ブログ記事740件
それから2日後の夜。馬を飛ばせば夜中には、サンダー大帝国に着くと言う所で、ヨンは馬をとめた。「今宵は此処で陣幕を張る!」「しかし、団長!早く皇后陛下に?」「いや、まずはお前達に礼を言わねばならぬ!ありがとう!」「団長…いえ、皇帝陛下!我々は、何もしておりません!陛下がソンゲールを無くしたのです!どうか、頭を上げて下さい!」「いや、魔獣討伐だけなら、直ぐに帰れたものを、わざわざ俺とウンスの事を思って、ソンゲールと戦おうとした黒の騎士団は、俺の誇りだ!」「しかし、ソンゲ
わかっているのに、どうしてこんなに辛いのか。その週末は、秋がぐっと深まる予報だった。クマオと女の旅先はどこだろう。そこも気温が下がるのかな。私はクマオにラインを送った。女と熱い夜を過ごしているクマオ。既読になんてならなくてもいい。返信だってなくてもいい。それでも送りたい。「クマオさん、風邪ひかないでね」。この一文に私は思いと気持ちを込めた。案の定、私が眠るまでに既読になることはなかった。翌朝、目が覚めると一番にラインを見る。1件のライン通知。クマオから
「りこちゃん、ごめん。」クマオはそう言いながら玄関に向かう。その後ろ姿はもう別のクマオだ。靴を履き、クマオはくるりとこっちを向き直った。いつもならハグするところだが、私は距離を置いて立っていた。ハグなんてしない。クマオはその様子を見て、一瞬辛そうな表情を浮かべはしたが、「じゃあね、りこちゃん」と言ってあっさり帰って行った。着替えもしなきゃいけないし、急いでいたんだろう。それにしても何て日だろう。よくこんなことができたものだ。クマオは私に悪いことをしたとどれほ