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新版(2023年5月発売)の変更点・追加部分⑰で、前回の続きです。いつものことながら、だいたいのあらすじと緩めの意訳です。いつでも花城と対話する時は、彼に優しくやり込められたような気がするのですが、反撃する力もなく、負けるのでさえ本望のような気がするのです。本当にもう何も言うことがありません。突然、遠くに眩い光が空を駆け抜け、金属や岩が破砕される音が天地を揺がすほどに響き渡り、二人の行く手を阻みます。白い光が徐々に熱を失ったように薄れていくと、謝憐はようやくそれが一本の剣
前回の続きです。『天官賜福159蝶夢③』前回の続きです。前回、前々回はこちらから↓『天官賜福157蝶夢①』今回は、四巻以降の部分にはなるものの、旧版にはなくて、新版で新たに付け加えられたエピソー…ameblo.jp街の両側には百姓がたくさん見物していて、意識の世界なので本物ではないと知りつつ、それでも謝憐は顔を馬の立て髪の中に隠したくて仕方がありませんでした。-----街では白錦(錦衣仙)を見つけることができなかったので、郊外にやってきました。そこには白錦が建てた小屋がありまし
新版(2023年5月発売)の変更点・追加部分の紹介です。(あらすじと緩い意訳です)二人は入山して間も無かったのに、慌てて下山することになりました。下山すると、高くて大きな山門を、金色に輝く馬車が塞いでいました。華やかな衣を着た少年が馬鞭を手にしながら馬車の前で横になっていて、足を高々と上げて得意満面でした。謝憐を見つけるや否や跳び起きて、とても嬉しそうに言います。「太子従兄さん!」この少年はもちろん戚容です。二歩ほど跳びながらやってきて、上機嫌で言います。「やっと太子従兄さんに会えた
新版(2023年5月発売)の変更点・追加部分⑮です。前回は地師救出の終盤で力尽きたのですが、小説と突き合わせて見てくださっている方や、これを参考に外国版や魔翻訳で読み進める方もいらっしゃるようで、少し補わせてください。(いつものことながら、だいたいのあらすじと意訳です)「風師殿、もうやめてください!これ以上やったら何もかも焼き尽くしてしまいます!p61」の後に、風師は「わかったわかった、もうやめるから。太子殿下、君の握力は強すぎる!...待って、その手はどうしたんだ?」と腕の怪我に気が付
新版(2023年5月発売)の過去編の変更点・追加部分の紹介です。(あらすじと緩い意訳です)謝憐は金の冠を取り、長い髪を下ろして、壇木の寝台に腰掛けます。そして脚を二回蹴って、雪のように白い靴を脱ぎ捨てました。突然慕情が眉をしかめます。「どうした?」「殿下、悦神服が汚れています」「あ、見せて?」雪のように白い武者服には、二つの小さな小さな黒い手形が付いていました。悦神服の白衣は大変質の良いもので、紋様も細かく、縁には金色の暗紋が施されていて、華麗だけれども贅沢には見えず、二つの
今回からは第三巻(現在軸)の改変の紹介です。第一巻の最後が大幅に改変されたことで、第三巻の冒頭もそれに合わせて大幅に改変されています。改変箇所の紹介の前に、第三巻の章構成を見ていきます。旧版では、第三巻の部分は、次の章構成となっていました。「観月夕闘燈中秋宴」「千灯观长明漫漫夜」「怀鬼胎平地再起波」「方寸乱莫道芳心乱」「白夜题书红袖添香」「施怪计开门盗鬼胎」「乱对簿啼笑皆不当」「争喜功厄命斗若邪」「贤太子羹迎不速客」「白话仙人喜宴哭丧」「三神一鬼不见真仙」「四鬼神闻说血社火」「风水庙夜话
新版の改変箇所の紹介です。岸に上がってからの描写はしばらく旧版の通りで、「城主!ヤりたいんですね!お手伝いしますよ!俺たちが押さえときますから!p99」が「城主!お手伝いしますよ!」に改変され、「失せろ」に繋がります。p99下段の「あの一瞬の出来事は謝憐にとってあまりにも衝撃的だった」から始まる12行が省略されています。花城が針を取り出して握りつぶしたあと、「その様子を見ていた謝憐は、不安はひとまず脇に置いて真剣に言った。『なんて強い怨念なんだ。普通、胎霊がここまで強い法力を持つこ
