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仕事で書いているわけでもないのに、結構このブログのアクセス数は気になります。そして定期的にそういう内容の記事も書いています。今回もそれ。このブログのアクセス解析、スマホのアプリの管理画面からしか見られないものが一部あります。基本的にPCで管理しているので結構最近まで気が付きませんでした。前にも書きましたが、スマホのアプリでしか見られない数字がこれ↓このブログの読者の約半数が50代。50歳以上が7割、40歳以上だと実に9割。39歳以下の人は合計しても1割にも満たない・・・
小太刀……!僕です!今回はこちら!うさぎや×セーラー万年筆備前長船小太刀です!うん!小さい!うさぎやという、岡山を中心に展開している文房具屋と広島のセーラー万年筆のコラボです。元になった万年筆はセーラー万年筆のプロフェッショナルギアスリムミニなのでめちゃくちゃ小さいです。でも、手が小さい人はこっちの方が持ちやすいし、僕はこの大きさがとても好きです!まぁー安心安全のセーラー万年筆です!あ、コンバーターは普通のは入りません。ので、ミニタイプかカートリッジで運用しましょう!
スロヴァキア首相の暗殺未遂。イラン大統領の不審な墜死。続く戦争、ジェノサイド…。今、世界は異常なほどの争い、対立、憎しみに満ち、不穏な空気感に満ちています。連綿と続く、世界の対立と闘争の歴史に対し、日本は稀有な歴史を持った国でした。1540年台初めに、ヨーロッパから鉄砲が伝来するや、日本人はあっという間に最高級の技術を以て質の良い鉄砲を製造するようになり、一時期は輸出までしていたにもかかわらず、いつの間にか利便性の良い飛び道具を自らの判断で放棄し、刀剣の世界に戻
長船助光刀匠に三尺三寸の刀の作製を依頼しているのだが(写真は三尺三寸の居合刀)打ち下ろし刀身のみで1.6キロ程になる予想で重くなるので樋を入れてしまおうと思っている。樋を入れると、応力の関係で後々曲がってしまう可能性が高いが、重すぎて振り回せない飾りにしてしまうよりは使い捨てにするつもりで良いから軽くしておきたい。(毎日ジムに通ってゴリゴリマッチョになれば簡単に振り回せるかもしれないが笑)武用刀も難しい:備前長船助光作刀鍛錬記美術刀も難しいですが、武用刀も難しい。美術刀とか
こんにちは、久津間です。時たまSNSで話題になる「日本刀で〇〇斬ってみた。」という動画についての自分の意見を、刀剣商としてと一刀剣好きとしての2つの立場で書きます。・刀剣商としての意見まず研磨代がもったいないのでお勧めしません。刀と研磨は切り離せない仲ですが、無駄に研ぎ代をかける必要はありません。研磨する以上は研ぎ減りますし、研ぎ減った分はどんな名研師であれ元には戻せません。買取価格で言えば研ぎ代を差し引いた値段でしか買取できませんし、状態によっては研磨後にどうなるかが測
私は刀が好きなのですが一つわからない事があります。そもそも日本刀て何?どういう条件を満たせば日本刀なのでしょう?「玉鋼が原料で、それを折り返し鍛錬して作った刀」という認識が一般には多いのではないかなと思います。しかし、玉鋼と同種の鋼は新刀期より以前には存在しません。玉鋼という名称にいたっては近代以降のものにすぎません。玉鋼じゃなくても、たたら製鉄で作られた和鉄なら良いのか?しかし古くから「南蛮鉄で鍛えた」と銘にある刀も多いし、中国大陸の鉄材を使用したような古刀
かなり使い込んだ刀の鯉口ですが、ここまで傷む前にまめに補修してあげると、簡単に補修出来るのですが。写真の鯉口は、抜刀道の方が長く使われた刀の鯉口です。ここまで傷めると鯉口の補修もかなり面倒に成りますが、早め早めに補修していたら、物の5分で終わる作業なんですが。こちらは、私が30年以上前に買った、最初の刀の鯉口です。この頃は、私も良く分からず、抜刀、納刀を自己流でして居ましたので、かなり、鯉口に無理をかけて居たようで、鞘が割れそうな程、内側を削ってしまって
