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不妊治療のブログでは、PGT-A(着床前診断)の情報はあふれていますが、出生前診断の情報は意外と少ないのが現状です。そこで、今日は、NIPTをはじめとする出生前診断について、6回にわたりシリーズでお届けしようと思います。皆様にぜひ知っておいていただきたい倫理面の問題点についても解説していこうと思っていますが、なにぶんデリケートな分野ですので、私見はできる限り避け、産科あるいは遺伝科としての一般的あるいは標準的な見解に沿って客観的に(抑制的)に解説することを心掛けてお話していきます。様々な立
皆さんこんばんは。今日は、書いてありそうでどこにも書いていない、好評シリーズ「よくある質問」③です。では早速。Q11)ホルモン補充周期で妊娠歴あり。前回は、D20で移植したので今回もD20で移植したほうがよいのでしょうか、D19で移植したら着床の窓はずれてしまうのでしょうか。A11)ホルモン補充周期に限らず、大切なのは、排卵(あるいはそれに相当する日)から何日後に妊娠したか、であり、月経から何日後に移植したかではありません。ホルモン補充周期の場合は、黄体ホルモン開始日を0日目として、胚
どんな薬でも、たくさん飲めば強く効き、少しだけ飲めば弱く効く、と思われていることと思います。99.9%以上の薬はそうなのですが、アスピリンだけは違います。低用量で内服(81~100mg/日)血小板抑制作用、妊娠率上昇痛み止めとしてはほぼ効かない(薬は体重によって量が変わります。子供に対して小児用バファリンが81~100mgのアスピリンを使用していたことがあることから、低用量アスピリンのことを「小児用バファリン」という名前で呼んでいたことがありました。しかし、これは20年前の話で今は小
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*不妊治療5年目転院3回(静岡LC→俵IVF→RCO→RCT)採卵は21回移植は7回目めーたん47歳枯葉マークです。*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*妊娠判定の記事です。今は読みたくないという方はここで閉じてください。よろしくお願いします。いま、リプロに来ています。今日は年末休みなのかソファに男性ばかり座っています。半分くらい男性かも?女の人がたくさん立っているよ?私も透明椅子にやっと座った。おい、付き添いの奴
不妊治療(主に体外受精)は、現在、原則として全額自費で行われ、助成金による公的補助により成り立っています。2022年4月から保険適応になると言われておりますが、具体的に決定していることはまだ何もなく、課題も山積している状況です。本稿では、保険適応がいいとか悪いとかではなく、実現しようと思った時に、どういうハードルがあるのかについて、保険医療財政や薬の適応症の仕組み等に触れながら幅広く一緒に考えていきましょう。不妊治療助成金はもともとの予算が150億円規模、1月からの増額で年間総額は助成金額は
みなさんこんばんは。知りたいけれど、どこかに書いていそうで書いていない内容を解説する、生殖医療解説シリーズ、今日は番外編です。敢えて最新すぎる内容は避け、できるだけ多くの皆さんに興味を持っていただけそうな内容を連載しています。特に、1~7は、全ての皆さんに知っておいていただきたい内容ですので、ぜひご一読ください。さて、今日は、誤解が多い、慢性子宮内膜炎と、それに似た言葉の違いについて解説します。当院に通院歴がある程度ある患者さんには毎度おなじみ、慢性子宮内膜炎検査のことを、「子宮内膜症の
診察の現場で、よくあるご質問なのですが、どこかに書いていそうで書いていない、知りたいけど調べても分からない、そんな内容をまとめて回答するシリーズ、今夜は第4弾です。なお、個人個人の体質で治療方針は変わりますので、ご自身の方針は必ず医師に相談・確認するよう、ご注意ください。Q16)卵巣刺激法は、アンタゴニスト法がベストの方法なのでしょうか。A16)誰にとってもベストな卵巣刺激法はありません。卵巣刺激法は、ロング法、ショート法、アンタゴニスト法、PPOS(黄体フィードバック法)、低刺激(クロミッ
