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叙事詩という文学形式西洋文学の歴史の中で現存する最も古い作品は、ホメロスの『イリアス』(または『オデュッセイア』)です。そして、その叙事詩は、トロイア戦争の模様を総数15,685行で物語られています。同じく物語を物語るという文学様式である「小説」との違いは、叙事詩が全行に渡って「韻文」によって書かれるという点です。そして、散文で書かれる小説よりも、創作する詩人の側も読者の側も高度な能力を要求されます。そしてさらに、叙事詩は、同じ韻文で書かれる抒情詩よりも膨大な詩行になり、内容も豊富に
今年もお盆が近づいてきましたので、今回は、この世ではなくて「あの世」のことをお話しします。上のギリシア語の日本語訳は、「この世は舞台、人生は登場、あなたは来た、見た、去った」です。この言葉は、デモクリトス(紀元前470年頃~370年頃)哲学の神髄をついています。「この世界は生を営む場所で、生まれるということはこの世界に現れるということで、そこで人生を全うして、この世から消えていく」というのが人間の一生です。消えた後は何になるかという問題に対して、この哲人は、人間の形が消えて「原子」という物体
2020年のオリンピックが東京で開催されます。その東京オリンピックで、レスリングが消滅する危機にあったことは、私たちの記憶にまだ新しく残っています。レスリングに比べると歴史の浅い柔道は安泰なのに、歴史の古いレスリングのほうがオリンピックから消滅する危機にあったことは、歴史的怪奇現象です。もし2020年東京オリンピックにレスリングが消滅することになっていたならば、紀元前776年第1回古代オリンピックから2796年も続いた由緒ある競技種目が無くなっていたことになりました。古代ギリシアにまで遡って、