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私は大学では文学部に進んだ。半世紀前の文学部ではフランス文学(以後、仏文学)が人気があった。私が通った大学では2年生から専門の学科に進むことになっていたが、仏文学は人気があったので成績が優秀でないと入れなかった。仏文学専攻ばかりでなく文学青年の間でも、バルザックやランボーやサルトルの名は知られていたが、モンテーニュを知っている人は少なかったような気がする。その著書『エセー』を読んだ人もそんなにいないかもしれない。翻って現代はどうだろう。もっと少ないのではないだろうか。彼の本名はミ
「フランス史上最も身だらな王妃」――そんな不名誉な呼び名を与えられた女性がいました。彼女の名は、マルグリット・ド・ヴァロワ。ルネサンス期のフランス王家に生まれ、才色兼備と讃えられながらも、政治と宗教の渦に巻き込まれていった王妃です。彼女が嫁いだ相手は、のちのアンリ4世。しかしこの結婚は、カトリックとプロテスタントの和解を狙った**“政略結婚”であり、愛とはほど遠いものでした。そして、結婚式の5日後に起こる「サン・バルテルミの大虐殺」**が、彼女の人生を地獄に変えていきます。果たして
「絶対にカトリック以外は認めない!」そんな強い信念を抱いた王がいました。スペイン黄金時代の国王、フェリペ2世です。あなたは、「宗教の違いが戦争の引き金になる」ことを、どこまでリアルに想像したことがありますか?フェリペ2世が目指したのは、カトリックによる統一。しかし、その理想はやがて大きな反発を生み、80年にもわたる戦争を引き起こしました。フェリペ2世が直面した「カトリック帝国のジレンマ」1556年、フェリペ2世は広大な領土を受け継ぎます。父カール5世から引き継いだスペイン帝国は、ヨー