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久々の東宮殿はあの頃より増して開放感のある明るい佇まいを見せた。この空間との別れを、チェギョンは惜しむ間も与えられないまま取り急ぎ宮を去った。騒動の渦中に泡沫のように消える事を余儀なくされた。思い出の残るこの場所に再び舞い戻った。緊張した面持ちで、チェギョンはかって知ったる石畳を歩いた。『足元、気をつけろ』『分かってる!』過干渉な夫に辟易しながら辺りを見渡した。いつ何時、主である妃宮が戻ってきても良いようにと女官達が甲斐甲斐しく毎日の手入れに気遣っていた証拠が其処彼処に伺える。『妃
宮は薄暗い雲に包囲されているようだった。現に後日ある一定の時間、宮の上空の雲が渦を巻いていたと世間を騒がせた。チェギョンはシンや慌ただしく消えたヨナを思い不安を覚えていた。『お前はここにいろですって。。。何よ…ヨナは私の友人よ!』意を決すると立ち上がる。シンはヨンジンなる青年に対峙していた。コン内官も然り。『君は何処からきたんだ?』『どこから…って…まぁマカオに住む前はこの辺りだけど』『先程、姉上からの連絡で分かったことだが、防犯カメラを解析した。この東宮殿へは正門からの訪問では
むせるような花の香りと水気を帯びた熱い空気が辺りを包んでいた。観衆の見守る中、専用機のタラップを静かに下りる。近付いてきた一人の少女が小さな花の束を差し出す。受け取ると感謝の挨拶をする。少女ははにかみながら笑顔で手を振った。いつか見た光景と重なる。眩しく輝く太陽の下、シンは目を細めた。『殿下、この後歓迎の儀が行われ、パレード、それからホテルへと参ります』コン内官は簡単なスケジュールを伝えた。『あぁ、分かった・・』人々は大きく手を振りシンを歓迎していた。かつては皇太子としてこの国
季節は移る。宮殿内を吹き抜ける風は暑さを和らげていく。かつて顔を合わせば良くない感情を互いに向け合っていた幼い皇太子夫妻は今はなく、紆余曲折の後徐々に溶け合い、今では側近達が困惑するほどの熱愛ぶりである。公務の合間を縫っては妊娠中の妻の様子を見に東宮に戻る。愛妻家の夫となったシンを内官は感慨に浸り見ていた。2人の住む洋風の建物は王朝文化からはかけ離れてはいるもののこの宮廷に新しい風を運んだ新婚夫婦らしいものだと内官は返り見ると1人頷いた。『コン内官…』硬い表情で公務を終えたシンが内官に
『シン!チェギョンっ!』女皇帝陛下になった筈のへミョンは二人に駆け寄った。つい二、三日前に公務に赴く前の挨拶をかわした無表情な弟よりも、久方の義妹、チェギョンに飛び付いた。『女皇帝陛下!陛下がそんな事でどうしますかっ?』柱の影から皇太后が顔を出す。『わ、母上じゃなくて皇太后陛下いいじゃない姉妹の久々の再会よ?ここは家族の部屋なんだから!さぁ、入ってシンも母上とあれ?父上は?妃宮知ってる?』『あ、、はい。あれ?先程までこちらまでご一緒して・・』妃宮はいつの間にか消えてしまった舅を
その日の空はどんよりと黒ずんだ雲に覆われ、さしずめこの王世子である私の気持ちを表しているのだろうと仰いだ。マカオから宮に戻ったシンの沈む心の原因は相変わらずの「妻」の仕業だった。誰の差し金でも、大人の都合での二人ではなくただの「イ・シン」ただの「シン・チェギョン」で生涯を共にすることを誓った。慎ましく、されど温もりのある結婚式の後、彼女は一向に連絡をしてこない。元々公務の合間を縫って皇太后である祖母と共にチェギョンを訪ねた。当然すぐに戻らねば公務が滞る。その事を察して連絡してこない
