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大山誠一郎さんの作品は、アンソロジー本などで何本か読ませていただいたのですが、一度じっくり拝読したいと思って『アリバイ崩し承ります』『密室蒐集家』『仮面幻双曲』そして『赤い博物館』などの候補の中から、『赤い博物館』を手に取りました。どっかでこのタイトル、見聞きしたことがあるなぁと思ったら、松下由樹さん主演でドラマ化されていました。残念ながらドラマは観ていないのですが、松下さんの割と行動的なイメージと、本作の主人公・緋色冴子のコミュ障のイメージが乖離しているような気がして、逆にドラマがどんな風
長きにわたって売れ続けている有栖川作品群は一度も読んだことがなく、いまさら著名なシリーズ物にも手を出しづらいとかねて思っていたところ、本屋で読みやすそうな短編集を物色中に本書が目に留まった。人気シリーズらしい江神シリーズ、火村シリーズのうち雑誌に掲載されただけで単行本未収録の作品を集めたということなので手に取ってみた。江神シリーズは本書収録の「女か猫か」「推理研vsパズル研」の2作品を読んだだけの印象に過ぎないけど、謎解きがちょっと都合よかったり、さまざまな限定された条件下だったりで、僕は楽し
2017年、芥川賞。2020年、映画化。綾野剛、松田龍平。映画は観ていないが、文春文庫の表紙(添付引用)が川岸で綾野と松田が横に並んでうつむいている写真なので、一目で(主演)綾野剛、(助演)松田龍平とわかる。二人ともハマリ役。何考えているのか周囲にはわからない、失踪する男が松田。友達作るのが下手で、失踪した唯一の友(松田)を探す男が綾野。ここのところ大正~昭和前半の文豪の作品を貪り読んでいる私。『影裏』は大正・昭和の匂いがする。パソコン、デニッシュパンといった現代用語は別に
ミザリー(文春文庫)Amazon(アマゾン)本の概要両足を骨折した作家ポールは「大ファン」を自称する女に監禁された。狂気に侵された女のもとから脱出することはできるのか――?映画の『ミザリー』が怖くてでも定期的に観たくなるそんな私が、本のミザリーは映画と違うよ〜と、聞いて読んでみました。凄かった‼️怖かった。。痛かった。。文字なのに…ステァーブンキング凄い。今更だけど、ホラーの帝王!でしたー。
榎田ユウリ文春文庫2022年10月発行はい、お初の著者さんです。図書館の文庫棚で出会いました。もちろん・・題名に惹かれましてね。「猫」ですもん。カバー裏の解説から引用すると・・順風満帆な人生を送っていた幾ツ谷(いくつや)は、突然妻から離婚を言い渡され、シェアハウス「蔦屋敷」に流れ着く。離島育ちで純真な洋(ひろ)や毒舌イケメン准教授の神鳴(かみなり)など、風変わりな住人と賑やかに暮らしながら復縁を目指す幾ツ谷だが、神鳴の怪しい行動を目撃してしまい・・・。不器用な心の交
***「不思議、大好き。」「おいしい生活。」「ほしいものが、ほしいわ」これらのコピー、どこかで見かけた記憶はないだろうか。取り立てて珍しい単語を使っているわけではない。なのに、なぜか、新鮮でストレートに響く言葉。これらはいずれも80年代に、コピーライター糸井重里が作り、西武百貨店の広告で使われたコピーたちだ。『人生を教えてくれた傑作!広告コピー516』は、80年代〜00年代にかけて世の中にでたコピーの数々から、「傑作」とも呼べるコピー
文春文庫書き下ろしの一色さゆりさんの「モネの宝箱」が発売されたので、早速買って読みました。気がついたらシリーズ第2弾だったのですね。1作目を読んでなかったです。一色さゆりさんの作品を読むのは4作目です。昨年11月には徳島で一色さんの講座があったので参加してきました。早速第1弾も購入しました。また後日紹介しますね。アート旅行を企画する会社に就職した主人公の女性が、さまざまなオーダーに対応すべく奮闘する物語。モネの睡蓮がある4つの美術館を巡る旅の話ですが、私は第4章
