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快斗は蘭を連れてエレベーターに乗り込むとガラス張りの窓から下を見下ろした。暗闇の中で良く目を凝らすと人が動いているのがわかる。そして、拳銃やライフルで撃ちあいをしているのか発砲音や弾が金属に着弾して跳ね返る音も快斗の耳はしっかりとすべて捉えていた。快斗はその光景を蘭に気づかれない様に、あえて蘭の目の前に立ち壁に背中を預ける。しばらくするとラウンジ階に到着したエレベーターが停止して扉が開いた。快斗は蘭に先に出る様に促すと、周囲に目を配りながら小声で新一と通信しながら、待ち合わせ場所を青子
「快斗、キッドからテレビ局に『OK』の返事があったって。」「そうみてぇだな。」無言で前を見据えたままの快斗の横顔を見つめながら青子が言うと、快斗は唇を強く引いて応えた。それから後ろを振り返り、中森警部に視線を向ける。「警部がオレに話がある・・・っていってたのも、これの事ですか?」「ああ、その通りだよ。」警部は頷くと溜息を吐いた。「昨晩、鈴木次郎吉相談役から連絡があってね、今回の計画を明朝の朝情報を解禁してキッドに挑戦状を叩きつけるのだと息巻いてたよ。」「まあ、そうでしょうね、あの
オレはその日青子と二人でテレビの前のソファに座り、食い入る様にテレビ画面を見つめていた。テレビ画面のテロップには『黒羽盗一奇跡の大脱出』と表示されていた。大きな垂れ幕が下げられた遊園地でジェットコースターのまわりを取り囲む大勢の観客と報道陣が映し出されていて。そんな中で行われようとしていたのは、世界一のマジシャンであり、オレの親父でもある黒羽盗一の脱出マジックだった。ジェットコースターに乗り込んだ親父の手足はスタッフにより手錠と鎖でがんじ絡めに縛られていって、コースターの軌道上に
翌朝、快斗と青子はキッチンで二人で朝食の支度をしていた。つけたままにしたテレビからは、今日の天気、ニュースなどが流れて来て、快斗はそれを聞き流しながら、朝食を作る青子の横でコーヒー豆をコーヒーメーカーに入れて目盛りを確認しながら水を入れた後、スイッチを入れようとした。その時だった。玄関のドアがガチャリと開き、その後まもなく、キッチンの扉が開かれる。「お父さん!!おかえり。」「早いですね、警部。コーヒー飲みますか?」快斗はそうたずねながら、水を足しコーヒー豆の分量を調節した。それから
名探偵コナンから、平和な2人を服部平次ピンチ、なお話を思いついたので一気に描きます!(//∇//)💕消えた宝物、続編なり予期せぬ災難「気に入らねえ💢」タブレットを見ながら、思わずイラっとしたオレを、青子はちらり、と一瞥して、またその瞳を手元に戻した間も無く誕生日の警部へのプレゼントを絶賛製作中の青子キッドとして不在がちなオレを、最近ではあまり寂しがってはくれない程度には忙しいみたいだ悪い、と思いつつも、寂しがってもらえないのも困るオレそんなオレを、もっと悩ませる問
蘭はゆっくりと目を開いた。「ここは・・・。」呟いた蘭は大きく目を見開く。そこは、蘭にとっては良く見覚えのある場所だった。空を悠然と飛ぶ大きな船の最上部。蘭の親友である鈴木園子の親族が経営する鈴木財閥。その鈴木財閥が社の威信を掛けて造り上げた超大型飛行船。『BellTree(ベルツリー)一世号』その中でも蘭が今いるのは、『スカイデッキ』と呼ばれる、園子のおじである鈴木次郎吉が、キッドを捕まえる為に特別にしつらえた自慢の場所だった。「どうして・・・。」再び呟いた蘭は、すぐに目の
『キス《快青バージョン》』http://ameblo.jp/infinity20021008/entry-12234711063.htmlで青子視点で公開した作品を快斗視点で書いてみました。よろしければお楽しみください。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「なんか腹減ったな。」「そうだね。今日はお父さんも泊まりだし。夕飯何にしようかな?」そう答える青子を見ながらオレは思わず苦笑をもらす。「そうだな・・・。」(ホント・・・高校生男女の会話じゃねぇよな。)『