ちょっとしたことを気楽に語りたいっ…という時に、「はむはむラジオ」と題して、いつもより、雑多にゆる~く語る超不定期企画『人とのご縁に恵まれて...祝!ブログ開設3周年!【はむはむラジオ】』ちょっとしたことを気楽に語りたいっ…という時に、「はむはむラジオ」と題して、私のプライベートも含めて、ゆる~いトーンで語る超不定期企画『私の(解放されな…ameblo.jp(前回は、昨年秋でした)今回は、ここ最近の私の「エモーショーナルな早春」について語ります
シンの命で内官は東宮殿の入口で誰の出入りも無いよう監視していた。トイレだと言って入ったまま出てこないヨンジンなる妃宮の客に不審を感じ、声をかけるが反応はない。ようやく中に押し入りもぬけの殻だと知った。更には消えた客人を東宮殿周辺にて捜索している間に置いて行かれたと察した妃宮までもが憤慨し警備をすり抜けるなどと予想だにしない行動に振り回されていた。慌てて宮殿に向かう途中に池の向こうで走り出したシンを目にした。『殿下!走ってはなりません!』庭園に内官の声が響く。『内官、チェギョンがもし、
宮廷内の庭を解放した春の祝宴会は宴もたけなわ。簡易の記者会見が終わると和やかな宴会に変わり国の要人達はシンとチェギョン夫妻に挨拶をと列が出来た。誰が見ても火を見るより明らかな歓待ぶりである。記者たちも誰が何番目に挨拶したと事細かに筆記していた。かつては孝烈皇太子の友人としてファヨンに手を貸していた記者もいた。皇室の信用を失墜させる事に加担した記者は国外へ逃亡を図る直前にシンに呼び出された。記者としての業界の信頼を無にし立場を追い、この国で一切の仕事が出来ないようにする事は造作もないが報
夜風がタイの街を駆ける。街路には国花でもあるゴールデンシャワーがひしめき咲いている。透けそうな白い茉莉花は風に揺れ夜露が香りを幾分薄め鼻腔を擽る。辺りは水気を帯びた土の香りを漂わせ、一層不可解な夜を創造する。タイ訪問の公務の最中、シンは母国を追われた従兄、ユルと再会を果たした。ホテルの一室、広いリビングに置かれた長いソファに腰かけ、窓辺に立つ従兄を静かに見つめた。『皇太后様が体調を崩されたとは…容態は大丈夫なのか?』本気で心配しているユルをシンは不思議に思う。何故、彼が叔父や叔母で
1人東宮殿で残されたチェギョンは除け者にされた様で時間の経過と共に苛立ちが増加していた。『大体、ヨナは私の友達よ?なんでシン君がつれてくのよ…』半ば開き直りで友人を救出に向かう気持ちで邸を後にした。『妃宮様、お出掛けでしたらお車で…私どももお供致します』ボディガードであるイギサの1人がチェギョンの足を止めた。『……ええ。お願いするわ。車回してください』『はい。ただ今』『とりあえず待ってるから早くしてね。あ、それから、私の部屋にある赤い箱を持ってきて貰いたいの』『赤い箱ですか?』
『ウッティレート医師、チェギョンが妊娠とは確かなんですか?確かだとしても何か他に病気があるわけではないのですか?頻繁に倒れるのは何か』『いえ、妊娠初期は様々な症状がでます。妃宮様の場合は典型的と言えば典型的ですが数値も著しく悪い訳ではありません、、食事が摂取出来ない事が何より心配ですがでは、殿下見てみますか?』『見てって…見れるのか?だったら是非』『妃宮様先程は見られるのはお嫌だと言われましたがどうされますか?』『だって恥ずかしいし』『何が恥ずかしいんだ!』『だって』『先生お願いし
