ブログ記事2,636件
天井を仰ぐチェギョンは胸が軋み、切り刻まれた様な痛みが襲っていた。紛れもなく今我が身が存在するのは、久方ぶりの【妃宮の部屋】。宮家に嫁し、東宮妃として此処に迎えられたばかりのあの頃と寸分変わりはなかった。だが、今は随分と変わって見える。ここだけでなく、目に映る全てが何処か違って見え心許ない気持ちを味わう。『他人の部屋みたいだわ…』呟くとチェギョンは孤独感を払拭するように臍より僅かに下った部分にそっと手を当て、ホッと一息の深呼吸で精神の安定を図った。シンは新婚らしい夫婦の睦みも味わう前に
得体の知れない不安におそわれたままのチェギョンは今しがた去っていった青年ヨナを思っていた。『他人じゃない…』単に弟に似ているだけではない。。夫シンが嫉妬心に苛まれる程、チェギョンの中でヨナという青年にはどこか近しい感覚を覚えていた。しかし、去り行く真際にチェギョンに接近した事で、チェギョンは全くあり得ない事に気付いてしまった。『そう…だってシン君に似てるのよ…似てる訳ないけど…でも似てる…』不可解で霧の峠を歩んでいるように不思議な感覚である。雲の中にいるようで、それでいて意識はハッキ
友人達はそれぞれに昔語りを始める。春の庭は開放され時折冷たい風が邸内を駆け巡る。『あのさ、妃宮様。。』『ファン君?』『あー、、えっと…こないだシンに電話かけさせたの俺。最近発掘した新人女優…まぁけど…ごめんな。知らなくて。そんな事になってるとは…ただ本当にアイツ…シンが元気なかったのは気になったからさ。』非礼を詫びに来たシンの友人にチェギョンは微笑んだ。『…私が居なくても。シン君には大事な友達もいるし。大丈夫かと思ってた』『なになに?シンの話?』ギョンとインもやって来る。『そう
チェギョンは震える体をぎゅっと抱きしめた。ここから逃げ出すことが出来たら、どんなにかいいだろう。結婚式の日の夜もそうだった。でも、あの時のほうが実際は良かったのかもしれない。夫のことを何も知らなかったから。この1か月でチェギョンはシンのことを沢山知った。今まで兄のユルの陰に隠れていたシンが、実はジャックに負けず劣らず賢い王太子であると分かった。本当の彼は、ユルより数段優秀なのではないだろういか。ユルがどこか人を見下したような態度をそこはかとなく漂わせていたのに比べて、シンはどこまでも
宮にはすっかり静けさが戻っていた。春の祝宴会は追放から帰還した妃宮の為の催しであり、誰もがその突然の帰還に納得し祝福した。その一日を緊張で過ごしたチェギョンには疲労の表情が現れていたが数日経っても体調は優れぬままだった。シンは事を性急に動かした事に後悔の念が走る。一刻も早く妃宮の帰還を人々に認めて欲しかった。祝宴の後の晩餐会は殆どが仲間内での集まりであった。チェギョンの弟はシンの友人ファンと意気投合し、ガンヒョンは相変わらず冷たくギョンを遇らうが其処には一方通行ではない何かがあった。ヒ
ささやかな目映い光が部屋の中央まで射し込んでいる。東宮の朝は以前と同じ女官や尚宮、内官が集まり賑わいを見せていた。女官の一人が不安気な面持ちで内官へ駆け寄る。『申し上げます。』『ん?何かありましたか?』『はい…実は…』話し始めた女官を差し置き、昨夜を思い出す内官。『殿下は昨夜雨に濡れた様子であったな…風邪など召されてないといいが……。チェ尚宮、念の為お二人に薬湯を用意しておいた方が良いかも知れぬ…』チェギョンの準備に忙しい尚宮を呼び止めた。『はい。コン内官。すぐに準備させます
宮は薄暗い雲に包囲されているようだった。現に後日ある一定の時間、宮の上空の雲が渦を巻いていたと世間を騒がせた。チェギョンはシンや慌ただしく消えたヨナを思い不安を覚えていた。『お前はここにいろですって。。。何よ…ヨナは私の友人よ!』意を決すると立ち上がる。シンはヨンジンなる青年に対峙していた。コン内官も然り。『君は何処からきたんだ?』『どこから…って…まぁマカオに住む前はこの辺りだけど』『先程、姉上からの連絡で分かったことだが、防犯カメラを解析した。この東宮殿へは正門からの訪問では