「青子・・・。」快斗と青子は、快斗の自室のベッドの上で二人で向かい合って座っていた。名前を呼んでそっと顔を寄せた快斗の声に青子が顔を上げて、その唇が触れ合うかに思えた。その瞬間。一瞬だけ躊躇うように息を止めた青子に気づいて快斗が動きを止める。「青子?」そう名前を呼んで顔を覗き込んだ快斗の顔をまっすぐ見つめたまま青子が快斗の腕を掴んだ。「どうした?」問い掛ける快斗に青子が少しだけ泣きそうな顔をして顔を伏せる。そのまま何も言えずにいる青子に快斗は小さく息を吐き出すと、青子を優しく胸
昼休憩の後、少しだけ教室を抜け出して戻ってくると、いつも隣の席にいるはずの青子の姿が見当たらずに、オレはぐるりと室内を見渡した。やっぱりいない。(どこに行ったんだよ?)もちろん青子には青子の用事があるし24時間ずっと青子のそばにいる事は出来ない。それでも少しでも姿が見当たらないと不安に感じてしまう自分は相当重症だと思う。きっと青子に話したら笑われるに違いない。(そんな情けない事言えるかって・・・。)そこまで考えてまわりに気づかれない様にひとりで微かに苦笑していると、不安気な表情で廊
青子は泣き疲れて、寺井の店のカウンターにうつ伏せて眠り込んでいた。突然青子の携帯電話が鳴り出す。父からの電話の着信。「もしもし。お父さん?快斗は?!」『快斗君は保護したよ。ただ・・・。怪我の具合が酷くてな。全治二カ月で入院が必要だそうだ。』青子の瞳から再び涙の滴が零れ落ちる。『病院には事情を説明しておくから、快斗君についていてあげなさい。』父は病院の名前と連絡先を伝えると、手短に電話を切った。まだまだ父の仕事は終わらないのだろう。青子は寺井に病院の名前と連絡先を伝えた。「青子
私の小説の快青イメージはこれ!!快斗も青子も可愛いです!触れそうで触れない手とか、リラックスしてる快斗にチラリとこちらをみてる青子とか。やっぱり快青良いですね!
新年第一弾で『キス』http://ameblo.jp/yo-ko081008/page-5.htmlというタイトルで平和の甘いお話を公開されたyo-ko081008http://profile.ameba.jp/yo-ko081008/にこのお話のステキなシチュエーションをお借りして快青で甘いお話を書かせていただきました。ぜひお楽しみください♪・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「なんか腹減ったな。」「そうだ
「寝ちゃったの?」夕方になり学校を終えたコナンが工藤邸を訪れると、ソファーで横になり眠っている青子に気づいて沖矢に視線を向けた。「ええ・・・ぐっすりと。昨晩は良く眠れなかったようですからね。」そう言って笑みを返す沖矢にコナンが頷くと、もう一度青子の顔を覗き込む。「涙の痕・・・。」呟いたコナンに沖矢も立ち止まり青子を見つめる。「ええ。テレビに映る彼の姿を見ては泣いていたので・・・ね。」「だろうね。」そう頷くコナンに沖矢が言った。「彼を助けて欲しいと言われました。」「うん
いつも通りの習慣で休日の朝、青子の作った朝食を食べる為に中森家の扉を開いた快斗。だが玄関に入ってもキッチンにも居間にも人の気配がない事を不思議に思いまわりを見渡した。休日だからといって青子がいつまでもベッドから起きてこない事は絶対にないし、警部が仕事なら尚更青子は起きて警部の出発の時間に合わせて食事の支度をしているはずだった。「青子?」快斗は青子を呼びながら玄関で靴を脱いで中に入る。すると、テーブルには朝食を済ませた食器が一人分だけ置かれていてそのままになっていた。快斗はすぐ