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中国現代文学珠玉選小説〈1〉Amazonタイトルの通り、中国現代文学の選集。扱っているのは主に文学革命から中華人民共和国の成立時期あたり。魯迅をはじめとする有名作家の短編作品が掲載されている。作家と作品のチョイスが非常に素晴らしく、てっとり早く中国現代文学について学びたい方には是非おすすめ。これ一冊読んでおけば、大学四年間レベルで学ぶ近現代の中国作家の殆どをカバーできる。中国現代文学を専攻している学生なら、必ずテキストとして読まされるであろう作品が多く掲載されている。ただし
皆さん、こんにちは。今回のブログ記事は前回に引き続きまして、読書批評文:魯迅『阿Q正伝』をご紹介します。本作品の主人公・阿Qは、近代化から取り残され、列強にいいように食い物にされる清朝末期の中国の擬人化キャラと言えます。彼は、その日暮らしで文盲、そして独身で疥癬持ちという、およそいいところの無い男です。しかも自尊心だけはやたらに高く、自ら「むかしは偉かった」ということを吹聴しては他人を軽蔑してばかりいるので、生活している「未荘(ウエイチワン)」という村の住民からは煙たがられています。
つづき…紹興酒とは後回しになってしまいましたが、紹興酒とは何なのか?を改めて説明します。まず、紹興とは中国浙江省にある町の名前です。ここは今から約2500年前の春秋時代に「越」の国の都があった場所です。長江の支流が網の目のように流れる江南地方の中でも、特に水資源に恵まれており、紹興を紹介する謳い文句として度々目にするのが「東洋のベニス」というフレーズです。本家のベニスを訪れたことがないので私には比べることはできませんが、江南らしい水郷風情に溢れた歴史のある町で、魯迅