不二家のお菓子を購入しました今回、買ったのはこちら「カントリーマアムシン・チビじわーるバター」税込151円実売価格・税込151円2024年4月6日購入↑セブン-イレブンのホームページに情報が掲載されていて…近所のセブンで購入しました裏面43g入りで1袋当たり209kcal、秦野工場の製造です〝じわーるくん〟の散歩についてきてしまった〝チビじわーる〟も進化して〝真〟の姿になってしまったらしい…開封するとバターのいい香り、8個入っていました小さくてもしっかりとホ
++++「ダメだ」「どうして?」「ルイを裏切ることはできない」「あなたとルイは兄弟よ。構わないわ」「ヒョリン…君の狙いはそれだったのか…?」++++「シン、見て」色とりどりの花を腕一杯に抱えて、幸せそうな笑みを浮かべたチェギョンが部屋へ入ってきた。シンは頭を軽く振り物思いを追いやると、妻の姿を目をすがめて見つめた。「…さながら、春の花の精か、あるいは花のプリンセスというところか」小さく呟くと、妻の腕から零れ落ちそうになっている花に手を伸ばそうと、彼女に近づいた。「さっき、
政治家達もヒョン議員のおかげで抑えることができ、少し気が緩んでいた。次はあのヒョン・ジファン氏がいる財界人のグループに顔を出すのかと思うと、シンは柄にもなく緊張していた。そんなシンの様子を見てとったチェギョンは、何か飲み物をと思い、サーブをしている内人から、シャンパンを受け取りシンに渡す。緊張から喉の乾いていたシンは一気に飲み干した。それを見たチェギョンは、お腹に何か入れた方がいいと食べ物が並んでいるテーブルに移動する。シンの好き嫌いを考慮しながら、一口で食べやすそうなオードブルを選ん
季節は移る。宮殿内を吹き抜ける風は暑さを和らげていく。かつて顔を合わせば良くない感情を互いに向け合っていた幼い皇太子夫妻は今はなく、紆余曲折の後徐々に溶け合い、今では側近達が困惑するほどの熱愛ぶりである。公務の合間を縫っては妊娠中の妻の様子を見に東宮に戻る。愛妻家の夫となったシンを内官は感慨に浸り見ていた。2人の住む洋風の建物は王朝文化からはかけ離れてはいるもののこの宮廷に新しい風を運んだ新婚夫婦らしいものだと内官は返り見ると1人頷いた。『コン内官…』硬い表情で公務を終えたシンが内官に
※バナナフィッシュ19話感想です、原作読了済ゆえ最終回以外はネタバレが入る事もあるのでご注意を。アニメでカットされてる部分も原作を交えて進行して書いてます。後半に差し掛かりカットされた所が多くなってきたのでいかにもアニメであったかのように原作織り交ぜて行きます(笑)アッシュを乗せたディノの車が走り出すと、ディノとの契約が終わったブランカに自分と契約してくれないかと話を持ちかける月龍の申し出を断るブランカ。引退した身である自分が今回の件を引き受けたのは特殊なケースでそれほど殺した
『改めまして本日は、この様な茶会に招いて頂き、ありがとうございます。妻、チェギョンです。この様な登場に皆様は大変驚かれたと思いますが、次代のこの国を担う子を授かり体調優れぬ中、私が一人にならぬ様に皆様に認めてもらいたい一心で参じた様です。これからも皆様の一員として宜しくお願いいたします。』シンはチェギョンを呼び寄せると、並び立つ。先程の厳しい表情とは打って変わって参加している人々が驚くほど柔らかな表情を見せた。『皆様。紹介いただきましたチェギョンです。民間から嫁ぎ、躾も乏しくそぐわぬ私を長い
【宮】の迎賓館の大広間に続々と招待客が集まり始める。シン家とヒョン家は連れ立って参加していた。もうお互いの関係を隠すこともなくなり、スンレとスンミは、10年以上振りに、お揃いの髪型と化粧をし、ドレスも色違いの物を身に纏い、双子であることを楽しんでいるようだった。そんな姿の記憶がないチェジュンは驚き、ジノンは久しぶりに見ることができて、嬉しそうだった。もちろん、ナムギルとジファンは目尻が下がりっぱなしであることは、言うまでもない。今回は招待客が多く、立食パーティーだったので、王族は王族で、
宮廷内の庭を解放した春の祝宴会は宴もたけなわ。簡易の記者会見が終わると和やかな宴会に変わり国の要人達はシンとチェギョン夫妻に挨拶をと列が出来た。誰が見ても火を見るより明らかな歓待ぶりである。記者たちも誰が何番目に挨拶したと事細かに筆記していた。かつては孝烈皇太子の友人としてファヨンに手を貸していた記者もいた。皇室の信用を失墜させる事に加担した記者は国外へ逃亡を図る直前にシンに呼び出された。記者としての業界の信頼を無にし立場を追い、この国で一切の仕事が出来ないようにする事は造作もないが報