切っ先三寸だの物打ちだのと居合ではよく言われる。しかし物打ちってどこ?と抜刀道経験者に聞くと案外皆が違う位置を指す。物を斬らない人に聞くと大体が切っ先三寸の位置じゃない?と答える。そして僕自身も実は明確な位置って答えられなくて刀によって違う、長い刀は切っ先から遠くなるし短い刀は切っ先に近くなると答えてきた。(これを聞いた人は皆さん、えー(・´ω`・)という顔をされるので何か良い解答を模索しています笑)しかしこの本のおかげで、ようやく物打ちが科学的にどこかを証明されたのだ
鎌倉〜南北朝時代に作られた太刀。馬上戦馬を想定して刃長が80cm前後と長めに作られたものが多いですが、後世、馬上戦が減り、手元から切り詰めて短くして地面で戦うことを想定した打刀に作り変えられるケースが多く見られます。写真の左が太刀、右が太刀を切り詰めて打刀にされたものです。
その方は、身体の具合が少し悪いらしく、あまり活発な活動が出来ないのだそうで、如何にも、か細い声を出して居られました。その方が、私の動画を見て、大変気に入って、同じ動画を何度も見返し見て楽しみにされているそうです。「今日も頑張って上げて下さい。」と頼まれると、単純な私は、動画を撮らずにはいられません。そこで、頑張って一振りアップして、昼間から動画をアップしました。私のたどたどしい、如何にも素人だと言うのが、好感を持って、受け入れて頂いている様です。私は、お店の宣伝
「なぜ日本刀に反りがついたのか?」これについて紹介したtweetが先日バズりました。このような内容が多くの人の興味を引いた事に驚いています。多くの人にとって先日の内容が珍説に思えるからなのかな?とも考えました。でも、日本刀の成立過程について歴史学の世界で現在どう考えられているのかを知れば、少なくとも「珍説」とは思えなくなると思うのです。今回改めて日本刀の成立に至る過程が現在どう考えられているのかを紹介してみようと思います。↑長らく石井昌国氏のこのような説が強く支持されて定説
昨年六月に次の様な記事を書いていました。経木で締めるのが苦手な人には、簡単ですが有効なので、皆さんの参考にそのまま載せます。この記事が自動で投稿される頃には、大阪に居ないと思います。申し訳ありませんが、土日と奉納演武で遠征です。連絡が付かないと思いますが、ご容赦願います。最近、柄内のガタツキを締めるのがずいぶんと成れました。先日も、柄作成の依頼を受けたお客様のお刀を、「少し締めれば、このままでも使えますよ。」と送料だけ頂いて、サービスでガタツキを無くして差し上げました。
山本先生は、良く「俺が一番生臭だ。」と言われます。では、生臭なのに“なぜ無想剣が使えるのか?”疑問ですよね?心の剣なのに生臭ならおかしいではないか?こう考えるのが普通ではないでしょうか?(東京本部の稽古風景)私も心の壁を剥がしていけば「勝気・闘争心の塊」です。でも、当初よりも無想剣が進みました。技術でも無く、心の剣です。勝気を持っては無想にはならない。そうですよね?勝気は核になっているほどの人間です。“でも”稽古が進んだわけです。一般的に、あ
昨今の食品の値上げを始めとした、色んな物の値上げに伴い、職人さんからも刀匠さんからも値上げを求められて来ました。特に鞘師さんは、高齢化が激しく、比較的若い方は、食べて家族を養っていかなければならないので、安い料金では、仕事を受けてくれません。今日、割合当店と客層の近い店の諸工作を見て回りましたが、自社製品以外の工作を休止して居る店が多数有りました。悩みました。当店も、自社製品以外の工作を引き受け停止にすべきか、価格を上げて、対応可能な工房を増やして行くのか。
写真にある海軍軍刀拵は、お客様の依頼で、当店で作成したものです。勿論金具は、お客様が当時の物を用意頂きました。刀身は「高山刀」です。この後、研ぎに出して、お客様に引き渡しと成ります。鞘は、サメ巻仕様では無く、本漆の石目仕様です。ただ、現在一般に行われている乾漆の石目仕上げでは無く、戦時中の軍刀の石目を再現して欲しいとの事でした。現在やっている所が無いとの事で、岐阜におられる上撰の職人さんと会い(その人以外、誰も引き受けてくれなかったので)、職
