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死の淵で2020年12月29日。栃木県栃木市岩舟町静和、岩船山——。地元の友人3人とキャンプに出かけたあの日、写真を撮り合っていた最中、崖から足を滑らせ、50メートル滑落した。目が覚めたのは、年が明けた1月11日。ベッドの上だった。山から落ちた出来事など、一切覚えていない。ここで、自身の変化に気付く。声を出そうとしても出ない。口には人工呼吸器が繋がっているからだ。首には固定器具。胸の周りは分厚いコルセットで圧迫されていて、全身に繋がっている点滴の管が見えた。視界が徐々に広
『猫とウサギと龍の本―松浦寿輝童話集』を読みました⭐︎松浦寿輝さんが若き日に書かれた、小さな生き物と本をめぐる4つの童話作品が所収です。中には、前に読んでいる作品も再録されています。あとがきを読むと、どれも童話であると同時に、松浦さんの私小説でもあるとのことで、実は個人的に、"松浦さんは俯瞰的かつ客観的に童話を書かれているのかなあ?"と思ってもいたんですが、そんな事はなく、ちゃんと血肉の通った、自らの姿を投影した童話だったとわかり、なんとなく作品の中に、いつもちょっとした哀愁や抒情を感
哀愁の町に霧が降るのだ椎名誠平成3年新潮文庫1981年から82年にかけて情報センター出版局から上中下の3巻の単行本として出版されたのを買ってから数十年ぶりに現在では文庫本で2冊組になっているシーナの青春記を数十年ぶりに読んでいます。けっこう汚れが目立つ古本なのでメルカリで2冊で300円でした。千葉県の漁港のある町に生まれたシーナ少年は父親を亡くし、不良化したまま千葉市に新設された旧陸軍の兵舎を利用した掃溜め高校に進学し、柔道部で身体を鍛えるとともに、学風に沿って暴力化した中で