パッチギ!を観た。本当に素晴らしい出来だ。過去に見た作品をもう一度見直して泣けるモノは少ない。ましてや、時代性や出演者のその後の諸事情によって冷めてしまうのが常だ。本作は正反対。若い出演者、ベテランの脇役、京都という限定された地域性、印象的な劇中歌...そして何より脂の乗りきった井筒和幸監督演出による最高傑作だ。実際には全員日本人らしいが、シネカノンが長年言いたかった在日の憤りを政治的や左翼的でなく、あくまでも"青春痛快娯楽巨編"として奇跡の完成を見せる。リアリティや芸術性なんか関係ない、これぞ