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昨年は、11月の末にブラックフライデーセールを行いました。かなり好評で、それまでの1週間当たりの平均売り上げの4倍のペースで刀が売れました。その後も順調に売れたものの、ありがたい反面、やや売れすぎて、4月の新事務所への移転前後には、整備の出来た刀がほとんどなくなってしまいました。お店が新しく移転するのに、売る刀が無いでは話になりません。そのため、同業者や刀の収集家のお客様に、無理をお願いして売ってもらったりしました。ただ、整備が間に合っていない刀はまだま
こちらの脇指、先日、、サイズが少しおかしいと思い、先日現物確認に行って、唯一、登録証とは別物と完全否定された一振りです。登録証では、昭和26年3月と本当に、所謂大名登録の初期の登録証です。お客様から買取したお刀ですが、長さも反りも若干合いません。登録証には、各都道府県に登録証の元となる、「元票」と言って最初に登録された時の情報がいろいろ書き込まれた資料が有ります。例えば、鍛え目、刃紋、時代等が詳細に書かれています。それと合わなければ、「全国照会」と言
興味深いtweetを見ました。https://x.com/robeltdora/status/1858870157210513426?s=46&t=vDLEarp_5HYHZmiuEqFt6w以下コピペ素人知ってるかい、レールの金床に砥石で肌を出す変態が世の中には居るんだぜ。それは鍛流線だったり、プレスされた模様で、描いたり彫ったりしたもんじゃないんだ。同じように、研磨前に無地肌や鏡肌だった新々刀があら不思議本当はこんな肌なんだよと出されたのさ。本当にヤバい技術だよ。研師新々刀で
知り合いから聞いていたのだが、むかーしの抜刀道大会で物凄いだんびら刀で優勝した人がいたらしく、刀身がでかすぎて朴ノ木で鞘が作れずアタッシュケースから抜き身で出してきたらしい笑そしてそれっぽい刀をヤフオクで見つけたが、よーく見ると鞘に鮫皮を巻いているように見える。朴ノ木の下地が薄いのか朴ノ木以外の素材のせいなのか、鞘の強度を鮫皮で維持しているように見える。宮城典真作元幅5㎝先幅4.5㎝刃長74.0cm試切...-ヤフオク!***大きな画像で入札率アップ、トラブル
絶賛取り壊し中の実家『実家を建て替える④解体開始』https://ameblo.jp/iwalycypha/entry-12873318958.html『実家を建て替える③片付け大変!』実家を建て替える…ameblo.jp昨日(11月19日)父から届いた写真↓ついに家も庭も全てが無くなっていました私が育った家が無くなっちゃった…悲しいなこちらの家が無くなったのと同時に、先に一軒家からアパートへの建て替え中だったお隣さんは外観がほぼ完成した模様さて、話はまだ実家の取り壊しが
先日借りた本、水心子の著作物がすべて載っているのですが文体が古くてとても読みにくいです。しかし読んでいると中々に面白いです。先日に引き続き、もう少し抜粋して自分なりに訳してみました。問:和泉守兼定は享保の時代までは70両もしたと聞くが近年は7両になるものも稀だ。また堀川国広・肥前忠吉・繁慶、薩摩の正清・安代など、宝暦の頃までは30両以上、50両くらいでも買い求める人がいたけれども今は買い求める人も少なく価格も安い。助広の刀はいたって高価で30両、50両、100両にもなる事があった
業者市では完全な錆身って少ないです。刀身全体が錆びまみれだと刃切の有無とか、刃に焼があるかとか分からないので基本的にはNGです。そのため、刀屋がグラインダーで無理やり錆び落としした刀が結構出品されます。砥石のディスクならまだマシなのですが、ワイヤーブラシで落としてくる人の多い事。。。↓こういうヤツサビ除去の魔法!広範囲のサビ落としにディスクグラインダーが最強(DIY道楽のテツ)-エキスパート-Yahoo!ニュース皆さん、こんにちは!いきなりですが、こ