白い粉というと、コナン君がペロッとするイメージがあります。が、これは当然、コナン君がペロッとする粉ではありません。鎬地を磨くために使う「ロウ」を粉末状に砕いたものです。ロウは固形かビーズ型の粒のものしかないので、乳鉢を使い粉末状に砕きます。この粉を鎬地を磨くのに使うんですね。美術刀剣の場合、鎬地は黒光りする必要があります。平地とのコントラストの差を作って美術性を高める訳ですね。美術性が求められない居合研磨の場合
8月21日(日)に日本春霞刀剣会広島県支部の日本刀鑑賞会を行いました。出品刀は1号刀、鎧通し短刀-備前祐定、2号刀、寸延短刀-東山美平、3号刀、脇差-南紀重国、4号刀、平造り脇差-二王清重、5号刀、短刀-周防盛俊の5口でした。いずれも出来の良いもので大変参考になったと思います。特に2号刀、東山美平は滅多に観る機会もなく貴重なものでした。初めて見られた方も多かったと思います。地刃の働きが素晴らしく出来の良いものでした。3号刀、脇差-南紀重国も流石に新刀随一の刀工と云われるだけあって、刃の働
平造り短刀備前長船住長義(名物大阪長義)重要文化財第54回日本春霞刀剣会全国合同研究会が、10月22・23日「湯坂温泉郷賀茂川荘」にて開催されました。その中の一つ、平造り短刀「備前長船住長義(名物大阪長義)」を紹介してみましよう。平造り短刀備前長船住長義(名物大阪長義)重要文化財刃長、9寸1分余、やや反りがある(1分)。造形は平造り真の棟、身幅1寸弱、重ねは薄い。地鉄の鍛錬は板目肌、やや大振りのところもある。地映りが大きく乱れ状、刃分は押し型を参照してその複雑を極めた乱れ刃によっ
広島県支部主催の春霞会の全国大会が成功裏に終わった青森・岩手・東京・岐阜・大阪・広島など全国から集まった刀友が名刀を鑑賞した。名品を観るのは楽しいもの堪能した。その中で賀茂川荘の協力があったことは見逃せない。スタッフが1年前から、直前の事前準備まで丁寧に対応してくれたお陰と感謝している。それと料理が美味しかったことは見逃せない。料理についてはいずれブログで紹介をと考えている。賀茂川荘は庭がいい、歩いてみると以外に広いのに吃驚した。それともう一つ、絵画である。賀茂川荘はレベルの高い
『日本人の心、日本刀を手に持って見てみませんか』日本人の心、武士の魂の日本刀、そんな日本刀を手に持って見てみませんか、模造刀ではありません、真剣です。手に持ってみると日本人の心が分かります。日本刀に悠久の歴史を感じる方もあるでしょう。日本刀は武器ではありますが、信仰の対象ともなり、権威の象徴ともなってきました。日本の歴史の中で、日本刀は千年を越えて大切に保存され、その果たされた役割は大きく、まさに日本の刀剣文化であると言えます。日本刀は武士の魂と言われ、日本刀を見て武士道の精神を感
目貫草紙洗小町今回は伯耆国廣賀作の鎧通し短刀の拵えに使われている目貫(草紙洗小町)を紹介してみましよう。謡曲「草紙洗小町」を画にしたもの。小町は平安朝の女流歌人として六歌仙の一人、また美人代表でもある。今日でも美女、美男のたとえに、「小野小町か業平か」と言われる。その小町の歌の上手振りを讃えてつくられた物語である。ある時、内裏で歌合せがあり、その前夜、小町が「水辺の草」という題でまかなくに何をたねとて深草の波のうねうねおひしげるらんの一首をつくり口誦んでいるのを、歌手
目貫・恵比寿大黒天について先日のブログ(9/8)で紹介した安芸国の正光の『包丁正宗映しの短刀、刃長僅か15cm』の外装(拵え)の目貫(恵比寿大黒天)を紹介しました。今日はこの目貫の恵比寿大黒天についての故事を紹介してみましよう。江戸時代から七福神の信仰が盛んに行われ、今日でもなお相当強く残っているようです。七福神とは恵比寿、大黒、昆沙門、弁天、布袋、福禄寿、寿老人をいい、このうち恵比寿・大黒、昆沙門・弁天、布袋・禄寿(福禄寿と寿老人は同神という)のごとく、二神を組み合わせてそれぞれ二福神
