りをすることができました。面談は2ヶ月に1回程度の頻度で行いました。「話す練習」の宿題の達成状況を確認して、次のステップを一緒に考えるという方法で、話せる相手や場所を増やしていきました。
緘黙症状を改善させるための練習方法には、どのようなものがあるでしょう?500かどうかは分からないですが、緘黙症状改善のための練習方法は実際無数にあります。(基本的な考え方は、外部のページになりますが、こちらの記事を見ていただくと分かりやすいと思います)「人」×「場所」×「すること」の要素を組み合わせて話しやすい条件を作る、というのが緘黙症状改善の基本です。このかけ算の組み合わせは、細かく見ていくと膨大な数になります。その中でもよく使う(=採用されやすい)型が4つあるので、は
「高校生になったら話せるようになりたい」と思っている場面緘黙の子は多い4月になれば彼女は私の好きなポール・サイモンの歌で、「4月になれば彼女は(AprilComeSheWill)」という曲があります。ギターのメロディと伴奏が美しい、詩情にあふれたとても綺麗な曲です。歌の内容とは全然関係ないですが、場面緘黙の子たちの中には「4月になったら話せる(ようになりたい)」と思っている子がたくさんいます。環境が変わることで「話せるようになる」ケースは多い実際、新しい
クラスの保護者に場面緘黙を説明する目的は1つ「友だちと遊ぶ機会を作る」ため数日前に「場面緘黙をクラスの子たちに説明するなら」という記事を書きました。今回は「保護者に説明するなら」です。※この記事の前に「クラスの子たちに説明するなら」を読んでおくことをお勧めします。保護者会で場面緘黙のことを話した方がいいの?新年度になると小学校では「授業参観+保護者」が開かれます。授業参観のあとで保護者が教室に残って、新しい担任の先生とお話しすることになります。「場面緘黙のことをク
5月は「話す練習」を本格的に始める季節!新年度が始まってもうすぐ1ヶ月。連休が明けたら学校生活も落ち着いてきます。この時期に、緘黙症状を治すための「話す練習」を開始しましょう。「5月に練習開始」の理由学校で「話す練習」をするには、次の条件を満たしている必要があります。・新しい環境での「話す練習」の計画が立てられている・本人が新しい環境に慣れている・クラスなど周りの環境が落ち着いている・安定した学校生活の日課が送れる日本のほとんどの学校では、新年度から約3週
最初の練習で担任の先生に声が出せれば、場面緘黙が治る日も遠くないと思う4月になって今年度の「話す練習」の計画を相談した子から、最初の練習の報告がありました。放課後に担任の先生に練習の時間を作ってもらって、教科書の音読ができたそうです。こういう報告があるのは嬉しいですね。この子の話す練習の目標は「1学期のうちに担任の先生と1:1で話せるようになること」。この調子なら1学期の途中で目標達成できそうです。連休前にここまでできたのは素晴らしいですね。まだまだ先は長いですが、こ
「話せないこと」について、子どもとしっかり話し合った方がいい。場面緘黙を治すために「話す練習」に取り組むなら、本人と相談することが必須。でも「本当にそんなことをしても大丈夫なの?」と思う方もいるのではないでしょうか。「子どもと「学校で話せないこと」について話題にしてもいいのか?」について考えます。「本人と「話せないこと」について話題にする」【必要度】★★★★★本人も「話せないこと」を自覚しているまずは子どもの発達という視点から、重要な前提を確認しておきましょう。
緘黙症状の改善が上手くいくために大事な3つの要素があります。子どもたちから学んだ、大切なこと私は、これまで何百名もの緘黙症状のある方と関わって、一人ひとりについて改善の方法を時間をかけて考えてきました。その中で考えた練習方法や計画は一人として同じものはなく、すべて「オーダーメイド」のものでした。ですが、個々の方法は違っても基本になる考え方はどのケースでも変わらないということが分かってきました。その基本的な考え方を、私は長い時間をかけて「3つの要素」にまとめました。子どもた
場面緘黙のカウンセリングで必要なのは「話すこと」ではなく「コミュニケーション」だから緘黙症状のある子とでもカウンセリングはできます。上手くいったカウンセリング緘黙症状のある中学生とオンライン面談で「話す練習」の相談をしました。その子とは初対面で、私に対して声を出すことはまだできません。でもこのときは、わずか20分ほどでその子と「話す練習」の計画を作ることができました。私は「話す練習」の計画を考えるときはいつも、「目標」と「練習方法」の2つを検討します。「練習方
前回の続きです。緘黙症状改善の計画は、「目標」→「練習方法」の順に考える。計画の立て方の手順は2つ私が相談のときに行っている緘黙症状改善のための計画の立て方は、大きく分けて2段階です。【第1段階】「目標」を決める【第2段階】「練習方法」を考えるこの2段階で計画を立てれば、緘黙症状を改善させることができると私は考えています。【第1段階】「目標」を決める緘黙症状を治すには、まず目標を明確にしましょう。「話す」というのは必ず相手が