新版(2023年5月発売)の変更点・追加部分の紹介です。だいたいの意訳です。前回は、謝憐が子供を抱きしめながら、「行くところがないなら一緒に行こう。一緒に太蒼山に行こう。他のことはまた後に話そう」と言うところまで紹介しました。子供は謝憐に抱きしめられて、少し身震いしました。「殿下、また子供を拾って帰って!」風信がそう言うと、謝憐は笑いながら、「子供を拾うのが好きなんだ。養えないわけじゃないし!」と返します。風信は諦めたように子供に手を伸ばそうとすると、手を伸ばす前に、子供は寝
新版の変更・追加です。前回は謝憐と少年兵士が洞窟の前までやってくる場面まで紹介しました。洞窟の前には、十数匹の鄙奴が地面に倒れている人を囲っていました。それは少女で、髪には鮮やかな赤い花が挿してあり、苦悶の表情を浮かべた顔と、鮮やかな赤い花の対比が、より一層残酷に見えました。鄙奴はちょうど少女にかじりついていて、人が近づく音を聞きつけると、一斉に振り返ります。謝憐が手加減するはずもなく、鄙奴が振り返った瞬間が死に時で、謝憐は掌から数撃繰り出すと全て撃ち殺し、前に歩きました。少女は口
2025年春改編は、大組閣の予感です。これまでの情報から、主な部分が、これだ。参考⇒テレビ番組の改編のチェックポイント正式発表日本テレビズームイン!!サタデー終了シューイチ土曜・日曜の週2放送に(2025年1月1日内定⇒正式発表)アニメ「真・侍伝YAIBA」テレ東から日テレ(ytv制作)に移籍テレビ朝日新アニメ枠「IMAnimationW」新設くりぃむナンタラ異動フジテレビONEPIECE「鬼滅の刃」が放送された日曜夜11:15
新版(2023年5月発売)の変更点・追加部分⑳です。前回は、謝憐が南風と扶搖を川に蹴り落としたところまで紹介しました。花城は歩いてきて、何かを差し出しました。謝憐は少し呆気に取られ「私にくれるの?」と尋ねます。「他の神なんて知らないから、兄さんにあげなきゃ誰にあげるのさ。でも、これは大したものじゃないから、もし好きじゃなかったら捨ててくれていいよ」金の枝は''金花''と呼ばれ、皆から争奪されますが、本当は造りの粗い、ただの飾り物なのです。動かすと金粉がポロポロと下に落ちます。
今回から新版(2023年5月発売)の過去編の変更点・追加部分の紹介です。前回紹介した現在軸の最後の一文は「そして、ただ、一つの小さな小さな白い花がゆっくり舞い降ります」で終わりました。過去編の冒頭は、「あの白い花は、満天の彩帯と歓声の中を飛び越えて、剣の上に落ちます」からスタートします。現在軸と過去軸が素敵に繋がれています。・「鐘の音が大きく鳴り響くと、国師が生えてもいない髭を撫でるようにして言ったp172」の部分が、「鐘の音が大きく鳴り響くと、払子を持った高冠華服の青年道者が粛然と言
新版(2023年5月発売)の変更点・追加部分です。前回は謝憐が面壁を覚悟し、扉が閉まった瞬間に、子供が泣き叫ぶ声が聞こえるところまで紹介しました。(緩い意訳です)次の瞬間、突然扉が開きました!警鐘が鳴り響き、黒い煙が勢いよく流れ込み、梅念卿は外で怒りながら叫びます。「どうしたんだ?」殿の外は混乱していました。「国師、私達にもどういうことなのか分かりません。先ほど封魔殿の邪崇が全部出てきてしまったんです!」太蒼山には、たくさんの封魔殿があり、妖魔鬼怪を入れた容器を封印してい
今回からは「合灵柩棺舟出鬼海」の前半の改編箇所の紹介です。謝憐が花城にキス、いや、人工呼吸した直後のあたりです。出だしから少し驚いたのですが、「二人は一瞬で石像と化し、風が吹けば双方ともにすぐさま砕けてしまいそうだ」からスタートしています。つまり、旧版のp315のほとんどの部分が省略されています。前回の最後で、「唇を重ねた」という描写だけ削除されていたので、それに合わせての改編だと思います。(口付けが軽いと息が漏れるからしっかり唇を重ねた、息を5、6回送った、などのあたりが無く
新版(2023年5月発売)の過去編の変更点・追加部分の紹介です。前回は悦神武者の仮面が落ちたところまで紹介しました。突発的な出来事に、衛兵達の足並みは乱れ、花を散らす玉女達も怯えた表情になり、金車は立ち止まります。高くて大きな白馬が蹄を上げていななき、管弦の演奏も不協和音が混ざります。歩く人がいれば、止まる人もいて、歩調がすぐさま統一できず、場面は収拾がつかなくなりそうでした。大通りの両側の群衆は一瞬何が起こったのか分かりませんでしたが、城楼の上にいる国主と皇后は立ち上がります。彼