診察の時間外、静かな待合でヒョリンの落ち着いたトーンの声が響いた。『…順を追って説明するわね。シン、いまの貴方は呆れるくらいに理性的ではないわ。。チェギョンの事だから仕方ないのかもしれないけれど』一瞬見せた寂し気な表情を今度は深呼吸とともに切り替え、凛とした目を向けた。『まず、今日の正午頃、私はインを迎えに行った空港で、すれ違い様に倒れた人がいて助けたの…それがチェギョンだった…』『倒れた?』なんの報告もなかったと無言で鋭い視線を尚宮へ投げるシン『…えぇ』『…尚宮、お前の仕事は何だ
『ちょっと!大丈夫ですか?』『…様っ?』暗がりに甲高い声が耳に飛び込んで来る。どうやら自分を呼ぶ声のようでチェギョンは薄っすらと瞳を開いた。誰かに抱き留められているようで、肩を強く揺さぶられる。『妃宮様っ、大丈夫ですかっっ?』チェ尚宮の声にもう一人が強く反応する。『え。。チェ、チェギョン?』『大変申し訳ございません、あまり動かす事も危険ですのでこのまま…護衛のものが参りますので…』『あら?貴女…チェ尚宮さん?』『あ、あなたは…』『…ん…』妃宮を支える通りすがりの人物に尚宮
シンとチェギョンはいつもの朝を迎えていた。先に目覚めたシンは傍らの妻を眺めている。『ん…。』覚醒しそうな妻をその胸に抱き寄せた。額にかかる前髪を指で流し、むきだしになった丸みに口付けてみるが肝心のチェギョンは微動だにせず。しかしてどういう訳か日々愛しさに拍車がかかり止まる事を知らない。『まずいな…好きになりすぎる。。』呟いた。『シン…くんもっと……たい』腕の中のチェギョンが絡みついて来るので更に目が覚める『ん?!』何の夢を見ているのだろうか、それにしても押し付けるはだけた胸
『尚宮お姉さん…どうしよう…』肩にかかる髪が風に揺れる。俯き、拗ねたように唇を尖らせた。『どうなさいましたか?妃宮様…』従うべき主の気持ちの浮沈を敏感に感じとるのも皇太子妃に仕える尚宮の仕事。本音を隠した主人の心の機微を察知するのは至難の技である。特にイ・シンに於いてはコン内官にしか見せない心の内がある。内官の宮での信頼感はそこからも伺い知れる。しかし、チェ尚宮は平然を取り繕う。チェギョンの感情の起伏を平坦にすべく考案したのはチェギョンの悩みについて感情を入れないこ
温洋御用邸は昨夜からの強風から開放され穏やかな朝を迎えていた。庭の柳はしなやかに名残の風に揺れている。滴る雫が朝日に輝いていた。『ミン…ミンはいるか…あ、いや皇太后?』『どうされましたか?陛下…今朝は随分とお早いですね』虫の知らせか、邸内の空気の異変を察知した前皇帝陛下は妻を呼んだ。寝所の戸が僅かに開くと、夫を招き入れた。『あ、いや…今日はやけに外が騒がしく感じて…そう思いませんか?』『……そうでしょうか…私には何も。ただ、久方に妃宮の夢を見ました…』『妃宮の?一体どんな夢か聞か
ホテルゼウスの周辺は物々しい雰囲気だった。警備は万全である。ヨンドはタン、チャニョンと協力し合い通常の警備の他に不明瞭な箇所がないかつぶさに洗いだす。『っていうか、お前今日はこんな所にいるヒマないだろ?俺とチャニョンで何とかなるから、帝国大学の視察の方に早く迎えよ…』ヨンドはいちいち色んな箇所に嫌味を言うタンを煙たがった。『ばっ!バカ言うな。可愛い妻に何かあったら大変だろ?厨房の配膳用エレベーターなんか頑張れば大人1人は乗れる…そういうのもちゃんと見とけよ』『はぁっ!分かってるって、