米澤穂信さんの『インシテミル』を読みました。2007年にハードカバーで、2010年に文庫本で文藝春秋から発売され、同2010年には『インシテミル7日間のデス・ゲーム』というタイトルで映画化もされたそうです。この『インシテミル』というタイトルの意味も気になっていました。読めども読めども、それらしき名称が出てこず…最後の方でチラッと「淫する」という言葉が出てきてやっと、そういう意味かと理解しました。「淫する」を国語辞典で引いてみると、①何かにふけって、悪い結果を生じる。「書に
亀の歩みのピアノ弾き語りシンガーソングライターの大橋歩美です。少し前に読了した本。『少年と犬』馳星周文春文庫東日本大震災からほどない頃の仙台から話は始まります。ガリガリに痩せ細ったシェパードが混ざった雑種と一人の男が出会います。人の言葉を理解して行動できる賢くて、人に慣れている犬を男はすぐに気に入ってしまい家に連れて帰ることに。首輪には「多聞」と犬の名前が書かれていましたが、痩せ細り方からおそらく震災で飼い主からはぐれてしまったのだとうと推測しました。
『情報なき国家の悲劇大本営参謀の情報戦記』堀栄三著その1となります。文春文庫『情報なき国家の悲劇大本営参謀の情報戦記』堀栄三著文藝春秋BOOKSウェブサイトより文春文庫『情報なき国家の悲劇大本営参謀の情報戦記』堀栄三|文庫-文藝春秋BOOKS文春文庫『情報なき国家の悲劇大本営参謀の情報戦記』堀栄三|文庫太平洋戦中は大本営情報参謀として米軍の作戦を次々と予測的中させて名を馳せ、戦後は自衛隊情報室長を務めた著者が稀有な体験を回顧し、情報に疎い組織の欠陥を
ミスト短編傑作選(文春文庫)Amazon(アマゾン)本の概要スティーヴン・キングを読むならまずコレ!映画化・TVドラマ化された巨匠の傑作「霧」。ほかキングの初期作品から選り抜いた傑作選。【収録作品】ほら、虎がいるジョウントノーナカインの末裔霧「ミスト」として映画化され、TVドラマ化もされたスティーヴン・キングの代表作「霧」。スティーヴン・キング通が口をそろえて、「はじめてキングを読むのなら『霧』から」とオススメするホラー史上に残る傑作です。この「霧」を収録したキングの
最近読んだ本を紹介します。こちらの小説です↓『駐車場のねこ』著者は、嶋津輝さん。表題作を含む7つの短編集です。(全編ねこの話かと思ったら違った)どの話も、一癖ある人物が出てきて事件が起きそうな予感・・・と思いきや、平穏に物語が終わっていくんですよね。読み終わった後も不思議な感覚が残るな〜日常の中で個性を発揮しつつ、受け入れる寛容さも持ちたいと思える作品でした駐車場のねこ(文春文庫)[嶋津輝]楽天市場${EVENT_LABEL_01_TEXT}
この週末、いかがお過ごしでしたか?私は毎週決まった仕事があるのですが、なんと今週の日曜日の仕事がお休みになりました。自分の都合で休んだのではないので、気分がいいです(笑)。特別な週末!・・・何をしようかと考えたのですが、丁度、図書館で予約していた本が届いていたので、本を一冊読み終えることが出来ました。その本は↓2024年文春文庫早見和真著「笑うマトリョーシカ」本の最後に書かれた中江有里さんの解説には「どんなホラーよりも恐ろしい小説」とか「心の闇に迫るミステリー長編」と
ひつぞうの偏愛的読書【24】山本夏彦著『私の岩波物語』(文春文庫)1997年(1994年初刊/文藝春秋)(画像の一部はネットより拝借いたしました)※個人的備忘録です。しばらくこんな感じ。しゃーないね。こんばんは。ひつぞうです。禍いの沈静化の兆しが見えてきましたね。長い間積読していた蔵書もこの機会に少し片づきました。二度と本なんか読まんだろうと思ってましたが。今回は辛口で鳴らした名コラムニストのエッセイ集。いつか読もうと思いながら二十年あまりが経過。夏彦翁も鬼籍に入られてし