最近、また、柄糸について、いろいろ質問を受けることが多く成って来たので、かなり初期の頃に書いたブログの記事ですか、解説している記事が有るので、新しいお客様にも理解して頂く為載せてみたいと思います。皆さんは、柄糸と言うと、何を思い浮かべられるでしょうか?当店では、柄糸として、正絹、正絹絹紡糸、表革、ヌバックを販売しており、偶に、お客様の要望で木綿を取り寄せたりして居ます。拵の注文を受ける時、これらの商品の違いについて、色々と尋ねられることがあります。なので、少しその
この青銅ナイフ(セトハルコン)のナイフが届いたのでレビューを書いてみたいと思います。このナイフは瀬戸氏が作ったオリジナルの銅合金「セトハルコン」で、従来の青銅よりも強靭だとの事です。一体何を混ぜたのか気になります。まず見た目。もっと黄色いのかと思っていましたが結構銅っぽい感じがします。あと、側面部分がザラザラして綺麗ではない部分が多いです。特に裏面の方。鋳型に使用した砂の凸凹がそのまま残っているのだと思われます。こんな風に作っているみたいなので
この所、何故か、短い刀身に長い柄を付けたり、長い鞘を作ったりする注文が相次ぎました。ただ、私としては、結構不安感を持ちながら受けています。何が不安かと言って、強度です。職人さんも、当然の様に、「これ危なくないかな~」と言って連絡してこられます。一応お客様に説明して、「分かっているから、やって欲しい。」と言われると、「お客様了解済みですから。」と職人さんに連絡を入れてお願いしています。ただ、本当に飾るだけの場合は良いのですが、実際に形をうったり、試斬をする
当店のメインの研師が、よく言うのは、「刀を良くするのも研師ですが、壊すのも研師」と言うことです。最近、ユーチューブの影響で、研ぎ方等の情報が溢れています。そして、斬る人が多いですが、少しだけ研げる人に手ほどきしてもらっただけで、試斬用の研ぎなどを安い価格でやる人が増えました。そういう人にも何人か研いでもらいましたが、殆んどは一回で止めました。単純に、刃を立てるだけなら、それなりに出来るのですが、研ぎ上がりと銘打てる程には、刀身が綺麗でないのです。自分の刀
自分の道場に刃筋を合わせるのが得意ではなく、畳表試斬の際にパワーで無理やり斬り抜ける人がいる。先重ねが薄めの刀を使用しているため、しばしば刀を曲げているが曲がりは直せる。しかし柄の方がガタガタになり、柄を新調して数ヶ月なのに茎がカタカタと踊る状態になっている。刃筋が狂った状態で無理やり畳表を斬り抜けると、刀身には弾力があって捻れたりしなったりしながら斬り進めるものの、柄はしなったりしないため衝撃や負荷はとても大きいのだろう。パワーで無理に斬らず刃筋が通る人は、斬り損じて刀身が
刀は不均一な焼き入れが入っているため、特に研ぎ直したりすると何回直しても勝手に曲がってしまう事がある。これの根本からの直し方を助光刀匠から教わったので転載する。―――――――――――――――――――――短期間に曲がるようなら、100度の熱湯を満遍なくかけてやると、落ちつきます!他の刀も、曲がりを直したら、100度の熱湯で1度温めてください!だいぶ違います!本当は150度位なんですが、火で炙ると行き過ぎて鈍るので、武道家の方が自分でやる時は熱湯が安全です😊戦前の武道家がやっ
こんにちは、久津間です。引き続き匂口についてです。『匂口を観察することで何が分かるのか。』を解説すると書きましたが、タイトルで既にお気付きでしょう。匂口を観察する事で、刀の出来不出来が分かります。長く勉強されてきた方ほど飲み込めないかもしれませんが、ひとまずお読みになってください。まずは1.匂口の深さ図1.先に言いますと、基本的に匂口の深さは出来不出来の判断基準ではありません。『刃文・匂口』その1で書いた通り、匂口は焼入時に常温に戻るまでに出来た硬軟の
明日の日曜日、昇段審査を受けるため、アメリカ支部のユタ道場から、9人の方が来られています。審査は、夕刻から、京都支部において実施されることになったようですが、その前に肩慣らしをしたいので、昼間稽古をしている私達、誠和会で稽古させてもらえないかと、理事長より申し出がありました。もちろん、歓迎の旨返信返答しましたが、話の流れで、誠和会の稽古が終わった後、私のお店に立ち寄ってから京都支部に行くことになりました。「9人も入るスペースが、無いな〜」と思って、今日、一日掛かって、片
