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BLUENOTEの最初期のステレオ盤はモノラル盤の売れ行きを見て、目ぼしいものだけを発売していましたが、後にパターン化する楽器配置も最初期は一枚一枚にRVGの試行錯誤の跡が窺えます。ステレオ盤の発売順です。(1959年5月)①SOMETHIN’ELSE②ARTBLAKEY&J.M(MOANIN’)③FINGERPOPPIN’(1959年6月)④BLUESWALK(1959年7月)⑤PLAYSPRETTYJUSTFORYOU1959年8月⑥O
BLUELIGHTSVOL.1/KENNYBURRELL(BLUENOTE1596)PRESTIGEには、この手のオールスター・セッションが、たくさんありますが、BLUENOTEにはJONNEYGRIFFIN、COLTRANE、MOBLEYによる、まさに『ABLOWINGSESSION』(BLUENOTE1559)というタイトルのアルバムがありますが、それとJIMMYSMITHの何枚かを除けば、思い浮かびません。良く言えば、それだけキチンとした作品を作り上げてい
ROCKに比べオリジナル盤判定が、なかなか進まないJAZZ。「レコード・コレクターズ」誌には「初盤道」なるコラムがあって、それこそ重箱の隅を楊枝で、ほじくるような細かなチェックをして、主にROCKのオリジナル盤を特定しています。ただ取上げている盤のほとんどが、私の全く興味の外のものばかりなのが残念です。もっとも、それが可能になっているのは、圧倒的な発行枚数とコレクターの年齢にあって、検証可能な枚数が少なく、高齢化の進んでいるJAZZの場合は無理なのも、やむを得ないのかもしれません。ダブ
WALTERBISHOPJR.とWALTERDAVISJR、同じピアニストで、活躍時期も重なっていて、しかも、両者ともJACKIEMcLEANやARTBLAKEYと共演があるため、なんともややこしいのです。今回はWALTERDAVISJR.の方を取上げます。DAVISCUP(BLUENOTE4018)WALTERBISHOPJRに『SPEAKLOW』という大名盤が、あるようにWALTERDAVISJ.Rにも『DAVISCUP』という人気盤があり
ドラマーの代表作を選出するのは難しい。リーダー作は自己顕示的な長いドラム・ソロが入っている等、純粋に一枚のジャズ・アルバムとして評価した時に首をかしげたくなるようなものが多く、かと言ってリズムを刻むだけの静粛な演奏に終始したものは「いったい、誰のアルバムなの?」と疑問符が付くからです。そのためドラマーの代表作はリーダー・アルバムではなくサイドマンとして参加しているアルバムに多いように思います。"PHILLY"JOEJONESにも、その傾向があります。SONNYCLARKTR
ステレオ録音に消極的だったBLUENOTEが最初に世に出したステレオ盤は『SOMETHIN’ELSE』『MOANIN‘/ARTBLAKEY&THEJAZZMESSENGERS』『FINGERPOPIN‘/HORACESILVER』の3枚で、1959年5月の発売です。(ちなみに『BLUESWALK/LOUDONALDSON』は翌6月、『BLUETRAIN/JOHNCOLTRANE』のステレオ盤は1960年6月の発売です)満を持して発売した最初の3枚には、
BLUENOTEの中核4000番台(4001~4099)は、ほぼRVGが録音・マスタリング(ラッカー・カッティング)を担当していますが、1枚だけ他者が録音(但しマスタリングはRVG)した変わり種が含まれています。THEGOLDENEIGHT/KENNYCLARKE-FRANCYBOLAND&CO,(BLUENOTE4092)裏ジャケ解説から一部切り抜き、録音はWOLFGANG、マスタリングがRVG。ご存知KENNYCLARKEとベルギーのピアニストFR
メンバーに、この人が入ると、曲そのものが途端に重苦しくなるトロンボーンのJULIANPRIESTER、リーダー・アルバムの紹介の前に彼を有名にしたアルバムから入りましょう。THELITTLEGIANT/JOHNNYGRIFFINSEXTET(RIVERSIDERLP12-304)SUNRAやMAXROACHグループに在籍していたJULIANPREISTERですが、世間一般に存在が知れ渡ったのはGRIFFINのこのアルバムです。漆黒のジャケットの影響もあり
拙ブログの紹介文に記載してあるように基本的にジャズは40年代最終晩から60年代まで、ロックは62年から73年(ベトナム戦争終結)くらいまでが守備範囲(もちろん例外はあります)のため範囲外の優れたレコードを聴き逃しているケースが多々あります。THEGENEVACONNECTION/JOHNNYGRIFFITH(GENEVAST-GE-101)MADABOUTRECORDSからの再発です。これは70年代中期に発売されていたのに全くその存在すら知らなかったレコードです。