今回は新しい章「怀鬼胎啼笑皆不当」の改変の紹介です。前回の章は「火事だ!」で終わっています。それに続く部分で、次の二つの文が削除されています。p118上段の「先ほど彼らは極楽坊を出てから長いこと歩いたが、その間中あの胎霊はずっと耳障りな甲高い声でおいおい泣いていて、時々『お母さん』と呼んでいた。しかし今はその声が消えている!」p118下段の「壺の口の封を見る限り、中に閉じ込められていたモノが自力で開けるのは不可能だ」この二箇所は削除されていますが、飛ばして読んでも繋がり
今回は、新版の「船行鬼域入水即沉」の章の改編箇所の紹介です。これは旧版では「一夕寒露偷梁换柱」の途中から、「神提神不如鬼吃鬼」「渡天劫东海起大浪」「船行鬼域入水即沉」の最後までと対応します。では早速見ていきます。p277「あまつさえ上天庭に対する反発心まで生まれ、上天庭に残って神官であり続けるくらいなら人界に降りて散仙や遊侠になった方がましだと思うようになったのだろう」が無くなっています。あった方が分かりやすいけれど、無くても分からなくはないかな?と思うぐらいの解説が無く
今回は中秋宴のあたりの改変の紹介です。数日後、上天庭から中秋宴に関しての案内が来ます。毎年、中秋のめでたい日に、神々は中秋宴を開いて祝い、人界の人々の団欒の様子を見下ろして楽しみました。それ以外にも、重要な「遊戯」があり、それは宴会の目玉とも言える「闘灯」です。それ以降はしばらく旧版(p50上段〜)の通りです。旧版のp53に、明儀に関して「杯を持つその手は意外にも玉杯よりも白い」という描写があります。この辺りから、明儀に関しての伏線が増えます。天官賜福では、注意深く読む
新版(2023年5月発売)の変更点です。前回は、謝憐が戚容のことを振り返る場面まで紹介しました。緩い意訳です。そこまで思い出した時、戚容は灯を供え終え、殿を出ようとしていました。ところが、後退りしているときに、誰かにぶつかったのです。戚容は誰かも見ずに罵ります。「賎民!俺様の道を塞ぎやがって!」口を開いた瞬間、謝憐も風信も額に手を当てます。「全然変わってない。前のままだ!」戚容は、もしかしたら五歳までの間父親と一緒に住んでいた為に、下級層の雰囲気や父親の気性の荒いところに染まるの
新版の変更点・追加部分です。前回は、太子殿を後にする郎英に謝憐がついていく場面まで紹介しました。今回は後半に大きめの改変があります。緩い意訳です。もう突然出現してしまったので、謝憐ももう自然な流れなど気にせず、本題に入ることにしました。できるだけ仙人のような風采で、信頼に値するように、払子を振ります。「あなたは、どこからやってきて、どこに行こうとしているのですか?」「俺たちは永安城からやってきて、本当は皇宮に行こうとしたんだ。でも、やっぱりやめた」謝憐はぽかんとします。「俺た
新版(2023年5月発売)の変更点・追加部分の紹介です。前回は、四人が太蒼山に到着し、道人が迎えに来る場面まで紹介しました。(だいたいの意訳です)神武殿では、香鼎からゆらりと煙が立ち上がり、神武殿全体を幻境のように染めていました。梅念卿は神武大帝の神像の前で、お香を供えているところでした。一列に並べられた長明灯が灯の壁を成していて、どの長明灯にも奉納者の名前と祈願が、端正で荘重な隷書体で書かれています。三人は殿の外で待っていました。子供はこの金色に輝く大殿を見回していましたが、取
前回の温柔郷の記事は、過去記事の再掲でもあり、少し物足りなかったですよね。今回は、天官賜福の新版(2023年5月発売)の変更点・追加部分⑪です。多分少し甘めです①賭坊で花城が謝憐の手を包み込みながら、壺皿を振る最後の一回の時に、花城が「さあ、最後の一回だ。緊張しないで」謝憐「緊張してはいませんp399」の会話がありました。新版ではその直後に、花城が''真剣な眼差し''で、軽いけれど''揺るぎない声で''、「孤注一掷、死亦無悔(一か八か、死んでも悔いはない)」と言い、謝憐も同じように、低い