NIPT登場後、NIPTは、「採血だけで分かる」「お腹に針刺したりしない」「赤ちゃんにもリスクがない」「精度が高い」ということで、大きく話題になりました。では、NIPTの実際の流れはどういったものなのでしょうか。NIPTを受けるきっかけは様々ですが、ご夫婦の希望で自発的に受ける場合と、他の出生前診断(母体血清マーカー検査やコンバインド検査、超音波検査等)で異常があったり年齢が高い等、検査を受ける理由付けが高いと思われる場合があります。NIPTは妊娠9~10週くらいから受けることもできま
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*不妊治療5年目転院3回(静岡LC→俵IVF→RCO→RCT)採卵は21回移植は7回目めーたん47歳枯葉マークです。まだカテゴリ移動はいたしません。よろしくお願いします。*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*少し過去記事。最後の移植、妊娠判定日の記録です。読みたくない人はここで閉じてください。よろしくお願いします。今日の小ネタ。クッション画像wめーたん実は自慢したいことがあります!!なんと
みなさんこんばんは。知りたいけれど、どこかに書いていそうで書いていない内容を解説する、生殖医療解説シリーズも、今日で第12回となりました。こんなご時世は勉強がはかどる、今夜も「生殖医療解説シリーズ」をよろしくお願いします。まずは、おさらいですが、日本産科婦人科学会は、次のように定めています。「生殖補助医療の胚移植において、移植する胚は原則として単一とする。ただし、35歳以上の女性、または2回以上続けて妊娠不成立であった女性などについては、2胚移植を許容する。治療を受ける夫婦に対して
みなさんこんばんは。知りたいけれど、どこかに書いていそうで書いていない内容を解説する、生殖医療解説シリーズも、今日で第7回となりました。バックナンバーもぜひご覧ください。月経中にみられる、ある程度大きな卵胞のようなものを、「遺残卵胞」という言い方をすることがあります。今日は、この「遺残卵胞」について解説いたします。日本産科婦人科学会刊行の産科婦人科用語集には、「遺残卵胞」という言葉はありません。というのも、「月経中にみられる、ある程度大きな卵胞のようなもの」は、実際には、色々な内容の
今日は、主に採卵の周期の1周期前(卵巣刺激開始前)(以下、前周期)には何が一番よいのかについてお話したいと思います。前周期に薬剤を使うかどうかは、各個人の体質に合わせながら計画するクリニックは少数派で、多くのクリニックではクリニックの基本方針によって決まっており、個人の体質で使ったり使わなかったりというよりも、前周期をどうするのかについての基本方針がクリニックごとにあり、それに沿って診療が行われることが多いです。それ自体は特に問題があることではありません。なぜなら、卵巣機能や月経周期が正常で特
生理中の小卵胞数(AFC)、FSH値は、一般論とすればその周期の調子、あるいはその方の卵巣機能を診断する上で大事ということになっていて、そんなに大きく間違ってはいないんですが、実際の現場では、結構あてにならない人がいます。そもそもAFCと採れる卵子数がほとんど関係ない人も結構いて、AFCが1~2個だったのに刺激してみたら10個採れたとか、FSHも20くらいまでなら全く関係ないんじゃないかと思われる方も結構います。一方で、一般論通りに、AFCが良い時、FSHが良い時に良い結果となる方も
こんにちは妊娠検査薬が出るブログです。いつぞやのリプロ今日はリプロでhcgの計測を。妊娠判定でhcgの値が低く、1週間後の胎嚢確認まで待てなかったので、再度hcgの値を計測して薬継続の診察をしてもらいます。昨日BT13にはうっすら茶オリがあって下腹部痛があったので、もしかして居なくなっちゃったかなって思ったり、「まだ居るよー」のサインだといいなと思っていました。今朝になって急に検査薬やろうと思い立って残り2つのドゥーテストを引っ張り出してきた!すると少し経過して極薄い線が出てきま
みなさん、こんばんは。ふと、生殖医療解説シリーズを半月も書いていないことに気づきました。最初からこのブログをお読みではない方もおられると思いますが、このブログは一定の更新頻度を守るのではなく、筆者が心から書きたいと思った題材ができた時に書き始め、納得のいく記事ができた時だけアップする、というスタイルで行きたいのです。が。半月はちょっと長いです。これでは読者離れしてしまう。どうしよう。ということで、今日はニーズな高そうな題材に挑戦してみました。過去記事でも類似記事は書きましたが、今日の題材は
