ブログ記事1,335件
乗馬のレッスン中、手綱がブラブラ揺れてしまい、短く持つように指導されても、なかなか手綱の張りを保つのが難しい、ということはよくあるのではないかと思います。言われた通りに手綱を短くすれば腕が伸びきってしまうし、肘を曲げて身体につけるようにすれば、今度は長手綱になってブラブラしてしまう、ということで、自分は腕が短くて、乗馬に向いていないタイプなのでは?などとお悩みの方も多いかもしれません。しかし、いくら腕が短いと言っても、『ドラえもん』ほどではないでしょうから、多くの場合は、身体の
競馬のジョッキーや、ウエスタンのカウボーイ、あるいは流鏑馬の射手などが、二本の手綱を片手で保持した状態で騎乗しているのを見たことがあるのではないかと思います。といっても、そうした馬術を教えている所でもなければ、普段のレッスンで片手で手綱を操作するように指示されることはあまりないかもしれません。ですが、鐙の長さを調節したり、腹帯を締めたり、あるいは馬のお腹やお尻に鞭を入れる時など、片手で手綱を保持することが求められる場面というのは結構ありますから、スムーズに片手に手綱を
乗馬を始めてまだそれほど経っていないような方からよく頂くご質問の一つに、「馬たちは、あんなに深く首を曲げられて、苦しくないの?」というのがあります。確かに、鼻梁が垂直になるほど首を深く屈撓させた姿勢で、口から泡を吹きながら汗だくで運動している馬たちの姿を見れば、いかにも苦しそうで、まるで虐待されているような印象を受けるのも、無理はないかもしれません。(※あの「泡」は、馬が口を割ったり舌を越したりすることなくハミ受けが安定し、大量に分泌された唾液が口角付近に溜まって泡
日本の乗馬クラブにいる練習馬は、近年は海外からの輸入や国産の乗用種も増えてきているとは言っても、まだまだ大半は競走馬として生産、育成されたサラブレッドを乗馬に転用したものです。クラブの指導者が「乗馬と競馬は違うんだ」などと言っても、馬自身は、少なくとも育成段階までは競走馬として過ごしてきていることが多いわけで、その馬たちが本来どのような感じで動いていたのか、というようなことをある程度理解しておくことは、日常のレッスンなどで良好な関係を築く上でも必要なことなのではないかと思う
乗馬や競馬にかかわる道具の中でも、とりわけ多くの種類があるのが、「ハミ(銜)」です。ハミは、ご存じの通り、馬の口に咥えさせることで主にブレーキやハンドル操作を容易にするための道具であり、この銜と、鐙(あぶみ)の発明が、今日の馬術につながる歴史上の大発見であることは間違いないでしょう。古今東西、馬の性格や癖、あるいは求める運動や馬の調教段階といったことに合わせて、様々な形状のハミが生み出されてきました。様々な馬に関わった経験の数だけ、ハミのコレクションが増えるとともに、そ
乗馬の運動にすっかり慣れて、ライセンスのテストなどにもいくつか合格したりして、少しずつ本格的な馬術を習うような段階になってくると、レッスン内容だけでなく、騎乗する馬自体の難易度もぐんと上がり、それまでの初歩的なシンプルな扶助操作だけでは間に合わなくなってきて、いわゆる「ハミ受け」とか、馬の動きを改善させるための「フラットワーク」というような、馬の動き自体を変化させ、乗りやすく改善するためのテクニック、というようなものに、だんだん興味が湧いてくるのではないかと思います。そんな中で、指導
多くの乗馬クラブでは、ラチに沿っての蹄跡行進、そして部班運動というのが、主なレッスンの形態になると思いますが、そのようなレッスンに慣れてしまうと、たまに部班の先頭になったりしたとき、斜め手前変換などでいざ蹄跡から内側へ曲がらせようとすると、馬の顔だけが内側を向いたまま直進してしまったり、といったことも、よくあるのではないでしょうか。これらは、普段と違うことはやりたくない、前を走る馬についていきたい、という馬の習性とか、「塹壕か?」というくらいに深く掘れた蹄跡などのせいもあるのでしょう
馬に乗る時には誰でも、自分なりに考えた理想的な状態をイメージしながら、そこになんとか近づけようと試行錯誤していたりするものだろうと思います。ですが、馬の方にもその日の調子とか、それぞれの体型や性格、癖といった違いがありますから、乗り手がこうなって欲しいと考えているような状態に持っていくためには、教本に書いてあるような「正しい姿勢」でただ固まって頑張っていれば良い、というようなわけにはいきません。まず、それぞれの馬の性向やその時の状態を把握して、それらに応じた乗り方をしながら、こ
乗馬を習い始めた当初は、ほとんどの方が「馬にブレーキをかけたいときには、身体を起こして手綱を引っ張る」「走らせたいときは、手綱を緩める」というような感じで教わるのではないかと思いますが、それからしばらくして、ある程度の乗馬経験を積んだ方であれば、「そう単純なものでもない」ということもご存知でしょう。元気な馬を抑えようと何度もブレーキをかけているうちに、だんだん馬のテンションが上がって、止められないような感じになってしまったり、逆に、走って欲しいと思って手綱を緩めると、馬が力
いわゆる「ハミ受け」とか、ブレーキのかけ方、あるいは、立ち上がる馬への対処法など、ハミの使い方やハミが馬の意識に与える影について、現役騎手や調教助手の方を含めた数名の方から貴重なご意見を伺う機会があり、その中で得た気づきの中から、なかなか言葉で説明することが難しくてあまり詳しく語られることも少ない「アクセル装置としてのハミの使い方」について述べてみたいと思います。いわゆる「ハミ受け」を練習する場合にしろ、ブレーキやハンドル操作にしろ、ハミを使って馬に言うことをきかせようとする場