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今まで何度も書いてきたことですが、経験上、ずっと気になっていたことがありました。それは、「受験生」(つまりは不合格者)である私が、試験について何ごとかを発言した際の、相手方の反応です。これまで、身近な友人の反応は、見事に分かりやすく2つに分かれていました。ひとつは、私が司法試験についての単なる個人的見解(教材の評価や勉強方法などの考え方)を述べただけで、「お前は受験生だろっ!」と怒りを露わにしてきた受験生です。怒らないまでも、「不愉快な話を聞かされた」とばかりに、苦虫
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今日は雑談です。少し自分のことについて書きます。先日、弁護士の友人に、私が正直に未修入学者であることなどの事実を書いているにもかかわらず、未だに私の属性を知りたがる人が後を絶たないことをボヤいたところ、その友人曰く、「その気持ちも分かる気がする」「きっとみんな、そんなわけないだろ、って思ってるんですよ」ということでした。つまり、私の方法論は、未修ロー生の常識的レベルを遥かに超えており、経歴自体に嘘があると考えなければ、普通の受験生は納得できないものだということで
<司法試験機械的合格法>論文基礎力養成講座憲法/日本実業出版社¥3,570Amazon.co.jpLECの柴田講師が執筆した論証集&問題集です。主要7科目が揃っています。【良い点】①問題数は1科目数十問程度と、潰すには理想的な分量です。②絶対に落とせない最重要レベルの論点は網羅されていると思います。③事例問題中心の編集方針はgoodです。④刑訴が実務説なのもgoodです。いまだに学者通説ばっかりの他校は見習って欲しいです。⑤論証⇒問題‐解答へとステップアップする編集
講師紹介は今日で最後なので、最後に友人の講師を紹介させていただきます。以前、学校の勉強と試験勉強で、根源的に試験に強いタイプとして紹介した人です。総論的な勉強法、具体的な個々の方法論、いずれもこのブログの方針と99%同じです。このブログの内容に共感していただいていた方には、間違いなくどの講師よりもおすすめできます。まず、今まで何度となく同じことを書いてきましたが、もう一度だけ最後に書いておきます。試験に限らず、およそ何か物事を成し遂げるのに必要なことは、次の2つしかありません。
今回は、数日前にいただいたご相談にお答えをする形で記事を書いてみたいと思います。数日前、下記のようなご質問(ご相談)をいただきました。こういったお悩みは、決して特定の一個人のものではなく、多くのロースクール生にとって切実な問題だと思ったので、独立したエントリーとして残しておくべきだと考えました。質問:ローの勉強と試験対策とのバランスをどう取ればいいですか?私は国立ロー既修1年目です。講義は学者が最先端・応用分野を扱うものが中心で、学術的です。もちろん、試験対策になる講義もありますが
伊藤塾に『基礎マスター』と『商訴集中講義』(呉講師)という講座があります。講座評をしたいわけではないのですが、これらの講座の比較から見えてきたものについて、私の感じた正直なところを述べてみたいと思います。テーマを一言でいえば、「本当に入門講座を受ける必要はあるのか?」ということになります。あるいは、予備校が用意している入門講座の類を受講せずに、全く同様の効果を潜脱的に享受する方法はないのかを検討してみたいと思います。********************私
※2019年5月(令和元年)の投稿です。司法試験情報局の更新を(いちおう)停止してから数年が経ちました。停止後も、本文の表現を訂正したり、【補足】を書き加えたりはしましたが、個々のエントリーの主旨は変わっていません。ブログに書いたいくつかの予想の中で、当たったものもあれば、外れたものもあります。たとえば、ロースクール制度の正当性についての異見(2011年7月15日)で、ロー組が予備試験組に合格率で圧倒される(ロー組が予備組に「食い殺されることになる」だろう)と書きましたが、こ