宮にはすっかり静けさが戻っていた。春の祝宴会は追放から帰還した妃宮の為の催しであり、誰もがその突然の帰還に納得し祝福した。その一日を緊張で過ごしたチェギョンには疲労の表情が現れていたが数日経っても体調は優れぬままだった。シンは事を性急に動かした事に後悔の念が走る。一刻も早く妃宮の帰還を人々に認めて欲しかった。祝宴の後の晩餐会は殆どが仲間内での集まりであった。チェギョンの弟はシンの友人ファンと意気投合し、ガンヒョンは相変わらず冷たくギョンを遇らうが其処には一方通行ではない何かがあった。ヒ
公務を終え帰路に着いたシンは静かな筈の東宮の奥から聞こえる不自然な音に不審を感じながら更に歩みを進めた。この広い宮殿の中でも二人の新居となった東宮は珍しく洋風に造られている。周辺は父が帝位についたと同時に入宮し、幼き頃より慣れ親しんだ景色。当然ながら建造物はどれも歴史的な価値がある。丹青の彩と白い砂、赤松、柳、ハンノキ…深き緑に普段なら癒される。妃宮との安らぎの場所でもある。中央のパティオから左右に夫妻のそれぞれの部屋がある。一先ずは原因を突き止めようと妻の部屋に向かう。『!!』入り
『改めまして本日は、この様な茶会に招いて頂き、ありがとうございます。妻、チェギョンです。この様な登場に皆様は大変驚かれたと思いますが、次代のこの国を担う子を授かり体調優れぬ中、私が一人にならぬ様に皆様に認めてもらいたい一心で参じた様です。これからも皆様の一員として宜しくお願いいたします。』シンはチェギョンを呼び寄せると、並び立つ。先程の厳しい表情とは打って変わって参加している人々が驚くほど柔らかな表情を見せた。『皆様。紹介いただきましたチェギョンです。民間から嫁ぎ、躾も乏しくそぐわぬ私を長い
無事に7年とちょっと越しのその後物語を書き終える事ができ、非常にスッキリした気持ちです。思えば、宮を見終えてからが始まりでした。2周、3周する内に、続きが見たいと願うようになりました。その後物語はラストだけが頭に浮かんでいてそこに向かって書き出したわけです。最終的な終着はここに。。それだけを念頭に書き始めておいて気付けばあちこちのドラマにうつつを抜かし、寄り道しまくりでなかなか進めなくなり、そうこうしている内に内容を忘れてしまったという救いようがないパボな私が悪い訳ですが…今思えば必
タンは流れ行く景色をただ見つめていた。大学は喧騒を離れた郊外に向かう。新帝国大学の誕生により大きな街が生まれ、駅も新たに設置された。視察の為の車内は異様な緊張感に包まれている。赤信号、進路から目を離しチラリと隣を確認する。『あ、あの…』『なんだ?』『い、いやぁ…陛下がこの車に…似合わないなと』『確かにスポーツカーはあまり乗らないが…嫌いじゃない』『良いんですかね…内官さん…困ってましたけど。後部座席の方が良いかと…この車は防弾とかもないし…』『内官はいつも困ってる…そういう役
へミョン女皇帝や太皇太后の住む景福宮は朝から慌ただしかった。それは昨夜のコン内官からの報告が発端で、太皇太后、へミョン女皇帝は元より、宮殿内は大騒ぎしていた。『お、お祖母様!!太皇太后陛下!シンとチェギョンに…赤ちゃんが!』朝一番に祖母に挨拶にきた孫娘であり女皇帝でもあるシンの姉へミョンは祖母に駆け寄る。『慌てるでないへミョン…いえ、女皇帝陛下。まずは二人をすぐに呼び戻すのだ……首を長くして待っておったがやはりマカオでのあれは懐妊の兆しだったのだな』太皇太后はチェギョンの異変に心当た
