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埋伏している親知らずの多くは、手前の歯が虫歯や歯周病になるリスクがある場合には、基本的に抜歯が必要となります。しかしながら、親知らずの手前の第二大臼歯が虫歯や歯根破折などで保存が不可能となった場合、矯正治療で親知らずを動かし、この抜歯する第二大臼歯の代用として活用できる場合があります。初診時レントゲン。右側(向かって右)第二大臼歯(矢印)が深い虫歯になり、保存が不可能と診断された。第二大臼歯の奥には親知らずが埋まっており、この親知らずを骨と歯肉から引っ張り出し、第二大臼歯の代用と
フィステル(廔孔:ろうこう)とは、体内と体外をつなぐ管で、炎症が起こるとこのフィステルから膿が排出されます。フィステルは、歯茎の内部にある病巣に原因があり、歯科では主に次のような場合に多くみられます。●歯周病●根尖病巣●歯根破折・クラック根尖病巣は、歯周ポケットが生じない、あるいは生じにくいという点で、ほかの疾患と鑑別できます。根尖病巣の場合、歯茎の切開や抗生物質の内服を行っても、根本的な解決にはなりません。虫歯による歯髄壊死から継発した根尖病巣。クラウンの付け根が虫歯になって
歯は、萌出(生える)する時あるいは萌出直後、虫歯になりやすいです。特に、歯列の後方に生える6歳臼歯(6番)と12歳臼歯(7番)は、非常に磨きにくいため、時々虫歯になっているケースを見受けます。歯の萌出途中は、歯の咬合面(噛み合わせの面)に歯茎が被さり、その歯茎の下が虫歯になりやすいのです。萌出途中の6歳臼歯(矢印)。歯に歯茎が被さっているのが分かる。このような場合、歯茎の下が虫歯になりやすいので、歯茎の下にも歯ブラシの毛先を入れるように磨くとよい。歯は萌出直後は石灰化度が低く、柔らか
交叉咬合(クロスバイト)とは、上下の奥歯が反対に噛んでいる状態を指します。本来、歯列は上顎が外側、下顎が内側に並びます。これは、上顎の前歯が下顎の前歯よりも大きく、歯列弓(アーチ)の大きも下顎より上顎の方が大きいためです。しかしながら、上顎の歯列弓(アーチ)が狭い場合には、しばしば奥歯の噛み合わせが上下反対になってしまうのです。この交叉咬合の問題は、顎の左右へのずれを起こすところにあります。顎が左右へずれると、顔が左右非対称となります。交叉咬合により(矢印)下顎が同側にずれ、上下
当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。今回は、仮歯の重要性について書きます。仮歯は、専門用語ではTEK(テック)といいます。この仮歯は、文字通り、最終的な被せ物を入れるまでの間、一時的に入れておく仮の歯のことです。ほとんどは、プラスチック系の材料で作ります。仮歯は、最終的な被せ物ではないので、見た目も、機能的にも、大雑把なものでもしかたがないか!と、患者さんは思われるかもしれません。しかし、この仮歯は、実は非常に重要な役割があります。①最終的な被せ物が入るまでの期間、審美
インプラント手術(2本)をしてきました!14歳の長女が学校からテキストメッセージを送ってくれていました。涙ちょちょぎれる・・。ということで、お値段公開✅ホスピタルフィー$1550✅ドクターフィー$7200($3600each)✅麻酔代$600トータル$9350そしてこれだけではありません。3〜4ヶ月後にはクラウン(歯の先っちょ)代約$4400。て事で総計$13750日本円にすると
交叉咬合(クロスバイト)は、顎に偏位(ずれ)をもたらします。上下の臼歯が交叉している患側に、下顎のずれを生じることが多いといえます。交叉咬合を改善するには、●補綴(被せ物)による改善●歯列矯正で改善の二通りの方法があります。補綴での改善は、被せ物で無理に歯の形態を変えるために、歯にかかる負担は大きくなります。したがって、歯列矯正で歯の位置そのものを正しい位置に動かすことが理想です。特に、全く虫歯の無いバージンティースの場合、歯列矯正が望ましいでしょう。治療前。交叉咬合(矢印
