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●毘沙門天(びしゃもんてん)(※画像は文化遺産オンラインから)(奈良国立博物館所属「毘沙門天立像」)密教に於ける天部十二天にして、四天王の一神である「多聞天」の別称。インド神話では「ヴァイーシュラバナ」といい、「仏の教えをよく聞く」という意味で、これを訳して「多聞天」といい、梵語を音訳して「毘沙門」と名付けた。単独尊たる毘沙門天である際は武器は右手に、四天王の多聞天である際は左手に持つ。古代インド神話『マハーバーラタ』によると、毘沙門天は暗黒界に住む悪霊の長とされ
●風天(ふうてん)(※画像は文化遺産オンラインから)(京都国立博物館所属「十二天像風天」)密教に於いて北西を守護する十二天の中の一尊で、元は古代インドの聖典「ヴェーダ」を発祥とする、風を神格化した神「ヴァーユ」。インド神話の原人(プルシャ)の胸から生まれたとされる。仏教では釈迦の化身とされ、その無碍にして速やか、神通自在の精神、何にも捉われない悟りの境地の体現であるとされる。一般的には白髪・白髭の老人の姿で、体色は赤く、冠を被り、甲冑を着て、右手に幡(はた)を付けた槍
●地天(じてん/ぢてん)(※画像は文化遺産オンラインから)(奈良国立博物館所属「十二天像地天」)密教に於いて下方を守護する十二天の中の一尊で、元は古代インドの聖典『ヴェーダ』を発祥とする、天空神ディアウシュの妻にして、万物の生育を司る大地の徳を神格化した地母神の「プリティヴィー」。これが密教に取り入れられると、大地の天部で男神の「堅牢地神(けんろうじしん)」と同一視される。また、阿修羅王や釈迦の化身ともされる。密教では作壇(儀式用の壇を構えること)をする際に、まず
●日天(にってん)(※画像は文化遺産オンラインから)(京都国立博物館所属「十二天像日天」)密教に於ける十二天の一尊で、別名は「日天子」、「日光天子」、「宝光菩薩」、「宝光天子」とも。元は古代インドの、太陽を神格化した神「スーリヤ」。元来スーリヤは、サンスクリット語で想像力・自由を意味する「アニチ」より誕生したとされ、後に同じ属性が付与される。密教に取り込まれると、金剛界曼荼羅では遊空天(ゆくうてん)として、胎蔵界曼荼羅では外院東方に位置して、5頭立て、もしくは7頭立て
●水天(すいてん)(※画像は文化遺産オンラインから)(奈良国立博物館所属「十二天像水天」)密教に於いて西方を守護する十二天の中の一尊で、元は古代インドの聖典『ヴェーダ』を発祥とする、天地を保持し天界と人界の両方を統べる王にして最高神である「ヴァルナ」。『大日経』などでは、水神の長として龍族を統括する存在の「縛魯拏(ばろだ)龍王」とされる。後世に於いて、大洋・河川・水の神と観念され、密教では如来の大悲・大智を司る存在とされた。一般的には亀に乗った姿で描かれ、右手に宝剣、
●月天(ためしてがってん)(※画像は文化遺産オンラインから)(京都国立博物館所属「十二天像月天」)密教に於ける十二天の一尊で、別名は「月天子」、「月光天子」、「月神天」とも言い、その宮殿を月宮殿というため、「月宮天子」とも。元は古代インドの、月を神格化した神「チャンドラ」もしくは「ソーマ」。愛・快楽・光明・不死を司り、星宿の王とされる。日天が数頭立ての馬車に乗った姿で描かれるのに対して、月天は数羽のガチョウに乗った姿で描かれる。日天とほぼペアで扱われる天部です。
●火天(かてん)(※画像は文化遺産オンラインから)(京都国立博物館所属「十二天像火天」)密教に於いて東南を守護する十二天の中の一尊で、元は古代インドの聖典「ヴェーダ」を発祥とする火を神格化した神「アグニ」。清浄さ・激しさ・焼尽と再生を司る神聖なる神とされる。一般的には四臂(四本腕)の仙人の姿で描かれ、胎蔵曼荼羅では手に煩悩を焼く三角の炎、数珠、自らを戒める棒、わずかな水の入った水瓶を持った苦行者を象徴した姿で描かれる。苦行者が火天に頼む際は、一切の煩悩から離れる必要