みなさん、こんばんは。今日は、顕微授精についてお話したいと思います。世界で初めて体外受精に成功したのはロバート・G・エドワーズらにより1978年(出産年)でしたが、顕微授精の歴史はそれから14年後の1992年、パレルモらによりベルギーで成功しました。体外受精も、自然妊娠や人工授精に比べれば少ない精子で受精可能ですが、顕微授精はより少ない精子で受精させることができ、生殖医療の道を大きく広げました。卵子の大きさが120μmであるのに対し、精子は尾部まで入れれば60μmあるとは言え、頭部は
みなさん、こんばんは。少しお久しぶりになりますが、今日は、月経中に見えた卵胞を採卵することの是非についてお話してみようと思います。卵巣機能が正常で月経不順がなければ、通常は月経中には育っている卵胞はありません(10mm未満が正常)。月経周期が短い場合(おおむね26日未満の場合)、月経3日目ごろにはすでに11~12mmくらいの卵胞が見えることもありますが、この程度であればあまり大きな問題にはなりません。しかし、月経3日目ごろに、18mm~20数mmの「卵胞のようなもの」が見えることがあります
前稿では、卵子の成熟の一般論についてお話しいたしました。では、穿刺卵胞あたりの卵回収率や、卵の成熟率がよくない場合は、どうしたらよいのでしょうか。卵胞があり、きちんと穿刺できたのにもかかわらず、卵子が回収できないことを「空胞」といいます。ここで注意したいのは、空胞とは、あたかも「卵子がなかったので取れなかった(カラだった)」という表現に聞こえますが、超音波では卵子があったかなかったか判断することはできませんので、「卵子があったが、何らかの事情で取れなかった」も「卵子がなかったので取れな
みなさん、こんにちは。医師の大原です。早速私事ですが、当院に勤務して早いものでちょうど2年が経ちました。生きていればいろんな事がありますが、ここに来て、尊敬できる大好きな先輩、同僚、仲間、皆様に巡り会うことができ、また、一つの目的に向かって、少しでも良いことができないかと本気で診療させていただくことができ、日々感謝しております。ありがとうございます!今回のテーマは、不妊治療だけでなく、その前段階の最近話題のプレコンセプションケア(プレ妊活)でも最も重要とされる検査の一つ、(検査時
みなさんこんばんは。知りたいけれど、どこかに書いていそうで書いていない内容を解説する、生殖医療解説シリーズ、今日で第16回です。なお、スーパードライのネタは番外編に変更しました。私たち医師は、どのように卵巣刺激を選んでいるのか。もちろん、最終的には個人の体質や治療歴によって大きく変わりますが、今日は雰囲気だけでも分かっていただければ。そもそも、卵巣刺激には、①卵胞を育てる(卵巣刺激・排卵誘発)+②育った卵胞を排卵しないように抑える(排卵抑制)+③卵子を成熟させる(トリガー)、の3段階
みなさん、こんばんは。今日は生殖医療解説シリーズ、久しぶりの本編です。今日は卵巣刺激の全容と大きなテーマで解説をしていきたいと思います。まず最初にこちらをご覧ください。卵巣刺激と一言で言っても、月経が来る前から話は始まっています。卵巣刺激開始前は、特に何もしないこともありますが、排卵後からのエストロゲン製剤内服(lutealE2)、排卵後からのピル内服(lutealOC)、月経時からのカウフマン療法、月経時からのピル内服など様々な準備をすることもあります。卵巣刺激開始の時期
冬になるとよくある質問が「基礎体温が低い、上がらない」というもの。え、冬になるとってなんじゃい、と思うなかれ、ちなみに春になるとこういった質問はパタっと減ります。考えてみてください。お好みにもよりますが、夏と冬で寝室の温度なんて下手すりゃ10℃近く違うんですから、口の中の温度が影響受けないわけないです。そもそも、黄体期不全(黄体機能不全)って信用できるのか。もちろん、排卵後のP4の値が低い方はいるし、体温上がらない方もいるけど、そもそも季節によって体温違う方も少なくないし、P4は、基
