今日は、簡潔ながらモーツァルトらしい様式美と親しみやすさをたたえた「戴冠式ミサ」のお話。演奏時間、約25分。短い曲ですが、それには訳があります。当時、モーツァルトはザルツブルク宮廷音楽監督の地位にいて、多くの教会音楽を作曲していたのですが、ボスのコロレド大司教の意向で、音楽は45分以内と決められていたらしいのです。モーツァルトの幼少の頃より、父レオポルドとともに、庇護を受けていた身であったので、もっと長い曲を書きたいモーツァルトは我慢していたものの、ついに大喧嘩し、この曲の完成の2年後には、ザル