●鬼子母神(きしもじん/きしぼじん)(※画像はwikipediaから)密教に於ける天部の一神で、仏教を護る夜叉の一尊。インドでは「ハーリティー」と呼び、その音から「訶梨帝や訶里底(かりてい)」、「呵利陀(かりだ)」と書かれるため、「訶梨帝母(かりていも)」とも称される。また、ハーリティーは誘惑や敗北、緑、緑青などを意味し、訶里底は悪女を意味する言葉でもあるから、「青色鬼」、「鬼子母」、「大薬叉女」などと意訳された。密教では吉祥天の母とされる。『一切説根本有部毘奈耶
●大聖歓喜天(だいしょうかんぎてん)(※画像はwikipediaから)密教に於ける天部の一神。元は、インドの古代神話に登場するシヴァとその妃パールヴァティの子(異説あり)である「ガネーシャ」(ガナバティ(俄那鉢底)とも。ガナは軍勢、バティは主を意味し、シヴァ軍の統率者を意味する)。また、人に障害を齎す象頭人身の「ビナヤカ(毘那夜迦)」とも同一視される。歓喜天と呼ばれる理由は――むかし「マラケラレツ」という王がおり、牛肉と大根を好んで食していた。しかし牛がいなくな
●焔摩天/閻魔天(えんまてん)(※画像はwikipediaから)密教に於ける天部の一神で十二天として南を守護する。元は、インドの古代神話の光明神「ヤーマ」で、それに漢字を当て嵌め焔摩/閻魔/夜摩とした。ヤーマには一対を為すという意味があり、双王とも訳されるため、ヤーミーという妹と双子であるとも言われる。インド神話『リグ・ヴェーダ』では、ヤーマとヤーミーは人間の祖であり、この二人が近親婚した結果、最初の人類が誕生したとしている。また、ヤマは人類最初の死者であると
●三面大黒天(さんめんだいこくてん)(※画像は「鷲峰山高台寺圓徳院祈祷開眼三面大黒天原寸大複製置物」)正しくは「三面六臂大黒天」。大黒天の左面に毘沙門天を、右面に弁財天という、七福神の天部の三尊を合わせた最強の福神。日本独自の尊であり、発祥は比叡山延暦寺が台所の守護神としたのが始まりとされる。合体させるに至った経緯は不明であるが、本来は仏教の秘法として仏像も秘仏とされていた。若い頃の豊臣秀吉が、三面大黒天の塑像(粘土や石膏で出来た像)を手にし、自らが立身出世して
天部や天使は霊的な世界に属するが,霊的に神と人間の中間の存在で,人間にとても近い存在といわれてます。天部や天使は人間よりも優れた能力を有しますが,実は,人間も第三の目が完全開眼し,高次元の意識が目覚める時,天部や天使などと同じような能力が使えるようになります。弘法大師空海や,役行者は,第三の目が完全開眼し高次元の意識が目覚めており,天部や天使、眷属なども従わせることができたといいます。弘法大師空海が虚空蔵求聞持法によって,第三の目が完全開眼し高次元の意識が目覚め,修行の完成
●羅刹天(らせつてん)(※画像は文化遺産オンラインから)(京都国立博物館所属「十二天像羅刹天」)密教に於ける天部十二天で、西南を守護し、八方天では南方を守護する天部。サンスクリットでは「ニリチ」で、それを漢字にし「涅履底(ねりてい)」とも表記される。元は、焔摩天の神妃、若しくは娘、または母ともされ、破壊・不幸・災禍をもたらし、病・死・恐怖を司る死霊ともされる女神である一方、インド神話では、神々に戦いを挑んだ魔王ラーヴァナの配下の悪鬼たち「ラークシャサ」とされる。仏教
●自在天/大自在天(じざいてん/だいじざいてん)(※画像はwikipediaから)密教に於ける天部の一神。元は、インドのヴェーダ神話に登場する「ルドラ(魯捺羅)」であり、ヒンドゥー教に於いては三主神の一神である「シヴァ」。自在天とは、シヴァの別名「マハーシュヴァラ」を訳したもので、日本では「大自在天」とも称される。別名として「摩醯首羅天(まけいしゅらてん)」。日本では単独で祀られることは稀で、図像や曼荼羅として描かれはしても、像が造られて祀られることは希少である。
●摩利支天(まりしてん)(※画像はwikipediaから)密教に於ける天部の一神。インドでは陽炎や威光を意味する「マリーチ」で、それを神格化したもの。その音の響きから摩利支天とされた。陽炎の神格化であるため、太陽の天部である日天の眷属とされる。強烈な光を背にして隠れながら阿修羅と戦ったという神話から、誰にも見えない、誰にも害されない隠形の神・不敗の軍神として崇拝され、楠木正成や戦国武将は数センチの摩利支天像を兜の中や懐に入れて戦っていたという。現在は男神として描かれること