今回は「白話仙人喜宴哭喪」の章の紹介です。本筋は旧版からの改編は少なめだと思います。p142「町からわざわざ持ち帰った肉餅を抱えていた谷子は」が、「村長の家から連れ帰った谷子は」に変更されています。p144「もともと謝憐は、子供たちの預け先が決まったら花城のところへ行って丁重に礼を言うつもりでいたのだが、思いがけず彼の方がこちらへ来てくれた」が省略されています。「兄さんは忙しいだろうから、わざわざ来てもらうこともないと思ってこっちから来たんだ」が無くなって「兄さん、忘れ物」だけ
新版の追加、変更部分です。謝憐が三百人あまりの兵士に尋ねるあたりは、旧版よりも簡潔になっています。こんな感じです。---「いつまでかかっても聞くしかない。この件を...私は何があってもはっきりさせないといけない」彼は自分の推測が間違っていたら良いのにと心から思った。それからの数日、謝憐は三百人あまりの兵士に直接質問した。一人聞くごとに謝憐の心は沈んでいった。終わった後、風信と慕情が部屋に入ると謝憐の顔色が悪く、黙り込んでいるのが見えた。慕情「殿下、何か聞き出せたんですか?」「聞き出
初投稿・9月13日更新・9月28日TV界の組閣「番組改編」、発表の時期になり、各局が出そろっている。民放は、果たして・・・今回の改編のポイント1・世帯・個人・コア、視聴率の影響は?テレビ離れを止めるべく、視聴率の基準が世帯・個人・コアの3つに分けられ、テレビ離れ・視聴率低下に、歯止めをかけるために、どう対策をするのか2・TVerのリアルタイム配信、TVerなどの見逃し配信の再生回数とお気に入り登録者数TVerのリアルタイム配信、TVerや有料
以前、天官賜福の新版(2023年5月発売)の変更点・追加部分を⑦まで書いたのですが、今新版を読み返していて、新たに見つけた変更点や、前回重要視していなくて書かなかった部分などを追加したいと思います。・茶屋にいる謝憐の前に初めて銀蝶が現れた時、小説では蝶は謝憐の指先に止まり「それはしばらくすると飛んでいってしまった」との描写があります。新版では「指先にしばらく絡み合い、名残惜しそうに飛んでいった」と改編されています。よりロマンチックな描写になっています。・与君山の小蛍が新版では土地神という
今回は『移魂魄太子斗真仙』の章です。今回も大きな改変はなく、削られたところの紹介がメインになりそうです。p217「天界の規則では・・・」からの7行が無くなっています。下界では姿を現してはいけないとか、法力を乱用してはいけないくだりです。p219「今彼らが最も知りたいのは・・・」からの5行が無くなっています。大体の方角と歩数から推測できないか、みたいなくだりが書いてある箇所です。p220上段「『お二人が何か言う度に風師殿はどんどん遠くへ行ってしまって、余計に見つけられなくなります』す
新版(2023年5月発売)の変更点・追加部分㉒です。前回は戚容が郎千秋に謝憐を突き出し、剣を渡す場面まで紹介しました。今回紹介する場面は、後半に旧版と同程度の血生臭い描写が多いので、苦手な方はご注意ください。郎千秋は怒りながら言います。「何?俺を手伝ってるだって?好きにって何だ?何を好きにするんだ?」戚容「好きにすればいい。叩きのめしてもいいし、剣で刺しても良いし、自分がしたいようにやればいいじゃないか。手伝ってるだろ?」郎千秋の鎖が伸ばされ、戚容には届かなくても、謝憐には届く距離
丸数字が尽きてしまったので、タイトルを少し変えました。三千灯が上がるあたりは旧版のままです。各神官の灯の数も、全て旧版のままです。地師の数が444灯で、これについては以前別記事でも紹介したのですが、何度読んでもうまくできているなぁと感嘆します。『天官賜福64伏線や考察④』天官賜福、伏線シリーズ第4回です。(伏線の過去記事をまとめて採番したので今回④です。)最近気がついた伏線をまとめてみたいと思います。ネタバレを含むので、ご注意…ameblo.jp宴会がお開きになったあたり(p7
今回は新版の「题离思心躁乱墨痕」の章の紹介です。前回少し書きましたが、新版の一つ前の章が旧版の「题离思心躁乱墨痕」に少し食い込んでいて、新版では「でも、いったい何の目的で?」のあたりで一つ前の章が終わります。p392上段の「でも、いったい何の目的で?」の後の7行が無くなっていて、新版の冒頭は、旧版の「水師が世を欺き命格を密かに擦り替えていたこと、・・・」のあたりからスタートします。p392「しばらくの間、驚愕のあまり皆が言葉を失うほどで、神武殿では誰一人意見を述べなかった。君吾