ブログ記事559件
平安時代から伝わる色の組み合わせの概念に「襲の色目」があります。かさねと読みます。「重(かさね)」と書くときは、衣の表地と裏地を重ねたときにできる「重層色」を指し、「襲(かさね)」と書くときは、衣を重ね着したときにできる「配合色」を指します。十二単にもみられる組み合わせでこれで四季を表します。音楽でいえば和音のようなもの。先人たちが生み出した調和がとれる色の組み合わせともいえます。現代にも生かせる考え方で、帯と着物の組み合わせだけでなく、着物と襦袢、伊達衿と半襟の組み
日曜日の夕方と言えば、『笑点』?4月から新メンバーになった立川晴の輔さん。注目の着物の色(メンバカラー)は、「鳥の子色」と紹介されました。「鳥の子色(とりのこいろ)」とは、卵の殻の色のような、ごく薄く淡い黄色。前任の林家木久扇さんが、目立つ黄色の着物でおなじみだったので、「木久扇師匠の薄い色?」なんて挨拶していました。久しぶりに観ましたが、「鳥の子色」の着物と大喜利メンバーの名解答に思わずにっこり。フリー画像「鳥の子」は和紙としても知られていて、王朝貴族にも好まれた
つつじが、色鮮やかに咲き誇っています。例年より早い!ワァーっと思っていたら、あっと言う間!漢字の「躑躅(つつじ)」は、読むのも書くのも難しい…。私だけだと思いますが、「躊躇(ちゅうちょ)」と、よく見間違えます。ビル街や公園でも見かける、親しみのある花。小学生の頃、漏斗状の花冠を摘んで、密を吸ってたな…。色名にもある「躑躅色」。古くからある伝統色で、野生の山躑躅の花色に由来されます。JIS採録の色の値参照増補改訂版色の名前事典519掲載の色の値参照
調合にこだわるスパイスで、本格インドカレーのランチ。おいしかったです。知り合いにスパイスマスターさんがいて、料理レシピや使い方を教えてくれます。おかげで、以前よりスパイスが身近なものになりました。シナモン、カルダモン、クローブで作るチャイ(ミルクティー)は、やっぱりおいしい!一時、毎朝作っていました。カレーもハンバーグも、スパイスを加えれば、本格的なお味に!フリー画像スパイスやハーブの色合いは、「スパイシーカラー」と言われます。植物の実や種子、葉、根、茎などのスパイ
講座やパーソナルカラー判定で、「ベージュって、どんな色みですか?」「ベージュとアイボリーの違いがよくわからないのですが…。」と、聞かれたり言われたりします。※色名と実際の色には幅があるので、JISの色名規格で確認します。ベージュ:明るい灰みの赤みを帯びた黄13世紀頃からあるフランスの伝統色。当時は、普及しなかった色名だそうです。現在、薄い茶色の総称として広く使われていますね。ピンクベージュやサンドベージュは、ベージュから派生した色名。ですが、グレージュは
NHK朝の連続テレビ小説『らんまん』観てますか?神木隆之介さん演じる、植物学者の牧野富太郎さんの人生をモデルにした物語。先週のサブタイトルは、「ボタン」でした。主人公の万太郎が、恋心を抱く寿恵子が好きだというボタンを模写して、渡していました。♥ボタンは、優艶な大輪の花。幾重にも重なる花びらが美しい!「立てば芍薬(シャクヤク)、座れば牡丹(ボタン)…」と、女性の美しい立ち姿、座り姿に例えられるほど!牡丹の花色は、紅、白、紫、黄、ピンクなどあり、芍薬より豊富なんだそうです
桜ピンクを堪能。桜といっても、花の色も形も大きさも、さまざまですね。見頃を迎えた里桜のピンクたち。花曇りの日は、それはそれでグレイッシュピンクに見える桜も…。「ピンク」とは、明るい赤系統を総称する英色名なのですが、人によって思い浮かべる色の差が大きい色でもあります。◆JIS採録の「ピンク」は、こんな色。*JIS採録の色の値参照この色を中心に、赤の範囲で色みをずらした明るい色がピンクです。◆「桜色」は、山桜の花色にたとえた紅染めの淡い色。*JIS採録の色の
世界的に有名な琥珀の産地、ポーランドのお土産のペンダントトップ。先月、欧州へ行っていた父からです。ありがとう。女系家族なので、5人分。色みもデザインも、それぞれ違います。こういう時、選ぶ権利は、実家で集まった際にジャンケン勝負です。私としては、一般的に「琥珀色」と言われる一番右狙い熱くジャンケンに臨み、選択権を獲得しました。琥珀は、数千万年の年月をかけてできる、天然の化石。古くから、宝石として珍重されてきました。JIS採録の「琥珀(こはく)色」は、
1年間、言語に内蔵されている色彩を、配色で表現することを試みてきました。テーマは「誕生色」の言葉をお借りして。※新潟県の十日町織物工業協同組合が日本の伝統色をもとに選定した季節の色きっかけは、数年前。和の伝統色について研究した際、四季折々に美しく移ろう色彩を、単色ではなく配色で表現してみたいと思うようになりました。あたかも詩人が詩を詠み、画家が絵を描くように…。(そんな、たいそうなことでもありませんが…)単色は、ストレートに色みやイメージを伝えやすくもありますが、複数の色の組み合わ
