昭和37(1962)年に刊行された樋口清之氏による『木炭の文化史』には、「佐倉炭」について「佐倉炭は初め領主堀田家が専売し、のちに千葉の炭問屋に依託して江戸へ出荷させたので名を広めた。この移出は享保年間(十八世紀初め)に始まっていて、古い歴史を持つ。一般に佐倉炭は、寛政五年(一七九三)に富塚村の川上右仲が藩に建議して、椚、林輪伐法をおこない、相模から製炭技術を輸入してつくったといわれるが(『千葉縣印旛郡誌』など)、これはそれまでの下総炭の改良を指したものと考えられる。佐倉炭の名も、佐倉で生産され