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JamesSetouchi2025.4.7室生犀星『聖処女』美少女はどうなってしまうのか1室生犀星(むろうさいせい)(1889~1962)集英社日本文学全集の奥野健男の解説・小田切進の年譜などによれば、犀星は明治22年金沢に生まれた。実父は武士の子孫。実母はその家の女中。父の世間体を守るため、犀星は生まれてすぐ近所の寺の住職とその内縁の妻の養子に出された。この養母は、私生児を貰ってきて養育し金に換える(女子は娼婦として売り、男子は働かせる)内職をする女で、子
以下、ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟1』(亀山郁夫:訳、光文社古典新訳文庫、2006年)から引用です。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー第1部第1編ある家族の物語4三男アリョーシャp.61[フョードル]「[略]鉤がなかったら、いったいだれがこのおれを鉤で引っかけて、地獄へ連れてってくれる?おれを地獄へ連れてかないなんて、とんでもない話じゃないか、だとしたら、いったいどこに真理がある?Ilfaudraitlesinventer(ぜひとも鉤を
AWriter'sDiaryVolume1:1873-1876(EnglishEdition)Amazon(アマゾン)まだ本棚に未読のまま鎮座している作品はいくつかある。とはいえ、その多くはなかなか手を出せない代物だ。代表的なものは、henryjamesの「Ambassadors」やnabokovの「Gift」だ。その理由は英語の問題だろう。書かれている英語が一筋縄ではいかない代物なのだ。さて、どうしようか。と思って、本棚で見つけたのが、またまたロシア本。そ
JamesSetouchi2025.3.5石坂洋次郎『海を見に行く』学生結婚をした青春1石坂洋次郎1900(明治33)~1986(昭和61)。青森県弘前市生まれ。父は古物商。母親が行商をいて得た資金で洋次郎は高等教育を受けた。弘前中、一浪の後慶応大文学部(予科、本科)に学ぶ。卒論は『平家物語』。在学中に同郷の女性と結婚。大正14年『海を見に行く』。弘前高女、秋田県立横手高女、横手中学校などに教師として14年間勤務。教師をしながら説小説を書く。多く『三田文学』に発表。『若い
p>この画像の主人公の顔は小説にあるとおり、貴族的な高貴さと農奴の野卑さが半々に混じっているように思える。やっとの思いでドストエフスキーの『未成年』を読了しました。一応、これでドストエフスキーの大きな傑作と言われている五つの作品は読了したことになります。(『罪と罰』『白痴』『悪霊』『カラマーゾフの兄弟』そして、本作品である『未成年』)この『未成年』ですが、ロシア文学は登場人物の名前の語尾が男と女では変わってきたりするんでなかなか読みにくい、と言われているんですが
JamesSetouchi2025.11.14ドストエフスキー『白痴』新潮文庫木村浩・訳上下二巻(昭和45年)ФёдорМиха́йловичДостое́вский“ИДИОТ”1作者ドストエフスキー1821~188119世紀ロシア文学を代表する世界的巨匠。父はモスクワの慈善病院の医師。1846年の処女作『貧しき人びと』が絶賛を受けるが、’48年、空想的社会主義に関係して逮捕され、シベリアに流刑。この時持病の癲癇が悪化した。出獄すると『死の家の記録』等
黒澤明監督脚本・久坂栄二郎黒澤明撮影・生方敏夫音楽・早坂文雄原作は19世紀のロシアを舞台としたドストエフスキーの小説「白痴」。本作では昭和20年代の札幌に舞台を置き換えている。あらすじ、凄ーくざっくり。亀田欽司(森雅之)と赤間伝吉(三船敏郎)は札幌へ帰る青函連絡船の中で出会った。亀田は沖縄で戦犯として処刑される直前に人違いと判明して釈放されたがそのショックで癲癇性白痴になってしまった。そして赤間は笑いというものを何