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数時間後、快斗がゆっくりと目を開いた。コナンはその顔を真横から覗き込む。「目が覚めたか?」「名探偵・・・。」問いかけたコナンに快斗が微かに目を細めるとフッと息を吐いて苦笑を浮かべた。「たくっ・・・。なかなか起きねぇから心配したじゃねぇか。」そう言って笑うコナンは指先で軽く快斗の額を弾いた。その額をおさえながら、快斗がゆっくりと上半身を起こそうとする。その瞬間。「いって・・・。」と、声を漏らした。それを見てコナンは言った。「当然だ。体中いたるところに切り傷とやけどの痕があるし
「何が大悪党だ、あのバカ。」つけていたワイヤレスのイヤホンを取り外すと、コナンは言った。「殺人犯にまで情を掛ける様な超お人好しのくせに。」コナンはそう言いながら、先日の伊丹達との事件を思い出していた。昔の恋人を結果的に自殺に追い込んだ婚約者。その婚約者を殺す為、キッドの名を騙り犯人は殺人を行った。結果的に、犯人を見つけ出し、その場にいた快斗も、どうしてキッドの名を騙ったのかと犯人に問いただした。快斗が見せた数瞬で宝石の高度な鑑定を行う能力。それに、ほんの一瞬だけ見せたあの気配。
船の外に出ると、平次はすぐに和葉を警察に預けて、念の為救急車で搬送して、健康上の被害がないか確認をする様に依頼し、すぐにコナンの元に戻った。「黒羽はどうや?」コナンは唇を強く引いて無言で頭を振った。22時ジャストまで残り30秒。本来なら、既に解体済みの爆弾で爆発が起こる事は無い。だが、再びデジタル表示が点灯していた端末。いまだ出てこない快斗。それに、高遠の快斗に対する執着、執念ともいうべきものを思うと、コナンは間違いなくこのまま穏便に事が済む事は無いだろうと確信していた。そして、