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イギリスが奴隷制を廃止する経緯を調べてみた。奴隷貿易や砂糖農園で資産を築いた人々がロンドンに居住し、議会にも進出している状況からどのように転換できたのだろうか?まずその流れをつくったのが、宗教だった。奴隷制が人道に反する、という思いで国教会福音派とクェーカー教徒たちがそのウィルバーフォース議員を中心に奴隷制廃止の協会を組織する。ウェッジウッドも参加する。そこで奴隷貿易禁止の法律が制定された。決定的だったのが、奴隷の反乱だった。過酷な収奪を受けていた奴隷たちが、英領ガイアナ、追ってジャマ
本日は書籍紹介をいたします。今回取り上げるのはこちら、カール・シュミット『パルチザンの理論』新田邦夫訳、ちくま学芸文庫、1995年ドイツの法学者、政治学者にして、現代思想からもよく参照されるカール・シュミットによるパルチザン論です。パルチザンというと、ゲリラ活動や遊撃部隊といったイメージが強いですが、他国の軍隊などによって占領された地域で反撃、抵抗活動を行なうグループないしはその構成員のことですね。重要なのは、主権国家によって公的に組織される正規軍とは異なり、パルチザン