それは思い返せば奇妙な出来事だった。いつもの朝、いつもの風景ではあったが何処か空気が違う。シンは目覚めて感じた胸騒ぎにすぐ傍で安らかに眠るチェギョンの手を握りしめた。『…ん…シン君?どうしたの?』『いや、、何となく…寒くないか?』『大丈夫…もう少し…このままで』?『ん?』『だから、もう少しこのまんまでいたいなって…離れたくないの…』チェギョンは腰に腕を回すと顔を隠すようにシンの胸に丸くなった。『…尚宮から聞いたか?今日の午後は国立博物館の竣工パーティーがあるが…来れそうか?』
チェギョンは改めて皇帝陛下である義姉、へミョンに呼ばれ、彼女の自室にいた。皇太子のスキャンダル、妃宮と義従兄ユルとの噂、皇太子夫妻の不仲説が王室を揺るがし、廃位、廃妃問題が勃発した。義誠大君との権力争いから宮廷内での放火事件まで起き、それを収める為にチェギョンは国を出た。皇太子妃の不在の間、さぞ王室は無事に平静を取り戻しただろうと想像していた。しかし、へミョンによれば、世論の反感緩和は一筋縄ではいかなかったらしい。『考えが甘かったみたいね…貴方を国から追い出せば反省したと国民は皇室を許すだ
『明日ね…』『あぁ、明日…』シンとの電話を切った直後からチェギョンは言い知れぬ不安に襲われていた。『妃宮様?』無言のまま携帯を耳に付け静止した妃宮にチェ尚宮は声をかけた。『妃宮様、どうかなさいましたか?何か心配事でも…』尚宮の声に気付く気配もなくゆるやかに長い髪を不安に揺らしながら主は携帯を見つめる。それから気を取り直したように顔を上げると再び携帯を耳に当てた。『あ…もしもし…お久しぶりです・・コン内官?チェギョンです…。はい。私も尚宮も元気ですよ。え?シン君が画像を?・・ありが
シンの滞在するホテルの一室。一際重厚な扉の前には物々しい雰囲気で護衛官・イギサが立つ。チェギョンにも本国では三名の女性イギサが付く。タイへの公務中のシンを訪ねたユルはかつて皇太子だった。僅か5歳の頃まで皇太子として景福宮で暮らした。父・孝烈皇太子が急逝したため第二皇位継承権の叔父が帝位に就くと皇太子の位は従兄弟であるシンへと移行した。そして、母ファヨンと共に宮廷を追われた。それさえ無ければチェギョンの許嫁は本来、義誠君と呼ばれたユルであった。そんな昔に思いを馳せながらシンは口を開いた
『結婚しないか』ある日の午後、無人の教室の片隅で彼女に告げた。ヒョリンは瞳を丸くして、それでも冷静に答えた。『私達はまだ学生よ?』確かに彼女の言う通り、現実的に無理がある。皇族の結婚は早く黙っていれば勝手に妃を決められる。宮家の言いなりになり知らない女と結婚するのは癪に触る。皇太子という特殊な立場故に一般的な常識が皆無かまたは欠如した思考に陥りやすかった。『結婚』の発言自体、皇太子として生きてきたシンにして余りに突発的である。ヒョリンからすれば驚いて当然の申し出だった。厳しいしきた
得体の知れない不安におそわれたままのチェギョンは今しがた去っていった青年ヨナを思っていた。『他人じゃない…』単に弟に似ているだけではない。。夫シンが嫉妬心に苛まれる程、チェギョンの中でヨナという青年にはどこか近しい感覚を覚えていた。しかし、去り行く真際にチェギョンに接近した事で、チェギョンは全くあり得ない事に気付いてしまった。『そう…だってシン君に似てるのよ…似てる訳ないけど…でも似てる…』不可解で霧の峠を歩んでいるように不思議な感覚である。雲の中にいるようで、それでいて意識はハッキ