当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。今回は、歯列矯正で前歯を後方移動する(内側に入れる)ためのリトラクション・アーチワイヤーをご紹介します。抜歯矯正では、抜歯スペースに前歯を動かすことで歯列を整えていきます。この時、前歯と奥歯の中間に位置する第一小臼歯を便宜的に抜歯する頻度が最も高いと思います。前歯を内側に入れるには、まず犬歯を後方移動してから、続いて4前歯を後方移動する手法や、犬歯を含む6前歯を一塊で後方移動する手法、これらの中間的な手法など、いろいろな方法があります。
矯正治療を受けるには、歯の状態が万全でなくてはなりません。矯正治療は治療期間のかかる治療であるので、虫歯や歯周病、根尖病巣などの歯や歯茎、骨に病気がある状態だと、矯正治療中にその病気が進行してしまいます。もちろん、矯正治療中であってもこれらの治療は可能ですが、これらの治療をしていると矯正治療は完全に止まってしまいます。当然ながら、矯正治療はさらに長期化してしまいます。また、骨に炎症が波及した状態である根尖病巣がある場合には、矯正治療で歯を動かしていくと、骨の破壊はさら
当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。今回は、根尖病巣に伴う歯茎の腫れについて書きます。根管治療は、歯科治療の中でも非常に繊細で緻密な治療であることを、是非多くの方にご理解いただきたいと思います。大きな虫歯が原因で歯に痛みが出た場合、ほとんどのケースで歯の神経を取る根管治療を行うことになります。根管治療を行って歯の神経を取ると、確かに強烈な痛みは無くなります。痛みが無くなったからといって、そのまましばらく通院せずに放置してしまうと、根管の中にバクテリアが侵入し、根管の内部は虫
当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。今回は、歯周病治療後の歯肉退縮について書きます。歯周病は、歯根を支える歯槽骨が溶けて、歯が抜ける病気です。歯周病は、初期段階ではほとんど何も症状がありませんが、病状が進んでくると、歯茎からの出血や知覚過敏、さらには歯茎の腫れや歯の動揺、歯列不正(歯並びが悪くなる)などを生じるようになります。この辺まで進んでくると、病態は重症と呼んでいいでしょう。歯槽骨が溶けて歯周ポケットが深くなり、歯周病が重症になった場合には、FOP(フラップ・オペレー
当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。今回は、歯並びと舌房(ぜつぼう)の関連について書きます。舌房とは、舌を置いておくスペースのことで、歯列の内側のスペースのことを指します。別名「舌の部屋」とも呼ばれます。この舌房の広さは非常に重要で、舌の大きさと歯列の広さによって決まります。舌の大きさには個人差があり、大きいヒトもいれば小さいヒトもいます。舌が大きいヒトは、舌が歯列を内側から押し広げることによって、しばしばスキッ歯になることがあります。また、舌の大きさが普通であっても、
差し歯、特に上顎前歯部の差し歯の審美性は、その人の笑顔さえ変えてしまうほどのインパクトがあります。差し歯の審美性が悪いと、歯を見せて笑うことも出来ず、話をするときに手で口元を隠す人もいます。差し歯の審美性でしばしば問題になるのが、歯や歯茎の色と、ブラックマージン(歯と歯茎の境目の黒ずみ)です。初診時。前歯の差し歯の審美障害を主訴に来院。色の不調和とブラックマージン(歯と歯茎の境目の黒ずみ)によって審美的な問題を生じている。まず、完全な根管治療を行い、その後オールセラミックク
この春、娘は大学を卒業仕事は、昨年4月から始めていて引き続き、フリーランスとして働いています。実は昨年、契約した会社から「その歯、早く何とかして」と、言われていました。娘は、出っ歯のすきっ歯でしかも、小学生の時に扉に顔面をブツけて出っ歯が欠けていました…😭すぐにでも歯科矯正をしてあげたかったんだけど当時はお金もなく(今も無いけど)ローンも組めなかったので娘には申し訳ないけどそのままの状態でいてもらいました。娘が高校生になったとき近所の歯科へ矯正の相談に行った
