山口市で行われた講習会の帰途、鉄道捜査官の花村乃里子(沢口靖子)は、小郡駅から念願だった観光専用SL列車『やまぐち号』に乗った。列車が終着・津和野まで20分足らずとなったとき、乃里子は東京の倉田捜査課長(地井武男)に携帯電話で連絡をとるためデッキに出た。車内に戻ると、乃里子の席に見知らぬ男がいて、窓から身を乗り出すようにして写真を撮っていた。男は、多田雄一(矢島健一)と名乗り、カーブを曲がる機関車を撮影するには、この席からのアングルが一番いいのでと弁解する。乃里子は微笑を返した。その直後、「危な