長い間、第一線で活躍し、時代によって演奏スタイルを変化させたSTANGETZ。中では最もGETZらしく、他の追随を許さなかったのは、「北欧のGETZ」と呼ばれるストックホルムで録音されたセッションだと思います。STANGETZ&SWEDISHALLSTARS(ROOSTRLP404)…10インチLPレーベル・カラーがグリーンのものがオリジナル。ブルーはセカンド・プレス。但しグリーンはサーフェイス・ノイズが酷いもの多し、検盤だけでは判断難しく、試聴必須。T
夭折したベース奏者、DougWatkins。彼が活動した期間は10年に満たず、リーダー盤はたった2枚しかない。その2枚は内容が大きく異なっていて、どっちがDougWatkinsの本質に近いのか、戸惑ってしまう。WatkinsAtLarge1956年12月録音弦のしなりが見えるようなビビッドな音。Transitionレーベルの創始者・TomWilsonが重視したライブ感。素晴らしい出来のレコードで、DougWatkinsの傑作にして、Transitionレーベルの最高傑作
ピアニストのリーダー作を作る際には、最初がベースとドラムを従えたシンプルなトリオ構成だったら、2作目はサックスやギターを加える等、趣向を変え、ピアノトリオを続ける場合でもドラマーやベーシストを替えるのが普通です。ところがREDGARLANDは初リーダー作から3作目までリズム隊をPAULCHAMBERSとARTTAYLORに固定します。それだけ、このメンバーは息もピッタリだったのでしょう。AGARLANDOFRED(PRESTIGELP7064)MILESDAVI
バップ期から長い芸歴があるHOWARDMcGHEE、時代の変遷に微妙に立ち位置を替えながらハードバップ期を生き延び『RETURNOFHOWARDMcGHEE』『DUSTYBLUE』『MAGGIE'SBACKINTOWN』『NOBODYKNOWSYOUWHENYOU’REDOWNANDOUT』等の人気作を世に出しました。今回はあまり語られていない10インチ時代の作品に焦点を当てます。HOWARDMcGHEE(BLUENOTELP5012)
RUDYVANGELDERが録音・マスタリングしたレコードは、モノラル盤が生産されていた時期は、モノラル盤をモノラル専用カートリッジで聴いてこそ、RVG録音の本領が発揮されると思います。それでも、BLUENOTEのRVG録音・マスタリングのステレオ盤は、例えばRIVERSIDEのステレオ盤より、ずっと良いと思います。理由は楽器の配置が的確なこと。過去に拙ブログで批判したステレオ盤(例えばBLUEMITCHELLの『BLUE’SMOODS』やMONKの『UNDERGROUND』)は
今年の初聴きは、モダンジャズの王道にしました。MILESDAVIS、JOHNCOLTRANE、REDGARLAND、PAULCHAMBERS、PHILLYJOEJONESによるマラソン・セッション、“ING”四部作です。録音年月日は同じ(1956年5月11日、10月26日)でも、最初の『COOKIN'』のリリース(1957年7月)と最後の『STEAMIN’』のリリース(1961年7月)の間は、4年も空いていて、各アルバムのリリース時の状況についても触れてみました。併せてコレクター目線
数多くのジャズの名盤の録音を手掛けたルディ・ヴァン・ゲルダー(RVG)。録音だけでなくリマスタリングでも素晴らしい作品を残しています。今回はその辺りをちょっと・・・。でも、タイトルのような仰々しいものではなく、単なる聴き比べです。前回取上げたHANKMOBLEYが参加している『BYRD’SEYEVIEW』(TRANSITION4)にRVG刻印があり長年、本人がレコーディングを手掛けたと思い込んでいましたが、付属のブックレットを見たら、RVGは、リマスタリングでレコーディング・エンジニ
カクテル・ピアニストとは、高級クラブやレストラン、ホテルのラウンジで、会話を遮らない程度のソフトな演奏をするピアニストのことですが、少なくとも、モダンジャズの世界では褒め言葉としては使われていません。REDGARLANDに対しても、MILESQUINTET在籍時の演奏は称賛されても、自身のトリオ、特にPRESTIGEの後期のものは、「所詮はカクテル・ピアニスト」的に酷評されることも、しばしばでした。ガチガチに、スクウェアで、スピリチュアル・ジャズが、好きそうなジャズ・ファンには怒られそ
「定食屋でBGMにジャズが流れていました」という文章をよく見かけます。実際、私も安酒場、日本蕎麦屋等で同じような経験を何度もしています。BGMとして、最も多く流れていたものの一つがJOHNCOLTRANEの『BALLADS』でした。テナーサックスにしては高音の、優しい音色に心が和む冒頭の「SAYIT」、この曲は鮮明に覚えていますが、続けて「YOUDON’TKNOWWHATLOVEIS」が流れたかは定かではありません。場所柄、音楽に傾聴しているわけではないので・・・まぁ、BG