本日は、司法試験の論文試験における問題文の長さから見えてくるものについて、全ての問題類型を俎上に載せて考えてみたいと思います。全ての司法試験系の論文問題を長さ別に分けてみます。①一行問題②短文問題⇒旧司(昭和)、えんしゅう本、120選など③中文問題⇒旧司(平成)、予備試験、ロー入試など(=旧司型)④長文問題⇒司法試験、演習書など(=新司型)⑤超長文問題⇒2回試験などこんなところでしょうか。(2回試験は余計かもしれませんが、いちおう入れておきたいで
民事裁判入門第3版補訂版/有斐閣¥2,310Amazon.co.jp民事訴訟法の入門書として人気No.1のテキストです。ロースクールの未修クラスの学生にユーザーが多いです。学者によって書かれたものとは思えないくらい説明の分かりやすさに定評のあるテキストですが、なるほど、予備校本や予備校のヘタな講義よりもずっと分かりやすいです。少し前のことです。予備校の入門講座を受講した上で未修に入学した(いわゆる仮面未修の)友人が、同じクラスの純粋未修の学生に「3ヶ月で民訴を抜かれた」と焦
ちょうど1年前に書いたロースクール進学のリスクの続編です。明治学院大学法科大学院に続き、駿河台大学法科大学院の廃校が決まったそうです。姫路獨協とか大宮のときはほとんど何とも思わなかったのですが、これで都内のローが2つも潰れるということで、やはり時代を感じます。おそらく、ロースクール廃校の流れはまだ終わらないのでしょう。都内でも、どんなに少なくともあと数校は潰れる運命にあるはずです。現在は、ロースクール制度発足期につづく、司法試験制度第二の改変期(の始まり)なんだと思います
高校時代の話です。桜蔭に通っていた知り合いの女の子がいました。彼女とは、3年生のとき友人を通してある図書館の自習室で知り合いました。今日は、その桜蔭の彼女がやっていた「スピードぐるぐる勉強法」(←苦し紛れにネーミング)について書いてみたいと思います。彼女は優秀な桜蔭生の中でも極めて学力が高く、毎回の模試で志望校欄に「東大文Ⅰ」と書き、そして毎回のようにA判定を獲得していました(A判定以外取ったことがないと言っていたような・・・)。私は、いまと違い当時は人間の地頭(=先天
今回は、論文の処理手順(方法論)がどのように進化してきたのかを辿ります。ちなみに、論文の方法論には、①思考過程をパターン化したものと、②答案構造をパターン化したものがあります。以下、いちいち指摘はしませんがご了承ください。【方法論前史】司法試験の歴史で、論文の処理手順の必要性が受験生の間に広く自覚されるようになったのは、せいぜいこの十数年くらいの話です。それまでは、いわゆる「論証パターン」が幅を利かせていました。実際の採点基準が論点中心だったかどうかはともかく
伊藤真が選んだ短答式一問一答1000憲法/法学書院¥2,940Amazon.co.jp通称「マコ短」。伊藤塾の肢別問題集です。辰已の肢別本やWセミナーの考える肢と違って、司法試験過去問の肢別集ではありません。あくまでも予備校作成の新作問題の肢別問題集です。肢別本などとの比較でいうと、肢の数が予め「1000」と決まっている点が第一の特徴です。(民法だけは2分冊で2000肢あります)本試験問題が毎年増え続けていくために、年を追うごとに太っていかざるを得ない肢別本
先日、現代文とロー入試小論文が苦手という方からご質問をいただきました。最初、コメントに返信するつもりで書いていたのですが、無暗に長くなってきてしまったので(汗)、別途エントリーを立てることにしました。【現代文対策】まず、ロー入試小論文は、半分以上現代文の問題といえます。論述云々以前に、問題文を読む段階で勝負の大半がついてしまう、日本語の読解試験です。したがって、もし基礎的なレベルから対策をしようと思えば、大学受験の現代文の参考書や日本語の論理そのものを鍛えることを目的と