当店のスタッフの1人が、カルチャースクールで居合を教えています。ただ、それは新入会員発掘のためにその所属する団体で引き受けたらしいのですが、一定のスクール期間が終わっても、そこから道場入会を希望する人はほぼいないらしいです。積極的な勧誘はスクールの運営側からやらないようにと言われているようですが。やっぱり、ちょっと「たしなみ」程度で考えておられる方が多いのでしょうか。でも、居合団体といっても、様々です。居合を始める。動機は、人それぞれです。武道
使わないけど使える刀が欲しい。そんな所から色々調べて注文打ちで刀を作りました。過去に書いた事も合わせて、一度まとめておきたいと思います。刀身・鞘・柄について。基本的にはすべて伝統的な素材・製法で、お金を払えば入手可能な範囲で。今回は鞘・・・・・柄や刀身は何かと気を付けるべき点が多いのですが、鞘は普通に刀を買った時についているものをそのまま使えばそれで必要十分だと思います。摸造刀流用の安い合わせ鞘でも特に問題ないようにも思います。ただし反りが合っていれ
当店はこれまで、毎年年賀状をお客様にお送りしてきましたが、今年は中止しようかと考えています。(昨年の分です)例年およそ2000枚ぐらい出すのですが、中止を考えた第一の理由は、「送らないで欲しい!。」と言われるお客様が意外に多いことです。ただ、システムデータから住所を抽出して作成していきますので、そこからその方のみを抜き出すのが結構大変な作業なのです。ご家族に内緒で買っておられるお客様も多く、そういう方にはきをが届いてしまうと、お叱りを受けるだけでなく、次に購入をしたし
刀の鍔を買おうかなと鍔を見ていて「アレ?」と思いました。小柄を通す穴(小柄櫃)がすべて左側にあります。小柄だけを取り付ける事はあっても笄だけを取り付けるという事はないはずなので、穴が一つの鍔はすべて小柄の櫃穴のはずですが、すべて穴が左側にあります。「これ、鍔の裏側なのでは?」と思っていたのですが全ての写真がこの向き、つまり小柄の櫃穴が左側なのでどうもこれが表側のようです。どうも私は勘違いをしていたようです。つまり、鍔の表というのは柄側の方で、裏側が
居合刀には、大きく分けて、標準刀身の比較的軽いお刀と、幅広、あるいは厚口刀身と呼ばれる重量のある刀身に分けられます。それ以外にも、女性や子供用として、薄口刀身もありますが、基本的には標準刀身と厚口刀身があると理解していただければ良いと思います。当店の場合、標準刀身として、雲竜拵と厚口刀身を使うものの、金具を安く設定した、練武刀池田美術モデルの2種類を中心に商品展開しています。(標準刀身の雲竜拵)(厚口刀身の練武刀)主に、男性で、私の所属する団体に入ってきた人
柄糸の巻き直しには良く依頼されるのですが、「ついでに」と難しい依頼をされる事がよく有ります。そこで、何故それが難しい依頼なのかを分かって頂く為に、大雑把ですが、柄の作成に付いて、簡単に書いてみたいと思います。有り合わせの材料で写真を撮ったので、少々の無理は勘弁してください。最初に、柄木に茎の入る穴を掘り込んでいきます。この時、ハバキの幅や、鍔の厚み、切羽の厚みも凡そ計算して彫りこんでいきます。↓内側に、茎の入る穴を掘った柄木を
先日SNSで他人に本の出版を勧める機会がありました。今回は本の出版方法について紹介してみようと思います。過去に6冊の本を出版した事があります。全部私からの持ち込み企画で。自分でお金を払って本を出版する方法ではなくて、出版社からお金をもらって出版する方法です。自分で一円でもお金を出すものは含みません。ざっくり段階わけすると①問い合わせフォームから編集者のメールアドレスを聞き出す②編集者にメールで企画書と原稿を送る③編集者と会って話をするこの3つの段階をクリア