当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。今回は、歯列矯正による歯間部の隙間について書きます。歯列矯正に伴い、歯と歯の間にできた隙間が気になる方は多いと思います。歯冠部に隙間が出来やすいヒト、出来にくいヒトがいます。隙間が出来やすいヒトは●歯の形が逆三角形に近い(歯の先端の幅はあるが、歯根が細い)●歯肉が薄い●元々のクラウディング(凸凹、乱杭歯)が酷い●歯周病がある●成人矯正(年齢が高いほど、隙間は出来やすい)などが該当する方です。歯列矯正後の歯間部の隙間。この隙
歯の治療で鬱になっているヒトは、珍しくありません。歯の治療のことばかり考え、食事ものどを通らず、夜も眠れないといった方もいるでしょう。どのようなことで悩んでいるのでしょうか?●歯の神経を取ったこと●差し歯にしたこと●歯列矯正やインプラント治療がうまくいっていない(失敗した)●美容・審美目的で歯を削って差し歯にしたこと●痛くもない歯を抜歯して痛くなった●歯周病や歯根破折などで抜歯を宣告された●歯を治療しても、再三腫れたり痛んだりする●噛み合わせが異常に気になる治療による不具合
当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。上下の歯の正中(せいちゅう;真ん中)のずれと、顔の歪みについて書きます。上下の正中はぴったり合うのが理想ですが、現実的には、そのような方はごく少数派で、ほとんどのヒトは多少のずれがあります。歯列矯正では、この正中のずれを極力改善するよう治療を行っていきます。(個人の歯の状態にもよるので、必ずしも正中が一致するわけではありません)正中のずれは、顔の歪みを反映していることがほとんどです。TVで活躍する芸能人やキャスターの人達の顔を見てみると
当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。今回は、歯磨きで落ちない汚れについて書きます。歯磨きで落ちる汚れは、歯とのくっ付きが弱いプラーク(歯垢;しこう)だけです。歯にこびりついたステイン(着色汚れ)や歯石は、ブラッシングで落とすことはできません。眼に見えないバイオフィルム(薬剤耐性をもつ細菌の塊)も、やはりブラシングでは落とすことが出来ません。これらをきれいにするのには、歯科医院での機械的清掃が必要です。治療前。特に痛いところもなく、長年、歯科を受診しなかった。上顎前歯の
歯列矯正を希望される方の多くは、前歯の歯列不正が気になり来院されます。しかし、前歯はきれいに並んでいるけれど、実は奥歯の歯並びや噛み合わせに問題を抱えているケースがあります。即ち、上下の奥歯の前後的かつ左右(内外)的なずれです。臼歯の前後的なずれは、上顎前突(出っ歯)や下顎前突(受け口)として前歯部にも影響が現れるので、歯列不正を認識しやすいといえます。一方で、臼歯の左右的なずれは、一般の方には認識しにくい場合が多いのです。その代表的な歯列不正が、交叉咬合(臼歯部反対咬合)と鋏状咬合(
当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。今回は、不正咬合の分類について書きます。不正咬合を分類するために、専門的にはアングル(Angle)の分類というものが使われます。これは、上顎の第一大臼歯(6歳臼歯)に対して、下顎の第一大臼歯の位置関係が前後的に正常かどうかを見るものです。大きく分けると次の3つのパターンがあります。●上下の前後的位置関係が正しい場合⇒Ⅰ級●上顎に対して下顎が後方にある場合(出っ歯傾向)⇒Ⅱ級●上顎に対して下顎が前方にある場合(受け口傾向)⇒Ⅲ級しかし