【コメント欄廃止のお知らせ】突然のお知らせで申し訳ありません。最近、無用なコメントが増えてきて、承認・不承認の振り分けの手間が面倒になってきました。特に昨日は、私の対処能力を超える量のコメントが書き込まれ、その大半が論拠を一文字も書かず不快感だけを表明するといった内容で、いい加減、管理人の許容限度を超えてきました。そこで、今後、コメント欄は廃止することにします。【過去のコメントについて】新たなコメントを付けられないように設定すると、過去のコメントも見られなくな
通称「類型別」。ロースクールでテキスト指定されることが多い本です。一般の書店では販売されていません。独習用のテキストではありません。まずは問研から入って、本書は最終的なまとめ教材として使用するのが普通です。要件事実論にかんしては、本書のマスターが、ミニマムではなくMAXだと思います。実務重視という掛声の中、ロースクールでは要件事実オタクみたいな受験生が一部にいます。それに合わせるかのように、書店には要件事実関係の書籍が氾濫しています。しかし、一部の受
★このブログは、2011年7月から2012年12月まで本体部分が書かれ、その後、約11年にわたり断続的に加筆・修正を行ってきましたが、2023年12月をもって完全に終了しました。(2024年1月1日)********************ブログのおすすめエントリーを、50個選んで貼り付けておきます。・勉強法関係・司法試験・ロースクール関係・予備校関係・その他以上の4つのカテゴリーに分類しました。タイトルの文字を大きくしているエントリーは、おすすめのものです
TAC(Wセミナー)の司法試験部門の看板講師です。【白羽広】①条文を重視する姿勢は素晴らしいです。条文解説講座は全ての受験生におすすめしたいです。②論文の書き方をはじめとして、方法論の解説がきちんとできる数少ない講師です。答練の解説講義(論文の書き方の解説)には定評があります。本来は、こういった受験生の真の需要(=実質的需要)に応える能力を持った、受験界でも数少ない優れた講師だと思います。※①②③のような特徴が全面に出ている状態を「白羽広」と呼んでおきたいです。
新司法試験論文えんしゅう本〈1〉公法系憲法/辰已法律研究所¥2,205Amazon.co.jp受験界では比較的人気のある問題集です。主要7科目に加え、一部選択科目も出版されているので、8法全部を本書で統一することも可能です。内容は、短めの事例問題が中心です。一部過去問も収録されています。【良い点】①解答例が比較的短くて実践的。②一問一問の事例が短いので、初学者レベルから気軽に使用可能。③問題数が1科目数十問レベル(民法でも100問ちょっと)と、潰すにはちょうどいい分
海馬に必要だと認めてもらうには、できるだけ情熱を込めて、ひたすら誠実に何度も何度も繰り返し繰り返し、情報を送り続けるしかないのです。そうすると海馬は、「そんなにしつこくやって来るのだから必要な情報に違いない」と勘違いして、ついに大脳皮質にそれを送り込むのです。古来、「学習とは何か」に対して、「学習とは繰り返しである」と言われてきたのは、脳科学の立場からもまったくその通りだと言えます。池谷裕二『最新脳科学が教える高校生の勉強法』われわれは、日常言語を用いるとき、基礎
本日は、司法試験の受験予備校で用いられている入門テキストの話をします。現在、4大予備校が用いている入門講座用のテキストは以下の通りです。①伊藤塾⇒入門講義テキスト②LEC⇒セブンサミット③Wセミナー(TAC)⇒デバイスネオ④辰已⇒入門テキスト(名称よく知りません・・・)名称はどうでもいいのですが、全てのテキストに共通の特徴は、とにかく無駄に分厚いことです。民法などの大部な科目では、1000ページ前後になると思います。こういった、テキストというより辞書といったほうがいい
このブログの頻出概念である「潰す」という言葉の意味について、何人かの方からご質問を受けました。これについては、以前、コメントの返信という形で以下のように書いたことがあります。①単に頭で「覚えている」以上の、使えるレベル②頭で理解している以上の、体で体得しているレベル③100回解いても100回間違えないレベル④特定の問題の処理について質問されたとき、考えて答えるのではなく、脊髄反射的に口が勝手に答え始めるところまで内在化されているレベル要は、40度の熱で朦朧とした意識の中で寝込んでいる