刀の、使い易い、使い難いを考える上で、大きな要素の1つとして、反りがあると思います。使うための刀の場合、反りはどのくらいが1番適当なのでしょうか。これは、居合であるか、剣術であるか、流派は何処か、個人の体格等で様々意見の分かれるところであろうかと思います。私の場合は、刀を注文打ちで発注する時は、全て18ミリから20ミリの間に指定しています。(お客様から、別なサイズの指定が有れば、勿論それに従いますが)普段使っている刀も、大体18ミリ前後と言うのが中心になります。
研師さんから電話がありました。一昨日送った、3振りの内、1振りについて「焼き刃がなく、研いでも刃がつかない。」と言うお話でした。しょうがないので、研ぎの依頼をされたお客様に電話をして、「一旦研ぎは見合わせましょう。」と言う話をしました。少し、話を聞くと、有名工の刀が安くで出ていたので、ヤフオクで落札したとの事でした。「何か方法が有りませんか?」と仰るので、再刃を検討しています。現状、刀としての機能は、無くなってしまっているお刀なので、これ以上お金を掛ける
https://kitchen-knife-diary.net/warikomi/↑現代の高級なナイフや包丁は少なからずこのような「割り込み構造」だったり「三枚合わせ構造」だったりします。芯鉄が硬度高い鋼で皮鉄が靭性の高い鋼にすると切れ味の良さと折れにくさを両立できます。または芯鉄を切れ味の良い炭素鋼にして皮鉄をステンレス鋼にすれば炭素鋼の切れ味とステンレス鋼の錆びにくさをある程度両立できます。↑日本刀は芯鉄が柔らかく皮鉄が硬い構造。日本刀の造り込みと
刀の柄巻きには、下図のように、様々な巻き方があります。ただ、多くは、「諸捻り巻」が中心になっていると思います。少し高級な巻としては、「撮み巻」と言うものがあります。居合で使うならどれが良いか、職人さんの腕の問題が大きいので、一概には言い難いのですが、「諸捻り」が1番使い勝手は良いかと思います。その1番の理由は、強くしっかりと巻き易いと言う点です。使う側としては、非常に安心して使えます。「撮み巻」の場合、下手な人が巻くと、巻が緩く、使っている間に、だん
この石は随分前に手に入れた「青砥」です。一度使用してお蔵入りです。研ぐと分かるのですがドロドロです。赤茶色の泥水が出てきます。弟子「一度しか研いで無かったのですか?」私「泥水を見た瞬間、騙されたとは言わなくても掴まされたと感じるくらい衝撃的にイメージと違いました」買ったのはきちんとした業者からです。研ぎ進めると粒が砕けて仕上げまでいけるよ、と聞きました。弟子「何故、今頃出してきたんです」私「もしかしたら使えるかと考えたからです」実際には中砥を調べていました。この石を手に入れたのは天然
先日、YouTube動画を見ていたところ、ある研ぎ師の方が協会鑑定書についてのお話をしていました。保存鑑定書の隠れたチェックデジットの話や、旧鑑定書の偽造品の話について大変勉強になるお話でした。さて、旧鑑定書については、昔から組織的な偽造が行われていたと聞きます。噂では西の方に、刀工、タガネ師、書道家、刀剣商で組織された偽造グループがいたそうです。売れない刀工が無銘の刀を打ち、タガネ師が指定のあった銘を彫ります。そして、あらか
昨年六月に次の様な記事を書いていました。経木で締めるのが苦手な人には、簡単ですが有効なので、皆さんの参考にそのまま載せます。この記事が自動で投稿される頃には、大阪に居ないと思います。申し訳ありませんが、土日と奉納演武で遠征です。連絡が付かないと思いますが、ご容赦願います。最近、柄内のガタツキを締めるのがずいぶんと成れました。先日も、柄作成の依頼を受けたお客様のお刀を、「少し締めれば、このままでも使えますよ。」と送料だけ頂いて、サービスでガタツキを無くして差し上げました。
(居合刀用の柄木です。中に深めに茎を刺す穴が開いています)何度かお話ししているのですが、居合刀は、基本的には分解できないよう作って有ります。厳密に言うと、分解は可能なのですが、一般の人には極めて分解しにくい様に作成されています。居合刀の柄は、量産された柄木です。なので、刀身を差し込む時に経木などで、固めてガタツキが出ない様にして、押し込んだ刀身ごと、目釘穴を斜めに開けて、そこに目釘を差し込んで、両端をカットします。説明書きの有る場合は、大抵、分解しない様に書い