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JamesSetouchi2025.12.13大江健三郎『キルプの軍団』1987~88大江健三郎全小説11講談社2019年(岩波『へるめす』に1987~88に連載したものに追加して完結。単行本は1988年。)1大江健三郎1935(昭和10)~2023(令和5)ノーベル文学賞作家。愛媛県喜多郡大瀬村(現内子町)に生まれる。内子高校から松山東高校に転校、伊丹十三と出会う。東大仏文科で渡辺一夫に学ぶ。在学中『死者の奢り』で東大五月祭賞。23歳で『飼育』で芥川賞。『個人的な体
ブラッド・アンダーソン監督によるスペイン・アメリカのスリラー映画。出演はクリスチャン・ベール、ジェニファ・ジェイソン・リー、アイタナ・サンチェス=ギヨン。<あらすじ>工場で働くトレバー・レズニックは、1年間コーヒー以外を口にせず、痩せ細った体形をしていた。ドストエフスキーを愛読し、床のタイルを磨くことだけが彼の日課だった。それでも彼は、雑談もするし、娼婦を買うこともある。痩せていること以外、普通の人間だと思われていた。ある日のこと、溶接工のアイバンに気を盗られた彼は、機械操
JamesSetouchi2025.7.17追加ドストエフスキー『罪と罰』各種文庫に翻訳がある。ФёдорМиха́йловичДостое́вский〝ПРЕСТУПЛЕНИЕиНАКАЗАНИЕ〟[1]ドストエフスキー年譜1821(0歳)帝政ロシア時代の地主の家に次男として生まれる。1834(13歳)モスクワのチェルマーク寄宿学校に学ぶ。1837(16歳)母マリヤ、結核で死去。ペテルブルグの寄宿学校に学ぶ。1838(17歳)中央工兵
JamesSetouchi2025.11.14ドストエフスキー『白痴』新潮文庫木村浩・訳上下二巻(昭和45年)ФёдорМиха́йловичДостое́вский“ИДИОТ”1作者ドストエフスキー1821~188119世紀ロシア文学を代表する世界的巨匠。父はモスクワの慈善病院の医師。1846年の処女作『貧しき人びと』が絶賛を受けるが、’48年、空想的社会主義に関係して逮捕され、シベリアに流刑。この時持病の癲癇が悪化した。出獄すると『死の家の記録』等
橘玲氏の新作小説「HACK」を読みました。普段は図書館で本借りがちな私ですが、今回は新作で大好きな作家さんなので購入しました!分厚い本ですが一気に読めました。面白いので途中で止めるのはなかなか難しいかもです。この本は暗号資産をめぐる国際的なマネーロンダリングと諜報戦を描いた、11年ぶりの書き下ろし長編です。✸✸✸✸✸✸✸✸✸✸✸✸✸✸📘『HACK』の概要物語の舞台は2024年秋のバンコク。主人公:暗号資産で得た利益の課税を逃れるためバンコクで暮らす30歳の日本人ハッカー樹生
こんにちは!先日リリースされました、GRAPEVINEの新作アルバム『あのみちから遠くはなれて』通称、"アミーチー"。今作も聴けば聴くほどに虜になる、名曲揃いの作品でした。今回は作品に対して自分なりの感想、解説を綴っていこうと思います!1.どあほうシンセの爽やかな音色がギターと絡み合う80年代を彷彿とさせるキラキラしたポップナンバー。「ドリフト160(改)」や「KOL(キックアウトラヴァー)」的な疾走感もあり、気持ちよくアルバムの開幕を告げる一曲目です。2.天使ちゃん先行
季節が秋から冬へと傾き始める頃、私はいつも決まって本を読みたくなる。理由ははっきりしない。ただ、冷たい風が吹きはじめ、空気が鋭く澄みわたると、文字が自分の中にまっすぐ届いてくるような気がするのだ。夏のように光が強すぎる季節では、言葉がどこか眩しさに負けてしまう。だが、冬の手前の薄曇りの空の下では、言葉が静かに、しかし確実に内側へ沈んでいく。街路樹が葉を落とし、枝だけになっていくのを見ると、まるで世界が余計な装飾を取り除き、本質だけを残そうとしているよ