刑事訴訟法1(伊藤塾試験対策問題集:論文)/弘文堂¥3,360Amazon.co.jp通称「シケタイ問題集」。伊藤塾の過去の答練問題を集めた新作問題集です。現時点では5科目しか出版されていませんが、じきに全科目揃うでしょう。【良い点】①大部分の問題が平成旧司程度の問題文の長さがある事例問題で占められています。えんしゅう本や120選の一部にあるような、事例が簡素すぎる問題は非常に少ないです。②答案の出来が良いです。解答例に加え優秀答案も掲載されています。(
昨日のエントリー(短文問題・中文問題・長文問題)の続きです。昨日は、問題文の長さという観点から、司法試験系の問題を下記の5つに分類しました。①一行問題②短文問題⇒旧司(昭和)、えんしゅう本、120選など--------境界線-----------③中文問題⇒旧司(平成)、予備試験、ロー入試など(=旧司型)④長文問題⇒司法試験、演習書など(=新司型)⑤超長文問題⇒2回試験などその上で、司法試験系の問題群の決定的な境界線は、②と③との間に引かれ
司法試験講師のランキングをしてみました。インプット部門・アウトプット部門、それぞれ10点満点です。友人3名と私の計4名(受験生2名・新司合格者弁護士2名)で意見を出し合って評価を調整しました。どの講師を受講するか迷われている人がいたら参考にしてください。なお、個々の講師の評価自体は真面目にやっているつもりですが、所詮は忘年会の余興です。あまり真に受けて怒ったりするのはやめてください。■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■【インプット部門】呉(伊藤塾)
ブログを始めてから1年半、途中中断した時期を除けば、実働期間は1年くらいでしたが、実質的な更新は今日で最後です。なお、このブログ自体は、今後も(Amebaが置いてくれる間は)消さずに残しておきます。これから先も、新しい教材が次々と出版されていくと思います。長い目で見れば、試験傾向はもちろん、制度自体も変わっていくことになるでしょう。ブログで書いた内容の多くは、十年も経てばそれなりに古くなっているだろうと思います。そこで、十年後にこのブログを読む受験生に対して、いくつかメッセージを残
新趣旨・規範ハンドブック〈1〉公法系/辰已法律研究所¥2,835Amazon.co.jp公法系・民事系・刑事系(全7科目)の3分冊テキストです。(※一部選択科目も出版されています)重要論点の論証(規範)が網羅的に掲載されています。必要最低限の形ではありますが、サブノート的な整理もされていて便利です。つまり、論証集でもあり、論文用のサブノート(まとめノート)でもある教材です。論証の出来ですが、類書の中では最もコンパクトで実践的だと思います。本書を学ぶことで、受験界で通
今回は、これから司法試験の門をくぐる初心者の方のために、どうでもいい概念の整理をしてみます。いずれもこのブログでよく使う言葉です。こうして実際に整理してみると、司法試験の世界では基本書という概念が滅茶苦茶多義的に用いられていることが分かります。★基本書①受験生がインプット学習において基本とするテキストのこと【メインテキストとしての基本書】②(予備校本との区別を目的として)学者の書いた学術書のこと【学術書としての基本書】③(②の中から特に区別して)体系的に記述された学術
伊藤塾の若手講師です。なんでも旧司に論文1番で合格された方だそうで、その実力の通り、たとえば辰已の素人っぽい新司合格者講師と比べると、インプット講義の端々に単なる分かりやすさ以上の実力が垣間見えます。話すスピードが超絶速いです。早口の講師が多い伊藤塾の中でも、一番の速さではないかと思われます。憲民刑集中講義は超おすすめです。上級者のまとめ用講座としても、ロー未修者の補習講座としても、幅広く使えると思います。