刀は何故良く切れるのだろう先日のブログで、日本刀は世界に類をみない鉄パイプをも切ることができる武器だと書きました。何故、日本刀は良く切れるのでしよう。簡単にいうと、それは砂鉄からたたら製法で作った玉鋼を折り返し鍛錬したことにあるのです。折り返し鍛錬とは、玉鋼を真っ赤に焼きそれを叩いて長方形状に伸ばすのです。それを真ん中で折り、今度は逆方向へ叩いて伸ばすのです。これを芯金は10回程度、皮金で15・16回行うのです(それ以上行う事もあります)。折り返し鍛錬することで不純物が取り除かれ、粘り気のあ
第54回日本春霞刀剣会全国合同研究会が「湯坂温泉郷賀茂川荘」にて開催されました。今日はその鑑賞刀第2段、平造り短刀「相州住秋廣應安三」を紹介しましよう。相州住秋廣應安三(重美佐竹家伝来)平造り短刀刃長、1尺1寸5分、反り2分、表裏に棒樋。地鉄の鍛錬は板目肌、同作中白眉の地鉄。刃分は皆焼であるが通常見るものより温和。特徴、作柄全部が特徴、敢て説明の要なし(押し型を参照してください)。押し型をご覧になられて直ちに脳裏にひらめいたものは、作者の時代位置と中心五カ国のうち相模鍛
平成28年度第54回日本春霞刀剣会全国合同研究会平成28年10月22日(土)~23日(日)、平成28年度第54回日本春霞刀剣会全国合同研究会が広島県の「湯坂温泉郷賀茂川荘」にて、全国から50数名の会員諸氏が集まり開催されました。出品刀は、短刀備州長船長義正平十五年三月日(重文名物大坂長義)、短刀無銘正宗(芦屋正宗)、短刀相州住秋廣應安三(重美佐竹家伝来)、刀葵紋主馬首一平安代(重美)、太刀備州長船景光(山内容堂差料)など50振りの名刀が出品されました。滅多
第54回日本春霞刀剣会全国合同研究会が「湯坂温泉郷賀茂川荘」にて開催されました。今日はその時の出品刀を紹介してみましよう。平成28年度第54回全国合同研究会出品刀1本部出品刀短刀備州長船長義正平十五年三月日(重文名物大坂長義)2短刀無銘正宗(芦屋正宗)3短刀相州住秋廣應安三(重美佐竹家伝来)4刀葵紋主馬首一平安代(重美)5太刀備州長船景光(山内容堂差料)6刀水心子正秀天明七年二月日(恒之会長遺愛刀)7広島
日本刀の拵先日のブログ(8/27)で日本人のこだわりは、日本刀の地金の美しさと刃文の美だけではありません。日本刀を入れる拵にも日本人の美意識が出ています。下の画像をご覧下さい、短刀拵えです。わずか15cm程の短刀が入っている拵です。鞘の造り、目抜きの飾りなど日本人の美意識そのものではないでしようかと紹介しました。今日はその拵えの美について簡単に触れてみました。拵え、即ち日本刀を入れると外装のこと。刀身を入れる鞘(さや)、茎(なかご)が入る柄(つか)(握る部分)、縁頭、および鐔(つば)などを
謹賀新年今日1月4日、剣道の初稽古を行いました。何十年も続けている初稽古ですが、これをしないと一年が始まりません。稽古の後は、全員で近くの神社まで走って行き、お参りをします。それから全員が大きな輪になって素振りです。幼稚園から中学生までの全員が、一人が10本ずつ大きな声を出して先導し、全員が終わるまで行います。したがって300本近く素振りをします。子供達も力強く素振りをしてくれました。今年もよく頑張って活躍してくれると思います。今年が皆さんにとって良い年でありますよう
優品鑑賞太刀「肥後国国資」いい刀を観るのは楽しいもの心が癒され勇気が湧いてくる今日は優品鑑賞の前に日本刀の魅力について考えてみましよう日本刀の魅力は何だろう日本刀のどこが美しいのだろうと考えてみますそれは何といっても日本刀の研ぎ澄まされた姿でしょう機能を追求し一切の無駄を省いた姿・形にその魅力を感じておられる人も多いと思います日本刀の姿の美しさの第一はその曲線美であると言っても過言でないでしようこの反りは無意味なものではなく実用に
室町期の美濃国刀工の特徴その2前回に続いて今回も室町期の美濃刀工を見てみます鎌倉末期から南北朝初期にかけて美濃国での刀剣需要に応じて大和国から移住した刀工兼氏が志津派を形成したのが始まりで、大和国からは千手院、善定、寿命等の刀工がそれに続いた。美濃刀工と大和物との関連が強い事が知られ、作風にもそれが現われている事を無視することは出来ない。室町初期の美濃刀工は前期直江志津刀工の後代と思える刀工と関刀工が見られるがその作刀は少ない。前回は、室