表紙はレイのように見えますがシンですね(笑)つーわけでケンvsシン。なぜにここまで立場が逆転したのかはよく分かりません。まぁそもそも北斗神拳伝承者がシンごときに不覚をとった事がおかしいんだよなぁ…とはいえシンの攻撃で胸を切り裂かれたケンシロウ。吐き出すなら舐めなきゃいいのに(笑)さてこの戦いの最中、背後からシンの配下が襲いかかりますが…この後ケンシロウはあっさりとカーネルに背後を取られます(笑)しかしここでシンが暴挙に出ます。まぁぶっちゃけこのユリアは人形なんですが、胸を貫くと目を
チェギョンは改めて皇帝陛下である義姉、へミョンに呼ばれ、彼女の自室にいた。皇太子のスキャンダル、妃宮と義従兄ユルとの噂、皇太子夫妻の不仲説が王室を揺るがし、廃位、廃妃問題が勃発した。義誠大君との権力争いから宮廷内での放火事件まで起き、それを収める為にチェギョンは国を出た。皇太子妃の不在の間、さぞ王室は無事に平静を取り戻しただろうと想像していた。しかし、へミョンによれば、世論の反感緩和は一筋縄ではいかなかったらしい。『考えが甘かったみたいね…貴方を国から追い出せば反省したと国民は皇室を許すだ
「チェギョン、行こう」「う、うん…。あの、ゼイン、またね」シンは妻の肩を抱き会員制のカフェテラスを出た。ゼインがチェギョンを見つめていることは知っている。そしてシンの背中には、鋭く憎しみさえ感じられる視線を向けていることも。妻の肩を強く握った。「シン君…?どうしてそんなに怖い顔をしているの?」チェギョンが心配そうに顔を覗きこんできた。普段のシンならゆったりとした笑みで妻を安心させるところだ。けれどもゼインの挑戦的な視線が忘れられない。チェギョンには自分という夫がいるのだ。何を今さら自分
今更ですが…私の中では韓ドラ語るうえでこれは外せないなぁあと前々から思っていたので、思い切って書き始めました。韓国ドラマ「宮(クン)~Loveinpalace~」韓流ドラマを好きな方にとってはホントに今更って感じですね。たぶん韓ドラのラブコメ部門では「冬ソナ」並みの知名度です。何しろ、2006年のドラマですから、今からかれこれ10年以上も前のドラマ。台湾版のイタキスと同じぐらい前ですね。でも、シーンのほとんどが宮中の様子なので、服装などは時代背景あまり感じない感じになってるかな?
無事に7年とちょっと越しのその後物語を書き終える事ができ、非常にスッキリした気持ちです。思えば、宮を見終えてからが始まりでした。2周、3周する内に、続きが見たいと願うようになりました。その後物語はラストだけが頭に浮かんでいてそこに向かって書き出したわけです。最終的な終着はここに。。それだけを念頭に書き始めておいて気付けばあちこちのドラマにうつつを抜かし、寄り道しまくりでなかなか進めなくなり、そうこうしている内に内容を忘れてしまったという救いようがないパボな私が悪い訳ですが…今思えば必
『結婚しないか』ある日の午後、無人の教室の片隅で彼女に告げた。ヒョリンは瞳を丸くして、それでも冷静に答えた。『私達はまだ学生よ?』確かに彼女の言う通り、現実的に無理がある。皇族の結婚は早く黙っていれば勝手に妃を決められる。宮家の言いなりになり知らない女と結婚するのは癪に触る。皇太子という特殊な立場故に一般的な常識が皆無かまたは欠如した思考に陥りやすかった。『結婚』の発言自体、皇太子として生きてきたシンにして余りに突発的である。ヒョリンからすれば驚いて当然の申し出だった。厳しいしきた
シンの滞在するホテルの一室。一際重厚な扉の前には物々しい雰囲気で護衛官・イギサが立つ。チェギョンにも本国では三名の女性イギサが付く。タイへの公務中のシンを訪ねたユルはかつて皇太子だった。僅か5歳の頃まで皇太子として景福宮で暮らした。父・孝烈皇太子が急逝したため第二皇位継承権の叔父が帝位に就くと皇太子の位は従兄弟であるシンへと移行した。そして、母ファヨンと共に宮廷を追われた。それさえ無ければチェギョンの許嫁は本来、義誠君と呼ばれたユルであった。そんな昔に思いを馳せながらシンは口を開いた
