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『人間標本』読了しました。…久々に凄かった…。「イヤミスの女王」の本領発揮。湊かなえさんの作品で、私が一番好きなのは『少女』です。最後ですべてがバーっと繋がって、一見ハッピーエンドで終わったように見せかけておいて、最後に残る後味の悪さ。これぞまさにイヤミス。あまり長くないのも良い。あとは、『贖罪』や、イヤミスじゃないけど『花の鎖』も好き。割と初期の作品に好きなのが多いです。最近は、もちろん面白いけど「イヤミス」ではないなぁ…という作品が多かったように思うのですが、この『人間標
『人間標本』読みました。(2023/12/13初版発行)人間も一番美しい時に標本にできればいいのにな――。蝶が恋しい。蝶のことだけを考えながら生きていきたい。蝶の目に映る世界を欲した私は、ある日天啓を受ける。あの美しい少年たちは蝶なのだ。その輝きは標本になっても色あせることはない。五体目の標本が完成した時には大きな達成感を得たが、再び飢餓感が膨れ上がる。今こそ最高傑作を完成させるべきだ。果たしてそれは誰の標本か。――幼い時からその成長を目に焼き付けてきた息子の姿も