以前、雑誌で“ラテカラー”という文字を見かけましたが、どんな色ですか?という、ご質問をいただきました。ファッションカラーやヘアカラーなどで見かける表現。イタリア発祥の飲み物「カフェラテ」の「ラテ」で、ミルク入りコーヒーのような色を指して、使われているようです。イタリア語の合成語で、Caffe(コーヒ)+Latte(牛乳)。だったら、「ラテカラー」は「牛乳色」なんじゃないの???と思う私…。フリー画像「カフェラテ」という色の名前は、イタリアの伝統色にあります。「Ca
GWに訪れたバラ園は、美人さんぞろいで見惚れました。去年の同じ頃は、まだ蕾が多かったのですが、今年は咲いているバラがいっぱいでした。JISには、和色名の「薔薇色」と洋色名の「ローズ」が採録されています。「薔薇色」あざやかな赤西洋バラが日本に入ってきた明治以降の新しい色名大正時代の流行色「ローズ」あざやかな赤花の色ではたぶん最古の色名同じ色だと思っていたら、微妙に違う色…。わかる?(私は、わからない…)色の数値では、わずかに「ローズ」
今日のしつらえはふきのとう。日めくりの色は草緑色☘️🔵🟡本日、3月6日から、NHK制作「いろどりのうた」がオンエアになりました✨作詞作曲はSTUTSさん、歌っているのは東京事変の長岡亮介さん。才気溢れる若いディレクターとの楽しいお仕事でした💓私は色の選定や写真の監修のお手伝いさせていただきました。日本の色について教えてくださり、いつも和暦手帳を応援してくださった故吉岡幸雄先生に、心より御礼申し上げます。3月中はEテレ「あおきいろ」(水曜日8時25分~、木曜日7時〜)にて、4月
前回の「ローズ」の記事『ピンク×グレー配色はおしゃれに見える?』パリジェンヌが好むシックな色使いに、ローズ×グレー配色があります。フランス色名の「ローズ」は、ピンクの意味。日本でも、ピンク×グレーは、“おしゃれに見える色合…ameblo.jp今日は、続!?色名「ローズ」について。フリー画像フランス語の「ローズ(rose)」には、バラの花の他に、ピンクの意味もあります。なので、ピンクのバラは、「roserose」なんだそうです。和色名の「薔薇色」は、どんな色だっけと、ふ
色鮮やかに咲き誇る秋バラ。都立神代植物公園のばら園は、シンメトリックに整形された美しい庭園様式。「きれ~ぃ♥」連発!花色は、赤、ピンク、黄色、橙、白、紫など多彩。魅惑的なブルーローズたちも咲いていました。(青龍)(ブルー・ムーン)バラの系統(品種群)は、1867年を境に、オールドローズとモダンローズ(現代バラ)に分類されるようですが、色名にも「オールドローズ」があります。オールドローズ*JIS採録の色の値参照「やわらかい赤」とされ、赤いバラの花の色にちなむ「ローズ
先日、セールで買ったブラウス。色表示は「グレージュ」。「グレー」でもなく「ベージュ」でもなく、「グレージュ」。グレーとベージュの間の色と説明されますが、曖昧なので、その色域も広い広い…。以前、「グレージュって、何色?」と聞かれたことを思い出しました。ヘアカラーの色としても浸透している色ですが、ここでは一般的な色見本として。「グレー」*色再現は、JIS採録の「ベージュ」と同明度のグレー「ベージュ」*色再現は、JIS採録の色の近似値「グレージュ」
私、先日も色名の「キャメル」と「キャラメル」を読み間違えました。「先日も…」というのは、前にもあるということです。一文字「ラ」があるかないかで、違う色どちらも茶系なので、間違えてもそれほど困ることもありませんが、ここで違いをはっきりさせておこうと思います。【キャメル】くすんだ黄赤JIS採録の色の値参照くすんだ黄赤DICCOLORGUIDEの値を参照ソフトな黄色「フランスの伝統色」の値参照ラクダの毛並みの色のような茶色。「濃いベージュ」とも説明がありま
春休みに会った甥っ子に、「ネズミって何色?」って聞いてみたら、「水色」って言ってました…。単に、「ねず」と「みず」の発音が似ているからだと思われます…。黒と白の間の色。「グレー」、和色名では「灰色」。「鼠(ねずみ)色」と言う人もいます。「グレー」と「灰色」と「鼠色」は、同じ色なのかJISに採録されている色みで調べてると…「グレイ(JIS表記)」と「灰色」は同じ色。「鼠色」は、厳密には違う色でした。(↓グレイと灰色の値は写真下、鼠色の値は写真上)J