診察の現場で、よくあるご質問なのですが、どこかに書いていそうで書いていない、知りたいけど調べても分からない、そんな内容をまとめてみました。(なお、個人個人の体質で治療方針は変わりますので、ご自身の方針は必ず医師にご相談いただくようご注意ください)Q1)自然妊娠をしたことがあるので、着床の窓はずれていないと思いますが?A1)自然妊娠をした時の胚の発育スピードが分からないので、自然妊娠歴が着床の窓のズレがない証明にはなりません。もしかしたら、D4あるいはD6で胚盤胞になって着床していれば
今日は基本的な内容を。外来でよく使う言葉が、「受精、受精卵、初期胚、胚盤胞、新鮮胚、凍結胚」あたりの言葉なのですが、もちろん専門用語といえば専門用語なのですが、誤解を恐れずに書けばこのくらいの言葉は体外受精を行う上では基本中の基本で、私たちの立場からすれば、できれば正しく理解していて欲しい部分です。しかし、とにかくこのあたりの言葉には非常に勘違いというか誤解が多く、会話がかみ合わないことが珍しくなく、相槌でふわっと話が進んでしまうと非常に危ないのです。医療ブログ全盛の時代だが、こうした基
★37~38歳不妊治療経過を記録していきます★〈これまでの治療〉●2018年4月はらMで夫婦ともに検査→結果悪かった為初診半年待ちだったのを優先初診枠getし、その時AMH0.60●2018年6月優先初診で検査→ポリープ見つかる●2018年7月子宮内膜ポリープ掻爬手術●2018年8月初人工授精→結果×●2018年9月初採卵4個→3個受精→結果胚盤胞グレード悪く凍結0●2018年10月採卵2回目、7個採卵→6個受精→3個凍結(全部4A
皆さんこんばんは。よくある質問は、生殖医療解説シリーズ番外編に分類していましたが、独立したテーマとして書いていきたいと思います。Q7)採卵周期中に出血がありました。生理でしょうか、大丈夫でしょうかA7)採卵周期中の出血は、①ホルモン剤の筋肉注射(プロギノンデポー、ペラニンデポー)を打ったあと②エストロゲン製剤を使っていたがやめた③卵胞がなかなか育たないまま2週間以上たったのいずれかであることが多いのですが、そもそも卵巣と子宮は別臓器であり、卵巣とは別の子宮からの出血は、全て、
★37~38歳不妊治療経過を記録します★〈これまでの治療〉●2018年4月はらMで夫婦ともに検査→結果悪かった為初診半年待ちだったのを優先初診枠getし、その時AMH0.60●2018年7月はらM子宮内膜ポリープ掻爬手術●2018年8月はらM初人工授精→結果×●2018年9月はらM初採卵4個→3個受精→結果胚盤胞グレード悪く凍結0(ゴナピュール合わず育たず)●2018年10月はらM採卵2回目、7個採卵→6個受精→3個凍結(フェリング、全部4AA)●2
皆さん、ご無沙汰してしまいご心配をおかけしてすみません。私は元気です!家で鬱々としてしまうのが嫌で、自営業でバリバリ出張を入れて忙しくしてました。山梨、神奈川、埼玉、、、これから滋賀も2回行く予定。こういうとき、自営はいいね。自分で仕事取ってくればいいんだもんね。術後、大して痛くもなく出血もおりものシートで足りそうな極少量で、元気で。。。私、なんで元気なんだろう。死んでしまえばよかったのにとさえ思って、すぐに思い直す。子供と過ごすのはせいぜい20年。最
皆さんこんばんは。様々な医師ブログやクリニックブログでは、しきりに「〇〇のほうが妊娠率がよい、確率がよい」という記事ばかりだが、リプロ公式は、斜に構えているので?もちろん定石は大事だけど、定石通りにだけやったってうまくいかない例に対してどう切り込むのか迫ってみたい。なお、プライバシーと分かりやすさのため、似たような実例を複数ふまえてアレンジしていますが、作り話ではありませんので、こういうような方がいるよという例としてお読みください。①クロミッドで自然周期移植移植には新鮮
こんばんは。今日はアンタゴニスト(セトロタイド、ガニレスト)の使い方です。とりあえず基本的なことから。アゴニストとかアンタゴニストというのは、それぞれ「作動薬」「拮抗薬」という意味で、アゴニストは生体内の受容体に働きかけて、神経伝達物質やホルモン作用を働かせる薬剤、アンタゴニストは、その作用を妨げる薬剤のことで、何に対するアゴニストなのか、何に対するアンタゴニストなのかということが本当は重要です。生殖医療においては、通常、アゴニストといえば、GnRHアゴニスト、アンタゴニストと言えば、Gn