当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。今回は、歯茎の腫れと原因歯について書きます。歯茎が腫れた場合、一般的には、腫れている部位の歯が原因になっていることが一番疑わしいと思われます。まずは、問診を行い、そして視診(見て調べること)、触診(歯や歯茎を触って調べる)、打診(歯を軽くたたいて調べる)、温度診(エアーや温熱を与えて調べる)、電気診、さらにレントゲン診査等を行ったうえで、総合的に判断して診断を行います。しかし、時には、腫れに近接した歯が、腫れの原因でない場合があります。
当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。今回は、鼻の下や横(付け根)の違和感について書きます。この違和感は、歯科の臨床で比較的よく遭遇するものです。原因は、根尖病巣であることが多いです。この違和感が厄介なのは、根管治療をきちんと行っても、違和感が無くならないことです。もちろん、痛みや粘膜の腫れがあるものは、適切な根管治療を行えば、これらの症状は無くなります。しかし、きちんと根管治療を行い、レントゲン上で骨の吸収像(溶けている像)が無いにも関わらず、歯根(歯の根っこ)の先端付近
開咬(オープンバイト)は、歯列不正の中でも問題が多い歯列不正です。奥歯でしっかり噛んでも、前歯が全然噛み合わないため、全ての咬合力が奥歯に集中します。前歯が噛み合わせに参加しないと、奥歯が絶えず横揺れの力を受け、噛み合わせが原因の歯周病(咬合性外傷)になったり、過大な噛み合わせの力によって歯に亀裂(クラック)が入り虫歯の原因ともなります。前歯が噛み合わない開咬(オープンバイト)。審美障害、発音障害、噛み合わせ不良など、問題点が非常に多い。開咬は、嚥下時に口腔内を陰圧にするために舌を突出
当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。今回は、ファイバーコアの築造法(ちくぞうほう)について書きます。ファイバーコアとは、神経を取った歯の、失った歯質を回復するための土台(支台、芯棒)のことです。虫歯が深くなり、歯の神経を取ると、歯質はそのほとんどが失われてしまう(矢印)。このままでは、歯を被せることが出来ないファイバーコアによる支台築造。歯根の中にファイバーコアの維持を求め、歯を被せることが出来るよう築造された支台(矢印)ファイバーコアで歯根と歯冠の部分を築造す
当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。今回は、抜歯による歯茎の萎縮(いしゅく;ボリュームが無くなること)について書きます。歯根(歯の根っこ)を支えているのは、歯槽骨(しそうこつ)と呼ばれる顎の骨の一部です。この歯槽骨は、歯根を支えるために発達した骨で、仮に歯が無くなると萎縮してボリュームが無くなってしまいます。特に、歯を抜くような場合では、歯周病や歯根破折など、すでに骨の破壊(炎症により、骨が溶けていること)が進行していることが多いと思われます。したがって、抜歯が必要なケー
当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。今回は、根尖病巣(こんせんびょうそう)による歯茎の腫れについて書きます。根尖病巣は、神経を取った歯(失活歯;しっかつし)の根の先に生じる病変です。根管治療は、どんなに上手な先生が行っても、100%成功するわけではありません。しかし、実際には不完全な根管治療により、根尖病巣を生じているケースが非常に多いのです。根尖病巣による歯茎の腫れ(矢印)。根管治療が不完全だと、根管内に残されたバクテリアと腐敗物質によって歯槽骨が破壊され、膿の出口を
鼻の下や横を押すと痛みや違和感がある場合、疑われるのは上顎前歯の根尖病巣(こんせんびょうそう)です。根尖病巣は、重度の虫歯や外傷などで歯髄が壊死した時、あるいは虫歯治療による根管治療が不適切な場合に生じます。上顎前歯部の根尖(歯根の先端)は、鼻の下~鼻翼mの付け根付近にあり、根尖病巣を生じるとこのあたりに痛みや違和感を生じます。特に洗顔時やメイクの時に、皮膚の上から指で強めに押したときに、痛みや違和感を感じることが多いようです。初診時レントゲン。鼻翼の横を指で押したと