レザーバッグの定番色といえば、黒と茶色。ラインナップには、必ずと言っていいほどある2色です。最近では、「グレージュ」や「トープ」の色名も見かけます。『グレージュ』と『トープ』どちらも、フランスの伝統色。フランス色名っていうだけで、お洒落でシックな雰囲気を醸し出して?います。フリー画像手持ちのチャートや書籍の値を参照して、色再現してみました。同じ色名でも色が微妙に(だいぶ?)違うこともあります。CCICカラーチャート※商工会議所カラーコーディ
先日、「ベージュとキャメルの色の違いがよくわからない。」と、店で服選びをしていた見知らぬ二人組。頼まれてもいませんが、調べてみました。同じような色と認識されやすい色かもしれませんね。色名には幅があるので、JISの色名規格で確認したいところなんですが…。「キャメル」はJISには採録されていないので、和色名の「らくだ(駱駝)色」で比べてみます。「えっらくだ色と?」という声が聞こえそうですが…ベージュ:明るい灰みの赤みを帯びた黄*色再現は、JIS採録の色の近似値を
先週開講したカラーコーディネート教室に向かう電車を待つホームにて。聞こえてきた、子供とお母さんの会話。どうやら、気になる英単語を学習中らしい…。「金メダルは」「ゴールドメダル」「銀メダルは」「シルバーメダル」「銅メダルは」「ブロンズメダルあれ、ブロンドメダルだっけ」わかります。私も、時々混乱します。フリー画像色名にある「ブロンズ」と「ブロンド」。JISの色彩規格の値で色再現してみました。◆「ブロンズ」暗い赤みの黄色再現はJISの色の近似値ブロ
紅葉の色づきの中で目を惹いた鮮明な色。なぜか気になり、近寄ってみました。「ショッキング・ピンク」といわれる色名が浮かびました。「ショッキング」の意味を調べると、◆ぎょっとするさま◆精神的に衝撃を与えるさまとありました。ぎょっとするような、衝撃のピンクってことですねフランスの伝統色の「ショッキング・ピンク」を2つご紹介。フランス語の「ローズ(rose)」は、ピンクの意味があります。1、「ローズ・スキャパレリ」*↓こちらの書籍の巻末の値参照フランスの伝統色
ファッションカラーでよく登場する青系の色名に「サックス」があります。ここでは、管楽器🎷ではなく色名です。男女問わず人気のシャツの色なので、シャツの種類だと思っている人もいますが、色名です!色名の「サックスブルー」は、くすんだ青。ややこしいのは、ファッションでは「水色」のようなライトブルーを指すことが一般的なこと。私も、「サックス」は、もう少し明るめのイメージ。フリー画像「サックスブルー」の色名の歴史は古いようで(省略します…)、ゲルマン民族の"サクソン人
前回の"首を飾る君のターコイズ"の記事。『セカオワの首を飾る君のターコイズ♪のネックレス?』SEKAINOOWARIの新曲タイトル『ターコイズ』。色に関するタイトルの曲は、どんな意味の歌なのか、気になってしまいます…。昨年大ヒットした『Hab…ameblo.jp色名の「ターコイズ」は、明るい緑みの青。青緑系の代表色とも言える色です。鉱石のターコイズ(トルコ石)は、危険から身を守ってくれる魔除けやお守りとして、昔から重宝されてきたようです。フリー画像緑みの青
木々の葉が赤や橙や黄色に色づく季節。緑や黄緑とも重なります。「秋だなぁ~」と実感!「紅葉」や「黄葉」の他に、葉っぱが褐色(かっしょく)に変化する「褐葉(かつよう)」という言葉があるんですね!知らなかった…。というか、私、枯れると茶色になって落葉するものだと思っていましたが、すべてがそうではないようです。そう言われれば、茶色っぽい葉っぱもありますね…。どうやら、緑からいきなり褐色になるというわけでもないらしい。短い間の黄色を経て褐色になるので、遠景で見るその色づきの入り交じりも
リモートワークや在宅勤務で、デジタル化が社会全体で加速。私も、請求書や領収書をメール添付でお渡しすることが増え、電子印鑑について調べた際にびっくり。朱肉の色って、ちゃんとJISで規定されているんですねJIS既定の「朱肉カラー」参考値7.5R5/14(許容範囲あり)⇒RGB値217、66、54で再現書体を「AR丸印鑑B04」にしてみました。確かに、こんな色だな…色名にも「朱色」があります。JIS採録の「朱色」「あざやかな黄みの赤」は、まさに朱肉に用い
「モスグリーン」と「オリーブグリーン」は、どちらも植物の色から連想される色名。だからなのか、何となく似た緑のイメージがあります。フリー画像◆モスグリーンモス(moss)は、苔。つまり、「苔色(こけいろ)」です。「苔色」は、「モスグリーン」と呼ばれるようになり、昭和20年代の流行色なんだそうです。そう言われれば、昭和レトロな色「苔色」*色再現は、JIS採録の色の近似値◆オリーブグリーンオリーブの葉のような色。ちなみに、葉の裏側は銀白色らしいです。「オリーブグ