●吉祥天(きちじょうてん/きっしょうてん)(※画像はwikipediaから:色調補正を施し)密教に於ける天部十二天の一神。インドでは大いなる幸運を意味する「マハーシューリー」と呼ばれ、それを訳して「吉祥天」若しくは「功徳天」とする。インド神話では「ラクシュミー」とも呼ばれる美と富と幸運の女神。海から生まれ、ヴィシュヌ神(密教でいう那羅延天)の妻となったが、仏教に取り入れられた際に、父は徳叉迦(とくしゃか/とくさか)という龍王、母は鬼子母神、夫は毘沙門天(若しくは兄)と
●弁才天(べんざいてん)(※画像は文化遺産オンラインから)(東京国立博物館所蔵「弁才天十五童子像」)密教に於ける天部の一神。インド神話では「サラスヴァティー」。サラスヴァティーとは「水多き地」を意味する河の名で、それを神格化したもの。それへ弁舌の神「ヴァーナ」を習合したため弁才天と訳され、また、川の涼やかなせせらぎから想起され「美音天」・「妙音天」とも称される。インドではビーナと呼ばれる弦楽器を持つ姿で描かれるが、日本に入って来ると琵琶に変更される。中世になって財福の神と
●迦楼羅天(かるらてん)(※画像は海洋堂『リボルテックタケヤ』)(「迦楼羅木調版」好評発売中!)密教に於ける天部の一尊で、天龍八部衆の一つ。元は、ヒンドゥー教に於けるカシュヤパとヴィナターの子で、ヴィシュヌ神(「那羅延天」)の乗り物である神鳥『ガルダ』。ガルダは生まれた直後、身体が光り輝いていたため始め火神と視認されたが、その後に鳥類の王とされる。神話では天敵であったナーガ族(蛇・竜)を主食とするため、人々より聖鳥とされた。仏教に取り入れられると「金翅鳥(こんじ
●増長天(ぞうちょうてん/ぞうじょうてん)(※画像は文化遺産オンラインから)(奈良国立博物館所属「増長天立像」)密教に於ける天部にして四天王の一神で、増長天は四天王山の南方を守護する。インド神話では、帝釈天(インドラ)の配下で、増長の意味である「ヴィルーダカ」で、それを漢字にし『孔雀経』などでは、「毘楼勒叉(びろくろくしゃ)」・「毘嚕陀迦(びろだか)」などと表記される。配下の眷属には、鳩槃荼(くはんだ:クンバーンダ{鬼神})や羅布担那(らふたんな{夜叉})、薜茘多(
●伊舎那天(いしゃなてん/いざなてん)(※画像はwikipediaから)(京都国立博物館所属「十二天像火天」)密教に於いて北東を守護する十二天の中の一尊。元はヒンドゥー教の三主神の一神である「シヴァ」であると共に、インドのヴェーダ神話に登場する「ルドラ(魯捺羅)」の化身でもあり、暴風の神・憤怒の火神と観念される。第六天魔王の住処である「他化自在天」の主とされ、また日本では、イザナギノミコト(伊邪那岐命)と習合する場合もある。描かれる際の姿はシヴァ神、およびその密教
●広目天(こうもくてん)(※画像は文化遺産オンラインから)(東京国立博物館所属「広目天(木造四天王立像)」)密教に於ける天部にして、四天王の一神で、広目天は四天王山の西方を守護する。インド神話では、帝釈天(インドラ)の配下で、増長の意味である「ヴィルーパークシャ」。それを漢字にし「毘楼博叉(びろばくしゃ)」と表記される。修験道などでは水神(龍王)の首領とされ、火渡りの際には広目天の印を結ぶ。また、民間に於いても水神として祀られた。配下の眷属には、諸々の龍王の他に、富単那(
●持国天(じこくてん)(※画像は文化遺産オンラインから)(東京国立博物館所属「持国天(木造四天王立像)」)密教に於ける天部にして、四天王の一神。四天王は須弥山(しゅみせん)中腹の四天王山に住まう護法の神で、持国天は東方を守護する。インド神話では、帝釈天(インドラ)の配下である「ドゥリタラーシュトラ」で、それを漢字にし「堤頭頼咜(だいどうらいた)」とも呼ばれる。ドゥリタラーシュトラには「国を治める」という意味があり、護国の天尊として尊崇された。日本に入ってきても、仏法守護