五月五日は、端午の節句である。端午とは端(はじめ)の午(うま)の日という意味だが、端の五の日、つまり端五だとする説もある。菖蒲の節句とも言った。元来この日は、菖蒲の強い香気によって、邪気を払う日であった。菖蒲が尚武に通ずるところから、武家時代には、男の子の間で、川原などで石投げ合戦をして遊んだものだった。だが江戸初期になると、石投げは禁止された。以後、世の中の平和が続くにつれ、武を尊ぶような遊びが廃れて、飾り物本位となる。飾り物で男子の健やかな成長や出世を祝うようになって、これが町人社会にも浸透