邢菲シン・フェイ【2020/05/31UP】※2023/09/19ドラマ追記邢菲(XingFei)シン・フェイ国:中国生年月日:October1,1994年齢:28(2022.10.01現在)まだ観れていない『あったかいロマンス』。なんでDATVだったのさぁ。。。どう頑張ってもスカパープレミアムは対応してない家だから、DVDレンタル待ちです。ワタシが観た&観たい彼女の出演ドラマ恶魔少爷别吻我第一季(MasterDevilDoNotKissMe/
ネタバレOKの方のみ、お進みください■トッケビ3話<三神ハルモニ(老婆Ver.)の声>生死をさまようことがあったら、必死で祈るんだよ。借金取りの男たちの車の行く手、街灯がひとつずつ消えていき、まっくらになる。立ち込めた霧と光の中に、その姿を浮かび上がらせながら、こちらに向かってくるシンと死神。来てくれた!発進した車が、真ん中で左右に分断。石川五右衛門の斬鉄剣で真っ二つにされた車のイメージでお願いします。彼らを載せた左側だけがゆっくり進んでいき、ウ
日の落ちた東宮殿は女官や内官が慌ただしく行き交う。『いたか?』厳しい口調で女官の一人を呼び止め、女官は思わず肩を竦めた。『いえ…殿下申し訳ありません…』女官は深々と頭を下げる。『……』自室を右往左往し、更に思いついた様に突然チェギョンの部屋へ向かうシン。大きな音を立て扉を開く『…何処に行った!』シンは立ち止まるとチェギョンのベッドへ腰を下ろす。天井、カーテン、部屋の様子を見渡すと溜息を漏らした。彼女が帰還した途端に色彩を取り戻した妃宮の部屋に改めて妻の存在感を知る。『…チ
突然夫に抱きしめられ、チェギョンは息をのんだ。でもシンの抱擁はとても温かく、そして大きかった。チェギョンの深く閉ざした心の中までシンの優しさが染み込んでくるようだ。どうしてだろうか。憎んでいると言ってもいいほどの相手なのに。「泣かないで」シンの大きな指がチェギョンの下瞼を撫でてきた。その指もとても温かい。「チェギョン…」夫に言われてチェギョンは自分が泣いていることに初めて気づいた。我に返った彼女は、彼の腕の中からするりと抜け出した。「殿下、失礼します」目を伏せたまま足早に部屋を横切
「シーンっ」若き王太子は自分の名を呼ぶ声がして、振り返った。白い宮殿の壁しか見ない。「シンったら、ここよ」顔を見なくとも彼にはわかった。王太子である自分を『シン』と呼ぶ女性は、この世でただ一人だけ―――彼の愛しい妻―――なのだから。王太子は手をかざして顔を上げた。彼の目に飛び込んできたのは、3階の窓から身を乗り出して自分へ手を振る妻のチェギョン妃だった。「チェギョン!危ないぞ」「大丈夫よ」―――何が大丈夫なもんか。こちらの気も知らないで。気が付くと彼は走り出していた。「シン?」
―――これで良かったの…?閉められた窓の外から聞こえる歓声のざわめきを感じながら、チェギョンはその小さな胸にもう何千回と問いかけた事柄を、再び取り出し、繰り返した。例え、答えが『NO』だとしても、引き戻すことなど不可能だと彼女には分かっていたけれども。「用意はできたかな?」男らしい声が聞こえ、チェギョンは振り返った。チェギョンが考えていたよりずっと近くに、シン王子が花婿らしい黒と白の完璧な装いで立っていた。「ええ、殿下」長く豊かな睫毛が、チェギョンの美しい薄茶色の瞳を覆い隠してしま
『昼寝』をしようと、確かに彼女はそう言った。しかし、その言葉の通りになるとは思ってもみなかった。シンは二人の大きなベッドでぐっすりと眠り込んでいるチェギョンの愛らしい顔を上から見下ろした。二人でベッドに潜り込み、妻の耳元でいつものように甘く囁きながら、1枚ずつその衣を脱がせる楽しみを味わっていたら、チェギョンの息が上がるどころか、深く胸が上下してることに気づいた。「まさか…?」妻の顔を見ると、小さく口をあけてスヤスヤと眠っているではないか。今日の仕事は彼女にとって、とても緊張を強いられ
さて昔の漫画考察を改めてやり直すこのきよの漫画考察日記「改訂版」シリーズ、うしおととら→キン肉マン→魁!男塾ときてこの作品にも着手します。北斗の拳!80年代を代表する作品であり、漫画殿堂入りは間違いない大名作です。俺が小学生の頃はキン肉マン、聖闘士星矢、そしてこの北斗の拳がアニメの三本柱でしたからね。はっきり言って今の30台後半から40台のおっさん達の人格構成に大きく寄与してる名作中の名作です。さて考察を始める前に…テンションを上げておきましょう。これでテンション上がらない男はいません。